先日、福祉サービス事業所のヴォイストレーニングで「ヴォイトレで深い呼吸を身に付けると、心肺機能が活性化するので健康に良いんですよ」と何気なく言ったら、副施設長が「声を出すと心肺機能が上がるんですか。それならヴォイトレを作業所の他の方たちにも勧めてみますね」と仰って下さいました。これまで折に触れ繰り返し「ヴォイトレは健康増進に役立つ」と言ってきたつもりだったので、副施設長が「初めて聞きました」という感じでそうおっしゃるのを聞いてちょっとびっくりしてしまいました。発声セミナーでは最初に図解入りの資料を配布して「呼吸のしくみ」、「発声のしくみ」、「共鳴のしくみ」について説明しますが、レッスンは実践中心になるので、理論的な部分が意外と伝わっていないのかもしれません。
「呼吸のしくみ」でいつも話すことは、胸式呼吸と腹式呼吸の原理です。肋間筋を使って肺を前後左右に拡げて空気を取り込むのが胸式呼吸、横隔膜を下げて肺を下方に拡げて空気を取り込むのが腹式呼吸(横隔膜呼吸)で、その両方を同時にやるのですが、腹式の方を優位にするとより多くの空気を取り込むことができます。肋間筋は厚い層になっていて、外側(外肋間筋)が吸気筋、内側(内肋間筋)が呼気筋です。軽く胸を張ったまま(=吸気筋を使って)息を勢いよく吐くと呼気が長持ちします。呼気筋だけを使って息を吐くと、息はすぐになくなってしまいます。胸を軽く張った状態と保つということは、肺が前後左右に引っ張られた状態を保つということなので、必然的に肺の下の方に入っている空気が上へ押し出されることになります。つまり、胸を軽く張って息を吐くことが腹式呼吸の呼び水になるのです。
ヴォイストレーニングでは、最初にこの呼吸の練習を十分に行います。毎回時間をかけて練習しているうちに呼気がだんだん長くなります。つまり、上がっていく横隔膜の動きに拮抗する筋肉の筋力がついてきて、横隔膜がゆっくりと上がっていくようになるのです。肋間筋と横隔膜という2大呼吸筋を十分に使って呼吸をコントロールできるようになることを、私は心肺機能の活性化と呼んでいるわけです。
そう言えば数年前、歯科医をやっている同級生に歯のかみ合わせの治療を受けたことがあるのですが、当時うちにレッスンに来られていた2人の女性が「私もかみ合わせをなおしたい」とおっしゃるので仲介したことがあります。その時、歯科医のM君が「吉田さんの紹介で来られたお二人は、同じような症状の他の患者さんたちと比べると元気度が高いんだよね。多分歌をやっているせいだろうね」と言っていました。きっとそうだと思います。呼吸が深くなり、筋力がアップし、頭部共鳴で気分も明るくなる。ヴォイトレはまさしく「道具の要らない健康法」です。さあどうぞ(笑)。
「呼吸のしくみ」でいつも話すことは、胸式呼吸と腹式呼吸の原理です。肋間筋を使って肺を前後左右に拡げて空気を取り込むのが胸式呼吸、横隔膜を下げて肺を下方に拡げて空気を取り込むのが腹式呼吸(横隔膜呼吸)で、その両方を同時にやるのですが、腹式の方を優位にするとより多くの空気を取り込むことができます。肋間筋は厚い層になっていて、外側(外肋間筋)が吸気筋、内側(内肋間筋)が呼気筋です。軽く胸を張ったまま(=吸気筋を使って)息を勢いよく吐くと呼気が長持ちします。呼気筋だけを使って息を吐くと、息はすぐになくなってしまいます。胸を軽く張った状態と保つということは、肺が前後左右に引っ張られた状態を保つということなので、必然的に肺の下の方に入っている空気が上へ押し出されることになります。つまり、胸を軽く張って息を吐くことが腹式呼吸の呼び水になるのです。
ヴォイストレーニングでは、最初にこの呼吸の練習を十分に行います。毎回時間をかけて練習しているうちに呼気がだんだん長くなります。つまり、上がっていく横隔膜の動きに拮抗する筋肉の筋力がついてきて、横隔膜がゆっくりと上がっていくようになるのです。肋間筋と横隔膜という2大呼吸筋を十分に使って呼吸をコントロールできるようになることを、私は心肺機能の活性化と呼んでいるわけです。
そう言えば数年前、歯科医をやっている同級生に歯のかみ合わせの治療を受けたことがあるのですが、当時うちにレッスンに来られていた2人の女性が「私もかみ合わせをなおしたい」とおっしゃるので仲介したことがあります。その時、歯科医のM君が「吉田さんの紹介で来られたお二人は、同じような症状の他の患者さんたちと比べると元気度が高いんだよね。多分歌をやっているせいだろうね」と言っていました。きっとそうだと思います。呼吸が深くなり、筋力がアップし、頭部共鳴で気分も明るくなる。ヴォイトレはまさしく「道具の要らない健康法」です。さあどうぞ(笑)。