レッスン納め

2018年12月28日 | 日記
今年のレッスンも今日で終わり。生徒さん達の熱心さに支えられた、充実したレッスンライフでした。今年は若い方たちの入門が続き、今、6人ほどの高校生が通ってきてくれています。子育て世代の女性も数名。割と高齢の方の多かったわが教室が少し若返ってきました(笑)。
数日前、同業者の友人と久し振りに時間を忘れてレッスン談義をして、いろいろと得るところがありました。彼女は私と同じ師系なのでレッスンの方向はほぼ同じですが、極太の声帯を持つドラマティック・ソプラノで、同じソプラノと言ってもレッジェロの私とは対照的な声です。声帯が太い人の苦労は私にはわかりにくいので、たまに彼女にうちの生徒さんを見てもらうことがあるのですが、彼女には生徒さんの問題や悩みがすぐにわかるらしく、的確なアドヴァイスができるし、彼女が一声出してみせるだけで生徒さんはすぐにイメージがつかめるようなのです。
発声というものは口頭説明だけではなかなか理解できにくいので、レスナーが実際に声を出してみせ、納得してもらうことはレッスンの大事な要素です。ですから、なるべく似た声の先生につく方が良いというのは真理だと思います。うちに来ている高校生の男子生徒も、私の知人で同門のバス歌手のレッスンを受けてもらった後、長足の進歩を遂げました。やはり、生徒さんにうまくなってもらおうと思ったら、自分で囲い込んではダメですね。なるべくいろんな方に習ってもらって、それを聴講させてもらえば、導き方の抽斗を増やすこともできます。
歌そのもののレッスンと併せて、身体からのアプローチも大事だと思います。アレクサンダー・テクニークのレッスンを取り入れてから、私も生徒さん達も視野が拡がりました。来年はオイリュトミーのレッスンも企画しています。さまざまな試みが総合的に関係しあって歌う楽器が出来上がっていくプロセスを大切にしたいと思います。
それでは、皆様よいお年をお迎え下さい。

第31回クリスマス・コンサート終了

2018年12月24日 | 日記
皆様、メリー・クリスマス!
今日、今年の「カリオペくまもとクリスマス・コンサート」が無事終わりました。第31回目を数えるクリスマス会ですが、今回初めて国際交流会館ホールという大きな場所を借りて行いました。
合唱を含め出演者が40名ほど、それに伴奏者や客演、裏方スタッフ等が15名ほど、これにお客様が入っても最大100人ぐらいかと思って椅子を100脚準備しておきましたが、思ったよりたくさんの方がご来場下さり、アットホームな中にもコンサートらしい雰囲気の、良い会になったと思います。
今日から寒くなるという予報でしたが、ホールは照明や人の体温で結構温かく、リハーサルも本番も空調なしで済みました。午前中のリハーサルは5分刻みで、それでも午後2時の開演ギリギリまでかかりました。ステマネさんやベテランの生徒さん、客演の友人たちがリハに立ち会ってくれて大助かりでしたが、リハをしながら様々な準備を同時進行で進めるので、あれもこれもとてんやわんやです。しかし、開演してしまえばもう私の出番はありません。今年は心静かに全員の演奏をゆっくり聴かせてもらえました。
高校生から80代まで、老いも若きも、初心者もベテランも、誰彼の区別なく皆が主人公のコンサート。それぞれが自分の歌いたい曲を選び、その大好きな曲を精いっぱい、心を込めて歌い上げる姿は本当に素晴らしいといつも思います。また、今年は最初の合唱にモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を選びましたが、これに客演のチェリスト3人が三重奏で伴を付けて下さいました。お陰で、何とも優雅でしっとりとした素敵な合唱になりました。
ポピュラーあり、讃美歌あり、イタリア歌曲、ドイツ歌曲、日本歌曲、オペラアリアのオーソドックス路線もあり、独唱だけでなくアンサンブルもあり、客演や私の歌もあり、いつもながらヴァラエティ豊かなプログラムです。選曲にはその人の個性が表れますから、この多彩なプログラムは、皆さんがのびのびと自分らしく歌って下さっている証だと思います。休憩をはさんで約2時間半のコンサートはあっという間に終わりました。片付けが終わって我に返ると、脚が棒のよう。大荷物を抱えたり、慣れないヒールを履いたりしたせいでしょうか。でも、なぜか全然疲れていません。今年は例年以上に皆さんの歌を心から楽しめました。自分の歌も随分落ち着いた気持ちで歌えました。年の功でしょうか(笑)。
今年のレッスンをこんな充足感の中で終えることができ、心から幸せに思います。この気持ちを糧に、また来年に向かって進みたいと思います。出演の皆さんとお客様、そしてスタッフさん達に感謝です。

オイリュトミー

2018年12月20日 | 日記
音大時代、教育学の授業でシュタイナーのことを教わって興味を持ち、その頃高田馬場にあったシュタイナー・ハウスに出入りして、理論的、実践的な勉強を1年ほど続けたことがありました。住んでいた町のカルチャーセンターで開講されていたオイリュトミーのクラスにも参加して、以来ずっとシュタイナーに関心を持ち続けています。熊本にもシュタイナーを学んでいるグループが複数あり、何度かイヴェントに参加させてもらいました。以前熊本でオイリュトミーを教えておられたU先生とも知己を得、今はFacebookのお友達です(笑)。U先生とコラボでコンサートをするのが夢で、来年はなんらかの形でご一緒できませんか、とオファーしています。
そのU先生から、来週福岡で行われる「歌う人のためのオイリュトミー講座」にお誘いを頂いたのですが、残念ながらその日先約があって行けないので、いっそカリオペで主催するので熊本でもやって頂けませんか、とお願いしたら快諾して下さいました。急転直下の成り行きで、年明けの1月27日に熊本で開講して下さることになり、大急ぎでチラシを作りました。下にアップします。オイリュトミーって何??と思われる方が大多数だと思いますが、どうぞチラシをご一読下さい。そして、参加ご希望の方はどうぞお早目にご一報ください。きっといろんな発見があると思います。皆様のご参加をお待ちしています。

感慨

2018年12月18日 | 日記
留学から帰国して以来ひとかたならぬお世話になったW先生が、この夏施設に入られました。もう87歳ですから一人暮らしは難しくなってしまったのですね。ここ数年、ご自宅で転倒して怪我をなさることがたびたびあり、心配していました。今は施設におられて、生徒さんからレッスンの依頼があると、タクシーでご自宅へ帰ってレッスンをしていらっしゃったのですが、そのご自宅を年明けに売却されることになりました。それで、不肖の弟子ではありますが、カリオペの名前を頂いて発声のレッスンをしている私に発声関係の蔵書を下さる、というお話になり、先生のお宅に行ってきました。
お伺いする前日に先生のご体調が悪くなり、先生のところに頻繁に様子を見に行って下さっているお弟子さんのMさんが、先生から鍵を預かってご自宅で待機して下さる、ということになりました。しかし、やはり先生ご自身がご本を確認したいと仰って、結局ご無理を押してMさんとご一緒にご自宅へ来て下さいました。施設の門限があるので、タイムリミットは3時間。いざ作業を始めてみると、本だけでなく楽譜もCDも山積みで、お手許に残されるもの、他のお弟子さんに譲られるもの、私に下さるものに分別するのが大仕事です。何とか1箱は梱包発送できましたが、あと1箱は梱包するのが精一杯で。発送は後日Mさんにお願いすることになりました。
ご自宅を辞する時、ああ、もうここに来ることはないのだな、と思うと胸がいっぱいになりました。このレッスン室で過ごした時間がどれほど濃密で有意義だったことか。私の後半生はこのお部屋から始まったと言っても過言ではありません。先生はいつも、時間を忘れ、ありったけの情熱を傾けて私を導いて下さいました。その温かいお人柄と的確なご指導、有意義なアドヴァイスは驚嘆に値するものでした。私だけでなく、先生の門をたたくすべての人がその恩恵にあずかったのです。私もたくさんの友人をこのお部屋にお連れしました。熊本にも何度も来て頂きました。そして、先生にレッスンを受けたすべての人が例外なく先生に深く感謝し、その後の音楽人生を豊かにしていかれました。
私が初めて先生にお会いした時、先生は既に70歳を超えていらっしゃいましたから、私は比較的新しい弟子です。私自身も40歳に近い年齢でしたから、もう少し早く先生に出会っていれば...と何度も思いました。若い頃から発声でさんざん苦労して、結局何もつかめずに歌をやめてしまい、しかし諦めきれずにご縁を辿って先生のところに入門した私を、先生はたった1回のレッスンで目覚めさせて下さいました。突然に目からうろこが何枚も剥がれ落ちた気分でした。私が紹介した友人達も皆そうでした。でも、それまでさんざん悩み苦しんできたからこそ先生のメソッドの価値がわかったのですから、その意味では、それまでの苦労も必要だったのかもしれません。
ともあれ、私にとっても、人生の一つのエポックが終わったようです。先生への尽きせぬ感謝とともに、未来に向かって歩みを進めたいと思います。

カリオペくまもとクリスマス・コンサート

2018年12月13日 | 日記
毎年恒例のクリスマス会、今年は国際交流会館ホールで開催します。高校生からシニア世代まで老若男女入り混じり、独唱、重唱、合唱、客演のチェロアンサンブル、ポップスからオペラアリアまでバラエティ豊かなプログラムです。
師走の慌ただしい時期ではありますが、よろしかったらどうぞご来聴下さい。