確か、こんなタイトルのラジオかテレビの番組があったと記憶しています。
今日はハロウィーンですね。さっきコンビニでコピーを取っていたら、突然あたりがガヤガヤと騒がしくなって若い女性たちの「かわいい~!」という甲高い声が聞こえてきたので、何かと思って振り向いたら仮装をした小さな子供が店内に入ってきていました。最近では仮装やかぼちゃの飾り物が日本でもすっかりおなじみになってきましたが、ハロウィーンというのは明日の「諸聖人の祝日(万聖節)」の前夜祭なんですよね。万聖節はカトリックで天国の諸聖人を記念する祝日だそうですが、歌うたいにはその翌日の「万霊節」の方がなじみがあります(有名なシュトラウスの歌曲がありますから。ちなみに、私はこの「万霊節」を卒業試験で歌いました)。すべての死者の霊を慰めるという、日本で言えばお盆のような日です。
シュトラウスの「万霊節」は名曲ですが、もうひとつの万霊節の歌であるシューベルトの「連祷」も美しい歌曲です。地味好みの私にはシューベルトの方がぴったりきます。大学時代に、「Ruhn in Frieden, alle Seelen(すべての魂よ、安らかに憩いたまえ)」という歌詞で始まるこの歌を初めて歌った時、その祈りに満ちた静謐な調べに思わず胸が熱くなりました。
Iさんが先月この「連祷」をレッスンに持ってこられましたが、この曲は最初の「Ruhn」の発音が難しいのです。巻き舌のrも難しいのですが、uの母音はもっと難しい。日本語の「う」と違って、ドイツ語の「u」は口の奥を深く開けて発音しなくてはいけません。口をあまり開けずに喋る日本人には、ドイツ語の深い「u」の発音はとても難しいのです。上あごをしっかり引き上げながら、口の中に棒を突っ込む感覚で深く開ける練習が必要です。その時腹筋が動きます。口が開かないのは、一つにはお腹を使っていないからなのです。そう言えば、著名なイタリア人歌手の公開レッスンを聴きに行った時、講師に「もっと口を開けなさい」と言われた受講生が「どうやって開けたらいいんですか?」と尋ね、通訳の人が「ただ開ければいいんです」と勝手に答えたので、義憤に駆られた私は主催者に文句を言おうかと思ったことがありました(しかしやめておきました)。おそらく、ちゃんと通訳したとしても、イタリア人にはなぜ日本人が口が開かないのか、どうしたら開くのかは分からないでしょう。ドイツの講習会でも、日本人は口が半分しか開いていない、と指摘されましたが、それは身体を使わずに下あごに力を入れて口先だけで喋る日本語の特性から来るのですから、それを克服する効果的な方法を考えなくてはいけません。
rもuも難しい上に、次のnがまた難しい。nは舌を持ち上げて上あごのどこかに付けた状態で、身体の緊張をゆるめずに発音します。Ruhn in Friedenと最初の3つの単語の語尾がすべてnなので、これだけでも相当気をつけていないと息が落ちて響きがなくなります。シューベルトの歌曲はシンプルで音が少ないものが多いので、とても発声の勉強になります。
さて、今日はハロウィーンだけではありません。1517年10月31日は、かの有名なマルティン・ルターがヴィッテンベルク城の城壁に「95カ条の提題」を発表してカトリック教会の腐敗を断罪し、免罪符の販売に異を唱えた日です。すなわち、今日は「宗教改革記念日」なのです。私は子どもの頃プロテスタントの日曜学校に通っていたので、自分の誕生日が宗教改革記念日であることが密かな誇りでした。そう、今日は私の誕生日なのであります(笑)。中1の生徒に「先生、何歳?」と訊かれ、「辰年生まれよ」と答えたら「僕のおばあちゃんと同じだ!先生、72歳?」と言われて卒倒しかけましたが(笑)、12の倍数よ、と言ったら「12、24、36...」で止まってくれたので(?)、彼の頭の中ではきっと私は36歳になっていると思います(笑)。
今日はハロウィーンですね。さっきコンビニでコピーを取っていたら、突然あたりがガヤガヤと騒がしくなって若い女性たちの「かわいい~!」という甲高い声が聞こえてきたので、何かと思って振り向いたら仮装をした小さな子供が店内に入ってきていました。最近では仮装やかぼちゃの飾り物が日本でもすっかりおなじみになってきましたが、ハロウィーンというのは明日の「諸聖人の祝日(万聖節)」の前夜祭なんですよね。万聖節はカトリックで天国の諸聖人を記念する祝日だそうですが、歌うたいにはその翌日の「万霊節」の方がなじみがあります(有名なシュトラウスの歌曲がありますから。ちなみに、私はこの「万霊節」を卒業試験で歌いました)。すべての死者の霊を慰めるという、日本で言えばお盆のような日です。
シュトラウスの「万霊節」は名曲ですが、もうひとつの万霊節の歌であるシューベルトの「連祷」も美しい歌曲です。地味好みの私にはシューベルトの方がぴったりきます。大学時代に、「Ruhn in Frieden, alle Seelen(すべての魂よ、安らかに憩いたまえ)」という歌詞で始まるこの歌を初めて歌った時、その祈りに満ちた静謐な調べに思わず胸が熱くなりました。
Iさんが先月この「連祷」をレッスンに持ってこられましたが、この曲は最初の「Ruhn」の発音が難しいのです。巻き舌のrも難しいのですが、uの母音はもっと難しい。日本語の「う」と違って、ドイツ語の「u」は口の奥を深く開けて発音しなくてはいけません。口をあまり開けずに喋る日本人には、ドイツ語の深い「u」の発音はとても難しいのです。上あごをしっかり引き上げながら、口の中に棒を突っ込む感覚で深く開ける練習が必要です。その時腹筋が動きます。口が開かないのは、一つにはお腹を使っていないからなのです。そう言えば、著名なイタリア人歌手の公開レッスンを聴きに行った時、講師に「もっと口を開けなさい」と言われた受講生が「どうやって開けたらいいんですか?」と尋ね、通訳の人が「ただ開ければいいんです」と勝手に答えたので、義憤に駆られた私は主催者に文句を言おうかと思ったことがありました(しかしやめておきました)。おそらく、ちゃんと通訳したとしても、イタリア人にはなぜ日本人が口が開かないのか、どうしたら開くのかは分からないでしょう。ドイツの講習会でも、日本人は口が半分しか開いていない、と指摘されましたが、それは身体を使わずに下あごに力を入れて口先だけで喋る日本語の特性から来るのですから、それを克服する効果的な方法を考えなくてはいけません。
rもuも難しい上に、次のnがまた難しい。nは舌を持ち上げて上あごのどこかに付けた状態で、身体の緊張をゆるめずに発音します。Ruhn in Friedenと最初の3つの単語の語尾がすべてnなので、これだけでも相当気をつけていないと息が落ちて響きがなくなります。シューベルトの歌曲はシンプルで音が少ないものが多いので、とても発声の勉強になります。
さて、今日はハロウィーンだけではありません。1517年10月31日は、かの有名なマルティン・ルターがヴィッテンベルク城の城壁に「95カ条の提題」を発表してカトリック教会の腐敗を断罪し、免罪符の販売に異を唱えた日です。すなわち、今日は「宗教改革記念日」なのです。私は子どもの頃プロテスタントの日曜学校に通っていたので、自分の誕生日が宗教改革記念日であることが密かな誇りでした。そう、今日は私の誕生日なのであります(笑)。中1の生徒に「先生、何歳?」と訊かれ、「辰年生まれよ」と答えたら「僕のおばあちゃんと同じだ!先生、72歳?」と言われて卒倒しかけましたが(笑)、12の倍数よ、と言ったら「12、24、36...」で止まってくれたので(?)、彼の頭の中ではきっと私は36歳になっていると思います(笑)。