大同窓会

2018年09月30日 | 日記
昨日は母校の中学校の大同窓会に参加しました。台風の接近でやむなく欠席する人が続出する一方、台風接近で他のイヴェントが中止になったため急遽出席できることになった方もあり、幹事学年のスタッフさんたちはてんやわんやだったようです。本当にご苦労様でした。
平成最後の同窓会、幹事学年は昭和最後の卒業生という不思議なめぐりあわせです。私はこの学校に非常勤として9年間お世話になったので愛着も強く、また大同窓会では例年オープニングに「ハレルヤ」を合唱するので、それも一つの吸引力になって例年参加しているのですが、さすがに今年はどうしようかと直前まで迷いました。マイコプラズマ肺炎がなおり切らず、金曜日に病院を再受診した時にも「1週間前より症状が悪化している」と言われたからです。でも、ハレルヤの指揮をして下さる恩師I先生が「僕の指揮は今年で終わり」と公言されていましたし、伴奏者のKさん(長い付き合いの同級生)も先生と一緒に伴奏を退くと言っていましたから、最後の記念にハレルヤの舞台にだけでも立ちたくて(まだ歌えませんが)、やはり出かけていきました。合唱の時もマスク着用、お食事の時だけ一瞬はずしますが、基本的にはマスク着用のままで2時間を過ごしましたが、恩師の先生方やかつての同僚の先生、また同級生や親しい先輩後輩にも会え、楽しい時間を過ごせました。最後は4部合唱の校歌で締め。歌に始まり、歌に終わるこの同窓会は、歌に出会い、歌を志した中学時代に帰り、人生の原点を思い起こす日でもあります。
1年生の時の担任だった先生がご入院中なので、午前中に友人たちとお見舞いに行く予定だったのですが、行ってみたら病院を移っておられました。ご自宅にお電話して転院先を伺い、友人たちはそちらへ向かいましたが、私は午後からの仕事があったので残念ながら断念。でも、私は行かない方が良かったのかもしれません。また改めて、体調が回復してからお顔を見に行きたいと思います。同窓会にはその先生の奥様も出席しておられ、ご挨拶ができました。奥様は元音楽教師でいらして、先生も音楽がお好きでしたから、ホームルームの時間に「野ばら」や「歓喜の歌」をドイツ語で教えて下さいました。このクラスだったから、私は歌の道に進んだのだと思っています。
この学校は東京でも毎年同窓会を開いているのですが、来月行われる今年の東京同窓会の幹事は私たちの学年です。東京在住の同級生たちを中心に準備が進んでいますが、若い人たちに来てほしいというので甥姪教え子たちに声をかけ、彼らが行ってくれるというので、それでは私もということで、日帰り参加することにしました。4部合唱の校歌を、今年はもう一度歌えます。
散会直前、I先生が私たちの学年のテーブルにやってきて、Kさんに「もう一年だけハレルヤの指揮をすることになった。伴奏を頼む」と仰いました。I先生は腰痛を抱えておられ、Kさんも「歳のせいで手が開かないのよね(-_-;)この曲弾くのはキツイのよ~」とぼやいていましたから(ハレルヤの伴奏はオクターブの中にいくつも音が入っていて、それが終始一貫続くので手に負担がかかるのです)、あまり無理をさせるのは酷なのですが、I先生、来年の幹事学年の卒業生たちに拝み倒された模様(笑)。
今日は台風のため、午前の仕事も午後の仕事もキャンセルになりました。やっと休めます(笑)。

メサイア公演終了

2018年09月24日 | 日記
何年も前から構想されていた「メサイア」の公演が今日無事に終わりました。M先生がチェンバロを弾きながら指揮をされ、東京から素晴らしいカルテットが伴奏に来て下さって、熊本でメサイアが演奏されたことを心から嬉しく思います。復興支援の一環で、入場料が1,000円という破格であったのもM先生らしい配慮でした。小雨そぼ降る生憎のお天気でしたが、客席いっぱいのお客様が静かに聴き入って下さって、本当に嬉しく有難いことでした。
実は私、喉のイガイガから始まって咳がずっと止まらず、病院でもらった抗生物質を飲み切っても、一向になおらないどころかますますひどくなる一方で、ついに体力的にも限界を超えてしまいました。生徒さんの勧めで呼吸器科を受診してみたところ、なんとマイコプラズマに感染していたことがわかり、旧知のS医師を「24日の本番、何とか歌わせて下さい」と拝み倒し、薬をたくさん処方して頂きました。その薬がよく効いて、お陰様で咳は下火になりましたが、体力が落ちてしまって何もできず、昨日のゲネプロも立っているのがやっとというありさま。今朝のリハーサルでも、ソロを歌い終わったところで全く声が出なくなりました。数年前、やはりメサイアのソロを歌う直前に声が全く出なくなり、生まれて初めて本番に穴をあけた時の記憶が蘇り、これはもう無理かも...と一瞬弱気になりました。M先生の「咳が出そうになったら、遠慮なく思い切って咳をしていいからね」、「いざとなったら私が一緒に歌うから」というお言葉に、そういえばあの時もM先生が指揮をしながら歌って下さったんだった、とあの日の記憶が再び蘇り...いろいろ考えると歌えなくなりそうだったので、頭を空っぽにして出番を待ちました。
舞台に上がり、序曲が始まると、ヘンデルの壮大な音楽世界が目の前にぱっと広がります。思わず我を忘れてオケに聴き入りました。そのうち合唱が始まりましたが、やはりほとんど声が出ません。口パクでやり過ごし、いよいよソプラノソロが巡ってきました。奇跡的に歌えています。このまま行けるか...大一番のRejoice, greatlyを何とか歌い終えたところでほとんど声が無くなりました。変な表現ですが、声のストックが空っぽになった感じなのです。次の曲はアルトソロに続いてソプラノソロだったのですが、この曲を歌っている時の感覚は、たとえて言えばガソリンの目盛りがOになった後、完全にガス欠になるまでの数分間の走行、という感じでしたね。もう逆さにして叩いても何も出てこない、という状態で合唱に戻り、また口パクです。第1部が終わって控室に戻った時には、全く喋れなくなっていました。2部と3部はもう出ないでおこうかと思ったのですが、「居るだけでいいから」とのM先生のお言葉に、体力を振り絞って合唱の席へ。
口パクというのも結構つらいものです。大好きな曲が次々と出てくるのに、全然声が出ない。でも、メサイアの演奏空間に身を置いているだけでも幸せ、という気持ちも同時に湧いてきて、何とも複雑な思いでした。最後の荘厳なアーメンコーラスが終わった時には万感胸に迫る思いでした。
今回東京から歌いに来てくれたアルトのソリストHさんは高校時代の後輩です。何十年振りの再会でしょうか。面影は全く変わっていませんが、素晴らしいアルト歌手になっていて、感慨もひとしおでした。Hさんは合唱にも加わってくれました。その合唱はと言えば、月に1回しか練習がないので歌い込みがまったく足りません。でもM先生はそういうことはあまり問題になさいません。メンバーが皆それぞれの事情を抱えながらも歌い続けていることが素晴らしいのだ、というのが一貫したスタンスなのです。だから皆続いているのでしょう。男声のメンバーが足りなくてどうなることかと思っていましたが、今日になってみたら2人増えていました(笑)。何とも不思議なネットワークです。ソプラノパートにも東京その他の地域から参集したメンバーが加わり、大変心強いことでした。
このメサイアプロジェクト、これがはじめの一歩です。今回は抜粋でしたが、いずれは全曲演奏をというのがM先生の遠大な計画です。次は私たちが熊本から歌いに行くことになるかもしれません。これからどんな展開になっていくのか、楽しみです。


セミナー終了

2018年09月18日 | 日記
昨日、秋の発声セミナーを開催しました。今回は県南から8人も大挙してご参加くださり、感謝です。
第1部のレクチャー&エクササイズでは、いつものようにパワーポイントを使って図解しながら発声の機序を説明しました。毎回同じことを話していますが、長年歌っている方でも、呼吸、発声、共鳴の基本的な原理についてよくわかっていない、知識の混乱があるケースが多いのです。呼吸の仕組みで一番のポイントは、呼吸は呼→吸だということ。吐き切ってから呼気を迎え入れる時に初めて「横隔膜が下がる」という動きがわかります。また、軽く胸を張ったまま呼吸することで、横隔膜の動きがよりリアルにわかります。もっとも、実際に歌うときには横隔膜と骨盤底筋の連動が大切なのですが。
発声器官(声帯)については、あまり考え過ぎない方が良いのですが、知っておくべきことは、声を出す時は声帯は閉じ、喉頭蓋は開けるということです。喉頭蓋はあくびの時に全開になるので、まずあくびをしてから、そのフォームのままで声を出しますが、これが案外体を使うのです。これぐらい体を使わないといけないんだな、とわかればOKです。
そして共鳴。セミナーではたいてい頭部共鳴にしぼって話をします。大きくとらえれば、骨伝導とか胸の共鳴も含め全身が共鳴するのですが、頭部共鳴が大事なのは、もともと副鼻腔が声の反響箱だからです。蝶形骨という大きな骨洞をスライドで見て頂いて、ここに呼気を届けるにはかなり高速で飛ばさないといけないことを視覚的に理解して頂きます。そのうえでトランペットのマウスピースを吹いたりして、呼気を高く強く速くする練習をします。そして、呼気が頭上1mぐらいのところまで垂直に吹き上がっているイメージで、その上に声を乗せるつもりでア母音で声を出します。ロングトーンでは下あごに力が入りやすいので、視線を動かすことで顎の力が抜けることなども実験的に体験して頂きました。
第2部ではモーツァルトの「Ave verum Corpus」を使って、日本語の発音の位置ではなく、もっと深いところで母音を発音する練習をしました。今回は男性がテノール2名だったので、アルトの方にも手伝って頂きながら3部合唱にしました。12月24日のクリスマス会では混声4部にしたいと思います。
第3部の茶話会にも12名の方が参加して下さって、充実したセミナーになりました。次はクリスマス会です。季節の移り変わりを感じますね。


【ご案内】秋の発声セミナー開催

2018年09月08日 | 日記
地震、台風、豪雨、そしてまた地震と、平成最後の一年は天災続き。北海道地震の震度7という文字を見ると、2年前の悪夢が蘇ってきます。被災地の皆さんのお気持ちを思い、本復復興を心から祈っています。
私の体調不良も、どうやら更年期障害らしいとわかってきました。1年ほど前からいろいろな症状が次々と表れていて、変だなあとは思っていたのですが、最近ホットフラッシュが始まるに至ってやっと「ああ、更年期だったのか」と納得。そうとわかれば、この歳まで生きられただけでも人生大成功という気分になりました。たくさん受けてきたご恩を、これからしっかりお返ししていかなくては。どこまでもポジティブな私です(笑)。
さて、来たる9月17日(祝)、おなじみのレンタルスペース&サロンDOLCEにて「秋の発声セミナー」を開催します。14:00からレクチャー&エクササイズ、15:00から合唱、16:00から質疑応答(茶話会)の3部構成です。参加費は各部1,000円(学生半額)。皆様のエントリーをお待ちしています。
その翌週、24日にはついに「メサイア」熊本公演が実現します。抜粋演奏ですが、東京からの超絶豪華キャストのカルテット伴奏、すごく楽しみです。皆様もどうぞお楽しみに!