構音とは上あごや舌や唇などを使って母音や子音を作ることですが、これは体(筋肉)の使い方と密接に関係しています。少し前のコメント欄に「イ」や「エ」の母音を発声する時の舌の位置についてのお尋ねがありましたが、これも構音の問題ですね。
このところ、生徒さんたちのレッスンで構音の位置をしっかり認識することに取り組んでいます。まず、舌先で上あごをなぞって軟口蓋の位置を確認します。次にその軟口蓋をできるだけ高く挙げてドーム型にし、その下に広い空間を作ってそこで「ア」の母音を発音します。あくびの途中から「アー」という声を出す要領です。あくびの時は吸気筋が働いているので体は外側に広がります。その体の動きをそのまま続けながら声を出すのです。この時の構音点は、普段日本語を喋っている時の「ア」よりかなり奥です。それを確認し、「エ」、「イ」、「オ」、「ウ」と続けて同じ場所で発声します。その際、なるべく軟口蓋を高く拳上したまま母音を変えていきます。「エ」と「イ」では口角を横へ広げず、なるべく「ア」の時と同じ口形で、舌が少し持ち上がり、前へ出てくるように意識します。「オ」と「ウ」では舌は下がりますが、それにつられて口の奥が狭くならないよう気を付けます。
母音をこの位置で発音すると、自然と体が外側へ広がり、横隔膜が動き出します。これだけでフーッとため息をつく人もいるほど筋力が要ります(私たちが普段喋っている日本語は口先で発音するので、横隔膜を全然使わないのです)。
次に子音ですが、まず、母音の構音点から一番遠い唇を構音点とするp,b, mに5つの母音を組み合わせます。最初に西瓜の種を飛ばす要領でpだけを無声(母音なし)で発音してみてから、pとaを組み合わせて「パー」と発音しますが、aのアンザッツ(声の当たる場所)は軟口蓋ですから、pを唇で発音した後すぐに軟口蓋を拳上してaを発音します。構音点の異なる2つの音声を連続して発音するわけです。pからaに移行する時、pの時の体の緊張が緩むと息が口先から流れ出てしまうので、体をしっかり使ったままaへ移ります。この要領でパー、ペー、ピー、ポー、プーと母音を変えます。続いてバ行、マ行。bよりp、pよりmと体の負荷は軽くなりますが、破裂音がちゃんと出るよう気を付けます。
次はサ行とザ行。閉じた前歯の間をこじ開けて息が出るので、かなり体に負荷がかかります。この歯擦音から母音に移る時は子音を破裂させず、引きずるようにして母音に接続します。
その次は前歯の裏と舌先で構音するt,d,l、すなわちタ行、ダ行、ラ行です。これらの子音は普段の日本語では硬口蓋で構音しますが、歌の時は舌先で前歯を前方に押しやるようにして子音を発音し、母音に接続します。
最後にカ行とガ行。これは構音点が軟口蓋なので、母音の場所と同じです。舌背が軟口蓋をはじく時、下あごに力を入れないように気を付けて、軟口蓋をじゅうぶんに拳上して母音につなぎます。
日本語に無い子音としてvとfがありますが、これは下唇と上の前歯で構音します。これも相当に体力を要する発音です。
この練習の後で、構音の位置を意識しながら短い文章や歌の歌詞を読み上げたり、歌詞のついた歌を歌ったりすると、必要十分な体の筋肉が使えているのに気づき、発音(構音)と発声の関係を体感できます。どうぞお試しを。
このところ、生徒さんたちのレッスンで構音の位置をしっかり認識することに取り組んでいます。まず、舌先で上あごをなぞって軟口蓋の位置を確認します。次にその軟口蓋をできるだけ高く挙げてドーム型にし、その下に広い空間を作ってそこで「ア」の母音を発音します。あくびの途中から「アー」という声を出す要領です。あくびの時は吸気筋が働いているので体は外側に広がります。その体の動きをそのまま続けながら声を出すのです。この時の構音点は、普段日本語を喋っている時の「ア」よりかなり奥です。それを確認し、「エ」、「イ」、「オ」、「ウ」と続けて同じ場所で発声します。その際、なるべく軟口蓋を高く拳上したまま母音を変えていきます。「エ」と「イ」では口角を横へ広げず、なるべく「ア」の時と同じ口形で、舌が少し持ち上がり、前へ出てくるように意識します。「オ」と「ウ」では舌は下がりますが、それにつられて口の奥が狭くならないよう気を付けます。
母音をこの位置で発音すると、自然と体が外側へ広がり、横隔膜が動き出します。これだけでフーッとため息をつく人もいるほど筋力が要ります(私たちが普段喋っている日本語は口先で発音するので、横隔膜を全然使わないのです)。
次に子音ですが、まず、母音の構音点から一番遠い唇を構音点とするp,b, mに5つの母音を組み合わせます。最初に西瓜の種を飛ばす要領でpだけを無声(母音なし)で発音してみてから、pとaを組み合わせて「パー」と発音しますが、aのアンザッツ(声の当たる場所)は軟口蓋ですから、pを唇で発音した後すぐに軟口蓋を拳上してaを発音します。構音点の異なる2つの音声を連続して発音するわけです。pからaに移行する時、pの時の体の緊張が緩むと息が口先から流れ出てしまうので、体をしっかり使ったままaへ移ります。この要領でパー、ペー、ピー、ポー、プーと母音を変えます。続いてバ行、マ行。bよりp、pよりmと体の負荷は軽くなりますが、破裂音がちゃんと出るよう気を付けます。
次はサ行とザ行。閉じた前歯の間をこじ開けて息が出るので、かなり体に負荷がかかります。この歯擦音から母音に移る時は子音を破裂させず、引きずるようにして母音に接続します。
その次は前歯の裏と舌先で構音するt,d,l、すなわちタ行、ダ行、ラ行です。これらの子音は普段の日本語では硬口蓋で構音しますが、歌の時は舌先で前歯を前方に押しやるようにして子音を発音し、母音に接続します。
最後にカ行とガ行。これは構音点が軟口蓋なので、母音の場所と同じです。舌背が軟口蓋をはじく時、下あごに力を入れないように気を付けて、軟口蓋をじゅうぶんに拳上して母音につなぎます。
日本語に無い子音としてvとfがありますが、これは下唇と上の前歯で構音します。これも相当に体力を要する発音です。
この練習の後で、構音の位置を意識しながら短い文章や歌の歌詞を読み上げたり、歌詞のついた歌を歌ったりすると、必要十分な体の筋肉が使えているのに気づき、発音(構音)と発声の関係を体感できます。どうぞお試しを。