「世界の5大ソプラノ」というカテゴリーがあるとすれば、まず間違いなくその中に入ると思われるバルバラ・フリットリ。今日は彼女のリサイタルを聴きに福岡まで出かけました。
素晴らしかった!敢えて3階の桟敷席で聴きましたが、見事に声が飛んできます。ベルベットのような潤いのある美声が低音から高音まで全くムラなく響きます。完璧な発声です。ベッリーニ、ヴェルディ、ロッシーニ、デュパルクのよく知られた短い歌曲ばかりを、はったりのない、抑制の効いた端正な歌いぶりで聴かせてくれました。衣装も地味で上品です。このプログラミングでこれほどの感動を与えることのできる歌い手も珍しいのではないでしょうか。
ピアノのエンリコ・マリア・カッチアーリも名脇役でした。イタリアンな明るい音色と柔らかなリリシズムが見事に融合した伴奏です。歌の合間合間にピアノ・ソロも披露してくれました。ロッシーニの「老年のいたずら」という組曲から数曲と、フォーレの小品も。今夜の歌にマッチした心にくい選曲でした。
どの曲だったか、フリットリが歌の途中で体の向きを変え、ほぼ真横を向いた状態で数小節を歌った場面がありましたが、客席に届いてくる響きが全く痩せません。彼女の発声の素晴らしさを垣間見た瞬間でした。
鳴りやまぬ拍手に応えて歌ってくれた2曲のオペラアリアも、格調高い名唱でした。1曲目が「アドリアーナ・ルクヴルール」のアリア「私は芸術のしもべです」、2曲目が「トスカ」のアリア「歌に生き、恋に生き」。どちらも最後の高音が息をのむような美しさで、聴衆一同魂を奪われてしまいました。
歌には人柄が表れると言いますが、フリットリはきっと知的で心の温かい人なのだろうと思います。こんな幸せな一夜を贈ってくれたフリットリに心から感謝したいと思います。
素晴らしかった!敢えて3階の桟敷席で聴きましたが、見事に声が飛んできます。ベルベットのような潤いのある美声が低音から高音まで全くムラなく響きます。完璧な発声です。ベッリーニ、ヴェルディ、ロッシーニ、デュパルクのよく知られた短い歌曲ばかりを、はったりのない、抑制の効いた端正な歌いぶりで聴かせてくれました。衣装も地味で上品です。このプログラミングでこれほどの感動を与えることのできる歌い手も珍しいのではないでしょうか。
ピアノのエンリコ・マリア・カッチアーリも名脇役でした。イタリアンな明るい音色と柔らかなリリシズムが見事に融合した伴奏です。歌の合間合間にピアノ・ソロも披露してくれました。ロッシーニの「老年のいたずら」という組曲から数曲と、フォーレの小品も。今夜の歌にマッチした心にくい選曲でした。
どの曲だったか、フリットリが歌の途中で体の向きを変え、ほぼ真横を向いた状態で数小節を歌った場面がありましたが、客席に届いてくる響きが全く痩せません。彼女の発声の素晴らしさを垣間見た瞬間でした。
鳴りやまぬ拍手に応えて歌ってくれた2曲のオペラアリアも、格調高い名唱でした。1曲目が「アドリアーナ・ルクヴルール」のアリア「私は芸術のしもべです」、2曲目が「トスカ」のアリア「歌に生き、恋に生き」。どちらも最後の高音が息をのむような美しさで、聴衆一同魂を奪われてしまいました。
歌には人柄が表れると言いますが、フリットリはきっと知的で心の温かい人なのだろうと思います。こんな幸せな一夜を贈ってくれたフリットリに心から感謝したいと思います。