中学校の大同窓会に出席してきました。オープニングの合唱がお目当てです。中学時代に校内合唱コンクールの課題曲だった「モルダウ」、「グローリア」、卒業式で歌った「ハレルヤ」の3曲を、当時の音楽の先生の指揮で歌いました。伴奏は私の学年の伴奏者だったKさんがずっと務めていますが、私の学年の合唱参加者は例年私一人で、いつも二人でさびしがっています(笑)。
実は今回の「モルダウ」と「グローリア」は、私たちが中学生の頃に歌ったものとは少し編曲が違っています。指揮の先生曰く、昔の楽譜が熊本地震で散逸してしまい、この楽譜しか手許にないとのこと。本番までに3回の練習があったのですが、昔の記憶というのは根強いもので、参加者一同、違うバージョンの編曲がなかなか覚えられませんでした。全然違っていればいっそのこと新たに覚えなおせるのですが、微妙な違いなので却って混乱してしまうのです。中に数名「私たちの学年はこの楽譜で歌いましたよ」という方がいらっしゃって、羨ましかったですね(笑)。
数年前にドイツでE.カークビーの講習会に参加した時、昔々(大学受験の時)歌った曲を急遽レッスンして頂く成り行きになったことがありました。楽譜もないのに不思議に歌詞もちゃんと覚えていて、我ながら驚いたのですが、「ちょっと歌詞の割り付けを変えてみましょう」と言われて軽いパニックになりました。ほんのちょっと変えるだけなのにうまくいかないのです。正確に言えば、「こんなふうに歌ってみて」と言われてオウム返しに歌った時はできたのに、もう一度一人で歌ってみると間違える(昔歌っていた歌い方に戻っている)。確認のために「こうですよね?」と何度かそこだけ歌ってみて、ちゃんと記憶を上書きしたつもりなのに、もう一度最初から歌ってみるとやっぱり元の木阿弥になっている。他の若い受講者たちが半ばあきれ顔で見守る中、何度もやり直してやっと一度だけ成功した(最初から通して間違えずに歌えた)時は、先生がバンザイをして喜んで下さって、情けないような嬉しいような、何とも複雑な気分でした。私はもともと頭の固いタイプの上に、歳とともに記憶力の柔軟性が著しく低下しているようです。M先生が合唱のレッスンの時によく「いつも同じことばかりしていると早くぼけるんですよ」と仰るのですが、最近は殊のほかこの言葉が身に沁みます(笑)。
同窓会の後、Kさんとお茶を飲みながらお喋りしました。演奏活動を続ける者どうし、「何度も同じ曲をプログラムに乗せる人がいるけどさ、あの気持ちわかるよね」、「うん、だんだん新しいレパートリーを開拓する体力と気力と記憶力が落ちてくるもんね」、「やっぱり若いうちに、浅く広くでいいからレパートリーを拡げておかなくちゃね」、「そうそう、表現の掘り下げは年取ってからでもできるもんね」というような話で大いに盛り上がってしまいました(苦笑)。演奏会の成否の半分はプログラミングにかかっていますからね。歳をとっても、演奏を続ける限りは、その都度のコンセプトに沿って一曲ずつでもレパートリーを拡げていきたいと思います。アンチエイジング!
実は今回の「モルダウ」と「グローリア」は、私たちが中学生の頃に歌ったものとは少し編曲が違っています。指揮の先生曰く、昔の楽譜が熊本地震で散逸してしまい、この楽譜しか手許にないとのこと。本番までに3回の練習があったのですが、昔の記憶というのは根強いもので、参加者一同、違うバージョンの編曲がなかなか覚えられませんでした。全然違っていればいっそのこと新たに覚えなおせるのですが、微妙な違いなので却って混乱してしまうのです。中に数名「私たちの学年はこの楽譜で歌いましたよ」という方がいらっしゃって、羨ましかったですね(笑)。
数年前にドイツでE.カークビーの講習会に参加した時、昔々(大学受験の時)歌った曲を急遽レッスンして頂く成り行きになったことがありました。楽譜もないのに不思議に歌詞もちゃんと覚えていて、我ながら驚いたのですが、「ちょっと歌詞の割り付けを変えてみましょう」と言われて軽いパニックになりました。ほんのちょっと変えるだけなのにうまくいかないのです。正確に言えば、「こんなふうに歌ってみて」と言われてオウム返しに歌った時はできたのに、もう一度一人で歌ってみると間違える(昔歌っていた歌い方に戻っている)。確認のために「こうですよね?」と何度かそこだけ歌ってみて、ちゃんと記憶を上書きしたつもりなのに、もう一度最初から歌ってみるとやっぱり元の木阿弥になっている。他の若い受講者たちが半ばあきれ顔で見守る中、何度もやり直してやっと一度だけ成功した(最初から通して間違えずに歌えた)時は、先生がバンザイをして喜んで下さって、情けないような嬉しいような、何とも複雑な気分でした。私はもともと頭の固いタイプの上に、歳とともに記憶力の柔軟性が著しく低下しているようです。M先生が合唱のレッスンの時によく「いつも同じことばかりしていると早くぼけるんですよ」と仰るのですが、最近は殊のほかこの言葉が身に沁みます(笑)。
同窓会の後、Kさんとお茶を飲みながらお喋りしました。演奏活動を続ける者どうし、「何度も同じ曲をプログラムに乗せる人がいるけどさ、あの気持ちわかるよね」、「うん、だんだん新しいレパートリーを開拓する体力と気力と記憶力が落ちてくるもんね」、「やっぱり若いうちに、浅く広くでいいからレパートリーを拡げておかなくちゃね」、「そうそう、表現の掘り下げは年取ってからでもできるもんね」というような話で大いに盛り上がってしまいました(苦笑)。演奏会の成否の半分はプログラミングにかかっていますからね。歳をとっても、演奏を続ける限りは、その都度のコンセプトに沿って一曲ずつでもレパートリーを拡げていきたいと思います。アンチエイジング!