コンサート案内

2021年01月31日 | 日記
メゾソプラノの岩佐銘江さんがリサイタルを開催されます。春に寄せて、日本歌曲とドイツ歌曲のリーダーアーベントです。
いつも感心するのは、倦まず弛まずコツコツと研鑽を重ねるその姿勢。もともと魅力的なメゾソプラノの声に、近年はさらに磨きがかかっています。今回も熟女の貫禄十分のリサイタルになりそうです。コロナ禍の憂さを吹き飛ばしてくれることでしょう。皆様のご来場をお待ちしています。チケットお申込みは私にご連絡下さい。

お笑いを一席

2021年01月26日 | 日記
昨日のことです。
自宅で10:25から遠隔授業をしていました。今年度最後のドイツ語の授業、この日の内容はドイツ語学習のヤマ場である「接続法」。来週の定期試験の大事なトピックでもあります。ややこしい内容なので、学生さんがちゃんと理解できるよう丁寧に、また、ともかくこの1時間ですべて終わらせなければならないという緊張感をもって接続法第1式の説明を終わり、第2式の説明に取り掛かりました。話しながら教科書付属のCDをセットしなおそうとしたその時です。なんとパソコンが机の向こう側に落下!さあ大変。授業はあと20分で終わりです。何とか復旧させなければ。しかし私のパソコンはデスクトップ型なので、大きく且つ重い。慌てて抱き起して介抱しましたが、あえなく昇天。どうしよう!まず大学のeラーニングセンターに電話をして事情を説明、その間に教務から「先生、複数の学生さんから「先生が倒れたみたい」と連絡が入っています」との連絡が。「いえ、倒れたのは私ではなくパソコンです」と釈明し、すぐに学生さんたちに一斉メッセージを送信。さーてこの後どうする??私の脳みそは瞬時に地球を7回半駆け巡り、教科書を持って大学へ直行、パソコンを借りて授業を最初からビデオ撮りしなおしました。一人芝居です。それを大学の学習システムにアップし、「このビデオを視聴してください」と一斉メッセージを送信しました。
次に、こういう時に頼りになる助っ人後輩君に連絡して、彼の手持ちのノートパソコンを貸してもらい、壊れたパソコンは彼のもとに入院させました。しかしすでに昇天されているのでなす術もなく、しばらくは借りたパソコンでしのぐことに。まずは作りかけだった試験問題をとにかく仕上げて、システム上にアップしなくてはなりません。昨夜は夜なべでした。たった今、試験問題をアップし終わったところです。
顛末の概略は以上ですが、しかし実際には一つ一つが膨大な作業量だったのです。それにしても、これが最後の授業でよかった。試験問題がほぼ出来上がっていてよかった。後輩君がすぐに駆け付けてくれて有難かった。教務もeラーニングも親身に対応してくださって、大学のパソコンと録画の部屋がすぐに手配できて有難かった。すべては私の一瞬の不注意から始まったドタバタ悲喜劇でしたが、動転しながらも一つ一つに合掌する思いでした。
今年の10大ニュースの一つが早くも決まりました(笑)。

ホトケゴコロ

2021年01月13日 | 日記
あまんきみこという児童文学者をご存知でしょうか。小学校の国語の教科書でおなじみの方です。正月早々、この方の「きつねのおきゃくさま」という童話を読んでほっこりしたので、皆様にもご紹介したいと思います。

むかしむかし、あったとき。
はらぺこ狐が歩いていると、やせたひよこがやってきた。
がぶりとやろうと思ったが、やせているので考えた。太らせてから食べようと。
そうとも。よくある、よくあることさ。
「やあ、ひよこ。」
「やあ、狐お兄ちゃん。」
「お兄ちゃん?やめてくれよ。」
狐は、ぶるるとみぶるいした。
でも、ひよこは目をまるくして言った。
「ねえ、お兄ちゃん。どこかにいいすみか、なにかなあ。困ってるんだ。」
狐は、心の中でにやりと笑った。
「よしよし、俺のうちにきなよ。」
すると、ひよこが言ったとさ。
「狐お兄ちゃんって、優しいねえ。」
「優しい?やめてくれったら、そんな台詞。」
でも、狐は、生まれて初めて「優しい」なんて言われたので、少しほうっとなった。
ひよこを連れて帰る途中。
「おっとっと、落ち着け落ち着け。」
切り株に躓いて、転びそうになったとさ。
きつねは、ひよこに、それは優しく食べさせた。そして、ひよこが「優しいお兄ちゃん」と言うと、ぼうっとなった。
ひよこは、まるまる太ってきたぜ。

ある日、ひよこが、散歩に行きたいと言い出した。
ーーはあん。逃げる気かな。
きつねは、そうっとついていった。
ひよこが春の歌なんか歌いながら歩いていると、やせたあひるがやってきたとさ。
「やあ、ひよこ。どこかにいいすみかはないかなあ。困ってるんだ。」
「あるわよ。狐お兄ちゃんちょ。あたしと一緒に行きましょ。」
「きつね?とうんでもない。がぶりとやられるよ。」
と、あひるが言うと、ひよこは首をふった。
「ううん。狐お兄ちゃんは、とっても親切なの。」
それをかげで聞いた狐は、うっとりした。そして、「親切な狐」と言う言葉を、五回もつぶやいたとさ。
さあ、そこで急いでうちに帰ると、待っていた。
狐は、ひよこと 家鴨に、それは親切だった。そして、二人が「親切なお兄ちゃん」の話をしているのを聞くと、ぼうっとなった。
家鴨も、まるまる太ってきたぜ。
ある日、ひよこと家鴨が、散歩に行きたいと言い出した。
ーーはあん。逃げる気かな。
狐は、そうっとついていった。
ひよこと家鴨が夏の歌なんか歌いながら歩いていると、やせたうさぎがやってきたとさ。
「やあ、ひよこと家鴨。どこかにいいすみかはないかなあ。困ってるんだ。」
「あるわよ。狐お兄ちゃんよ。あたしたちと一緒に行きましょ。」
「狐だって?とうんでもない。がぶりとやられるぜ。」
「ううん。きつねお兄ちゃんは、神様みたいなんだよ。」
それをかげで聞いた狐は、うっとりして、きぜつしそうになったとさ。
そこで、狐は、ひよこと家鴨とうさぎを、そうとも、神様みたいにそだてた。そして、三人が「神様見たいなお兄ちゃん」の話をしていると、ぼうっとなった。
兎も、まるまる振るってきたぜ。

ある日。黒くも山の狼が下りてきたとさ。
「こりゃ、うまそうなにおいだねえ。ふんふん、ひよこに、あひるに、兎だな。」
「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」
言うなり、狐は飛び出した。
狐の体に、勇気がリンリンと涌いた。
おお、戦ったとも、戦ったとも。
実に、実に、勇ましかったぜ。
そして、狼は、とうとう逃げていったとさ。

そのばん。
狐は、恥ずかしそうに笑って死んだ。

まるまる太った、ひよこと家鴨と兎は、にじの森に、小さいお墓を作った。
そして、世界一優しい、親切な、神様みたいな、その上勇敢な狐のために、涙を流したとさ。

とっぴんぱらりのぷう。

誰にでもホトケゴコロはある。性善説ですね。現実はそう単純でもないけれど、どんな人でも心の奥底にはホトケゴコロを秘めているという考え方、そして、真正面から自分のホトケゴコロを信じて疑わない人がいてくれることの幸いを思いました。

初春のご挨拶

2021年01月01日 | 日記
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
コロナ感染が拡大する年末年始となり、時々訪問演奏に行かせて頂く施設でクラスターが出たりして、年賀状を書く気持ちにもなれないまま新しい年に突入しました。
時間は連続しているはずなのに、一夜にして年を分かつ淑気が満ちる元日の不思議。今年はどうぞ明るい兆しが見えますように、切に祈っています。
そして、皆様にとってよき年となりますように。
年賀状代わりのご挨拶でした。