今日は「支え」について述べたいと思います。
声楽のレッスンでは「お腹でしっかり支えて!」という言い方がよくされますが、私はその意味が長年よくわかりませんでした。オーストリアでマスターコースを受講した時、ドイツ語でも「支え」という単語を使うのだと知りましたが、肝心の「何を」「どのように」支えるのかは結局わかりませんでした。
現在の私の理解では、「支え」とは、体中のさまざまな筋肉を使って呼気と吸気のバランスを取る(=息をコントロールする)ことではないかと思います。つまり、内肋間筋(呼気筋)と外肋間筋(吸気筋)、横隔膜と補助呼気筋群(腰筋、背筋、腹筋など)など、相反する動きをする筋肉を同時に使い、全身的にバランスを取りながら呼気を長く保つことではないかと思っています。デュアルということですね。声を出すのには筋力が必要ですが、それは息を支えるため、即ち呼気を長く保つために必要なのです。
~エクササイズ~
1.うつ伏せになり、腰回りの筋肉を外側に開くように伸ばす。
2.おおあくびをして、体中が開いた状態を数秒間保つ。
3.アッハッハッハと高笑いをする。その声を伸ばしたり、スタッカートにしたりしてお腹の動きを観察する。
4.上体を腰の高さまで落として両手で椅子の背につかまり、腰回りの筋肉を外側に開き伸ばす。その姿勢をなるべく保持しながら「あー」と声を長く伸ばす。
5.深いため息をつきながら、動物のうなり声のような低い声を断続的に出す。その時に下腹部に軽く腹圧をかける。
日本人は総じて支えのための筋肉が未発達ですが、それは日本語の言語特性によるところが大きいと思われます。日本語は、話すのに舌や唇をあまり使いません。舌や唇を動かすには腹筋の力が要るのですが、日本語はほとんどお腹を使わずに喋れてしまうのです。舌や唇をあまり使わないと滑舌が悪くなりやすい(=発音が不明瞭になりやすい)ので、舌のストレッチをしっかりやりましょう。これは誤嚥防止にも有効です。舌を思い切り前に出す、口を閉じて舌で前歯の表面をなめまわす、頬の内側を舌先で叩きながらスピーディーに往復する、など、いろいろなやり方で舌をしっかり動かしましょう。また、唇の形を変えずに(下あごを動かさずに)舌だけ動かして「アエアエアエアエ...」と発音すると、舌が前後方向によく動きます。巻き舌rrrr...は、舌根を柔らかくするよい練習になります。
声楽のレッスンでは「お腹でしっかり支えて!」という言い方がよくされますが、私はその意味が長年よくわかりませんでした。オーストリアでマスターコースを受講した時、ドイツ語でも「支え」という単語を使うのだと知りましたが、肝心の「何を」「どのように」支えるのかは結局わかりませんでした。
現在の私の理解では、「支え」とは、体中のさまざまな筋肉を使って呼気と吸気のバランスを取る(=息をコントロールする)ことではないかと思います。つまり、内肋間筋(呼気筋)と外肋間筋(吸気筋)、横隔膜と補助呼気筋群(腰筋、背筋、腹筋など)など、相反する動きをする筋肉を同時に使い、全身的にバランスを取りながら呼気を長く保つことではないかと思っています。デュアルということですね。声を出すのには筋力が必要ですが、それは息を支えるため、即ち呼気を長く保つために必要なのです。
~エクササイズ~
1.うつ伏せになり、腰回りの筋肉を外側に開くように伸ばす。
2.おおあくびをして、体中が開いた状態を数秒間保つ。
3.アッハッハッハと高笑いをする。その声を伸ばしたり、スタッカートにしたりしてお腹の動きを観察する。
4.上体を腰の高さまで落として両手で椅子の背につかまり、腰回りの筋肉を外側に開き伸ばす。その姿勢をなるべく保持しながら「あー」と声を長く伸ばす。
5.深いため息をつきながら、動物のうなり声のような低い声を断続的に出す。その時に下腹部に軽く腹圧をかける。
日本人は総じて支えのための筋肉が未発達ですが、それは日本語の言語特性によるところが大きいと思われます。日本語は、話すのに舌や唇をあまり使いません。舌や唇を動かすには腹筋の力が要るのですが、日本語はほとんどお腹を使わずに喋れてしまうのです。舌や唇をあまり使わないと滑舌が悪くなりやすい(=発音が不明瞭になりやすい)ので、舌のストレッチをしっかりやりましょう。これは誤嚥防止にも有効です。舌を思い切り前に出す、口を閉じて舌で前歯の表面をなめまわす、頬の内側を舌先で叩きながらスピーディーに往復する、など、いろいろなやり方で舌をしっかり動かしましょう。また、唇の形を変えずに(下あごを動かさずに)舌だけ動かして「アエアエアエアエ...」と発音すると、舌が前後方向によく動きます。巻き舌rrrr...は、舌根を柔らかくするよい練習になります。