今夜はメサイアの練習日でした。自宅での仕事を終え、M先生をお迎えに向かう途中のことです。うちを出てすぐの角を右折してほんの数メートルのところで、自転車に乗った男子高校生が左手の路地から飛び出してきました。ものすごいスピードです。びっくりして急ブレーキをかけましたが、彼の自転車が助手席側のドアにぶつかり、自転車でドアをガーッと擦ってそのまま右手の路地へ直進、全速力で走り去ろうとしました。帰宅途中の中学生たちが数名、その場に固まったように立ち竦んでいます。大急ぎで窓を開けて「ちょっと待って!」と叫ぶとその高校生は戻ってきてくれましたが、「大丈夫だった?」と訊くと「大丈夫です、何ともありません、急いでいたので済みません」と息を切らして言い、すぐに立ち去ろうとします。「ちょっと待って、念のために連絡先を教えて」と言って親御さんと彼の携帯電話の番号を教えてもらいましたが、改めて車を見てみると、助手席のドアと左後部のドアに釘でひっかいたような30㎝ぐらいの傷がついています。あーあ、つい先日1ヶ月点検をしたばかりの新車なのに...と思う間もなく、彼は疾風のように去っていき、一かたまりになって私たちを注視していた中学生たちもあっという間にいなくなってしまいました。
その場ですぐに車の購入時にお世話になった営業さんに電話をして状況を伝えました。その時点では、私の頭の中は車の傷の修理のことでいっぱいでした。阿蘇での合宿に行くのに車が使えないと困る、と反射的に思ったのです。しかし営業のKさんに「これは非常に微妙な事例ですね。止まっている車に自転車がぶつかってきたのならその高校生に責任がありますが、車が動いていたのであれば車の運転者が加害者になるのです。高校生に怪我もなく自転車も壊れていないのであれば責任は問われないと思いますが、先方さんに連絡を取った方がいいかどうかはちょっと判断が難しいですね」と言われ、はっと気づきました。これは一歩間違えば人身事故になっていたんだ、と。角を曲がったばかりであまりスピードが出ていなかったのが幸いしたとは言え、相手が敏捷な高校生でなければ、あんな勢いで車にぶつかれば普通は確実に転倒するでしょうし、怪我もするでしょう。そう思うとぞっとしました。
明朝営業所に行って善後策を考えることにしてそのままM先生のところへ向かいましたが、M先生のお顔を見た途端、思わず大きなため息が出てしまいました。「どうしたの?」と訊かれて「実は...」と一部始終を話しながら、自分がかなり興奮していることに気づきました。腰や上半身に鈍い痛みも感じます。彼も今頃体が痛くなっているかもしれません。M先生は「それはショックだったわねえ」と言いながら、カチカチになった私の肩を揉んで下さいました。左側の肩がひどくこわばっています。「左は心臓があるから、強いショックを受けるとこうなるのよ」と仰いました。強心臓の私でも(?)やっぱり心臓に響いたんですね。M先生と話をしながら、双方に怪我もなく、車の傷ぐらいで済んだのは幸いだったのだ、とようやく心に落ちてきました。それにしても路地は怖いですね。慎重の上にも慎重に運転しなければと肝に銘じたことでした。
その場ですぐに車の購入時にお世話になった営業さんに電話をして状況を伝えました。その時点では、私の頭の中は車の傷の修理のことでいっぱいでした。阿蘇での合宿に行くのに車が使えないと困る、と反射的に思ったのです。しかし営業のKさんに「これは非常に微妙な事例ですね。止まっている車に自転車がぶつかってきたのならその高校生に責任がありますが、車が動いていたのであれば車の運転者が加害者になるのです。高校生に怪我もなく自転車も壊れていないのであれば責任は問われないと思いますが、先方さんに連絡を取った方がいいかどうかはちょっと判断が難しいですね」と言われ、はっと気づきました。これは一歩間違えば人身事故になっていたんだ、と。角を曲がったばかりであまりスピードが出ていなかったのが幸いしたとは言え、相手が敏捷な高校生でなければ、あんな勢いで車にぶつかれば普通は確実に転倒するでしょうし、怪我もするでしょう。そう思うとぞっとしました。
明朝営業所に行って善後策を考えることにしてそのままM先生のところへ向かいましたが、M先生のお顔を見た途端、思わず大きなため息が出てしまいました。「どうしたの?」と訊かれて「実は...」と一部始終を話しながら、自分がかなり興奮していることに気づきました。腰や上半身に鈍い痛みも感じます。彼も今頃体が痛くなっているかもしれません。M先生は「それはショックだったわねえ」と言いながら、カチカチになった私の肩を揉んで下さいました。左側の肩がひどくこわばっています。「左は心臓があるから、強いショックを受けるとこうなるのよ」と仰いました。強心臓の私でも(?)やっぱり心臓に響いたんですね。M先生と話をしながら、双方に怪我もなく、車の傷ぐらいで済んだのは幸いだったのだ、とようやく心に落ちてきました。それにしても路地は怖いですね。慎重の上にも慎重に運転しなければと肝に銘じたことでした。