母校

2019年03月29日 | 日記
先日、くにたちコンサートが無事終わりました。在学生と卒業生が同じステージで一緒に演奏するのも良いものですね。合唱も楽しんで歌えたし、若い方たちの演奏を聴くのも楽しかったです。
今日は母校の高校の合唱部の定演でした。部長さんがうちにレッスンに来ている関係で、チケットを頂いて久し振りに聴きに行ったのですが、この定演、私たちが高3の時に第1回目を開催して、今年で38回目です。なんとまあ!あの時歌った曲や、プログラムの解説を書いたこと、本番で靴が合わなくてとても足が痛かったこと、本番前日に親戚に不幸があったことなど、今でも鮮明に覚えているというのに。でも、県立劇場のコンサートホールという大舞台でのびのびと歌う後輩たちを見ていると、やはり長い時間が経ったのだと実感しました。
今日のコンサートも第1回目と同じように校歌で幕開けでした。しかし今は、同窓会の合唱団や卒業生の合唱団の客演もあり、またポピュラーのステージもあってヴァラエティ豊かなプログラム。中でもラストステージの委嘱作品は圧巻でした。曲が完成したのが本番間際だったと聞いていましたが、そんなことは全然思わせないダイナミックな演奏で、驚きました。若いということは、こういうことができてしまうということなんですね。脱帽です。
私の母校は中学校も高校も大学も合唱で名を馳せた学校でした。この環境がどれほど恵まれたものだったか、今にしてしみじみ感謝に堪えません。この恩を次世代に帰すべく励まねばと思った一夜でした。

春の発声セミナー終了

2019年03月21日 | 日記
2019年春の発声セミナーが終わりました。
今回は第1部に12名、第2部に14名のご参加を頂き、いつものようにレクチャー&エクササイズと合唱の練習をしました。
会場に備え付けのパソコンの調子が良くなくて、第1部の途中で何度もスクリーンから画像が消えて往生しましたが、ともかくも無事終了。セミナー初参加の方が半数でした。いつものように呼吸、発声、共鳴に分けて、エクササイズを挟みながらお話をし、第2部につなげました。
第2部では最初に軽くストレッチをし、「山の朝」というカノンでウォーミングアップをしてから、バッハの「心に主イエスを」というコラールの練習をしました。この曲は「Jesus bleibet meine Freude」というオリジナルのドイツ語テキストで以前やったことがあります。讃美歌として日本語歌詞がついているので、今年は日本語でやってみようと思っているのですが、今日の参加者の皆さんは合唱や声楽をやっている人たちばかりだったので、すぐに3部でハモれるようになりました。本当は4部合唱ですが、男性が一人しかいなかったので、女性にもテノールを手伝ってもらって、今日のところは3部で。バスが数人入ってくれればすぐ4部にできそうです。すごく良い響きが出ていました。
合唱の後、残って下さった3人の方と、まったりと茶話会兼質疑応答をしました。初めてご参加の方が「最近合唱を始めたのですが、高音域が出なくて...」と仰っていましたので、高音は発声さえ良ければ必ず出ますよ、とお伝えしました。私も昔は、高い声が出ないからアルトを歌っていましたが、W先生に出会って呼気流のレクチャーを受け、息のポジションが高くなっただけで、その日からハイソプラノへと劇的に変身した経験があります。アルトやメゾの方でも、オペラではあるていど高音域が出ないといけないし、W先生もメゾですが、ハイCまでは楽々出してレッスンして下さっていました。この方も今月末から個人レッスンに来られることになったので、半年もすれば不安なく高音も出るようになるでしょう。
質疑ではオイリュトミーの話題も出て、先日のレッスンの様子などをお話すると、皆さん興味津々、ぜひ体験してみたいと仰っていました。5月にまた熊本でレッスンして頂くので、その時には参加して頂きたいと思います。
春のイヴェントが一つ終わりました。次回のセミナーは9月23日(月・祝)、秋分の日です。そして、次のイベントは今度の日曜日、くにたちコンサートです。お時間のある方はどうぞご来場ください。

春の発声セミナー参加者募集中

2019年03月15日 | 日記
2019年春の発声セミナーの開催が来週に迫りました。

日時  3月21日(木・祝)14:00‐17:00
    第1部 レクチャー&エクササイズ 
    第2部 合唱
    第3部 茶話会(質疑応答)
場所  レンタルスペース&サロンDOLCE(熊本市本荘)
参加費 各部1,000円(学生半額)

今年の合唱曲はバッハの「Jesus bleibet meine Freude」です。
以前ドイツ語でやりましたが、今年は「心に主イエスを」という邦訳でやってみたいと思います。
まだ空席あります。お時間のある方、どうぞ奮ってご参加下さい。
皆様のエントリーをお待ちしています。

別れ

2019年03月12日 | 日記
先日、この春熊大を定年で退職される芸術学のK先生を囲んで小さなコンサートがありました。K先生も去って行かれるのか...と、何とも言えない感慨に浸りながら、遠方から馳せ参じた昔のお仲間たちと、時を惜しみつつ演奏とお喋りの楽しい時間を過ごしました。
私がアラフォーで熊大の博士課程に入った時、ちょうど独文と芸術学の修士課程にそれぞれ社会人入学の声楽家がいたので、研究生活の合間に3人でヴォーカルアンサンブルを組んで活動をしていたのですが、K先生はそんな私たちを温かく見守り、応援して下さいました。当時、K先生の研究室はクラシック研究会(略称クラ研)の根城になっており、いつも誰かがいてお茶を飲んだり勉強したり音楽を聴いたりしていたものです。私も随分入り浸り、先生とはいつも人生を語り合い、若い学生さん達とは音楽談義に花を咲かせました。先生はいつもさりげなく私たちをサポートして下さいました。K研究室に集う多分野の学生さんたちをひとまとめにして、各自の研究の促進を図る「大風呂敷大会」なる研究発表の場を設けて下さったこともありましたし、私たち3人(トリコローレという源氏名(笑)で活動していました)のために「ドイツ・ロマン派の愛の歌」というコンサートを企画、開催して下さったこともありました。先生ご自身も、新たなライフワークとして取り組み始めておられた音楽療法の研究や実践で、人生で一番ご多忙な時期だったはずですが、先生はいつもおおらかで温かく、K研究室はいつ行ってもホッとできる場所でした。それは誰もが感じていたことで、今回のコンサートでも、皆が口をそろえて「K研究室は私のオアシスでした」と言っていました。
コンサートでは「からたちの花」を歌わせて頂きましたが、トリコローレの盟友Iさんはシューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」を、もう一人の盟友NさんはK先生の伴奏で、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の有名なアリア「ある晴れた日に」を歌いました。Iさんの伴奏をしたS君は、今は小学校の先生になっています。Nさんは、K先生のたってのご希望で、先生の専門であるオペラを歌うことになったとのこと。可笑しかったのは、Nさんの演奏が終わった後、ご自分の伴奏が不本意だったK先生が「もう一度やらせて!」と懇願され、リベンジでNさんにもう一回歌わせちゃったこと(爆)。他の皆さんの演奏も、それぞれにかなり個性的でした。さすが秀才揃いのクラ研です。
感謝のお食事会では先生のさまざまな武勇伝で盛り上がりました。私が一番印象に残っているのは、特別支援学校の生徒さんたちのために先生が出前授業をなさるというので見学に行った時のことです。先生はサルの着ぐるみを着て、汗だくで「アイアイ」を歌って踊って大ハッスル、生徒さんたちもとても喜んでいました。が、その後です。体育館のステージ脇の小部屋で着ぐるみを脱ぎながら「今からシェーンベルク!」とつぶやき、大急ぎで芸術学演習の授業に戻って行かれる先生を、私はしばしボーゼンと見送りました。私の想像をはるかに超える先生の変幻自在ぶりには言葉もありませんでした(笑)。その話をすると、先生も皆も笑い転げていましたが、「そうなのよ、あの着ぐるみとか、動物のぬいぐるみとか、処分しなきゃいけないものが研究室に残ってるんだけど、大学でああいうものを廃棄物に出すのも憚られるし、どうしようかしらねー」と仰るので、またまた皆で爆笑です。
こんな実践型の先生がいて下さったことは、大学にとっても地域社会にとっても、もちろん学生たちにとっても、本当に素晴らしい恵みでした。その恩恵にあずかることのできた幸せを噛み締めながら帰途につきました。


サクラサク

2019年03月08日 | 日記
高校3年のMちゃんが、あっぱれK大教育学部に合格しました。音楽科は声楽だけでなくピアノ、楽典、新曲、聴音、コールユーブンゲンと受験科目が多いのですが、センター試験が終わるまではなかなか思うようにレッスンが進まず、私もちょっと焦っていました。教育学部の受験は、実技の前にセンター試験で点が取れていないと厳しいですから、ともかくセンター試験まではコンスタントにレッスンを重ねるだけだったのです。2月に集中的にレッスンして、私が昔お世話になった先生にも直前レッスンをお願いしたりして、とにかく最善を尽くしました。Mちゃんはアレルギー持ちなので、体調管理にもかなり気を遣ったと思います。センターの直後にインフルエンザを発症した時には「何というグッドタイミング!」とお母様と一緒に喜びましたが(笑)、二次試験の前は、とにかく風邪をひかないことだけを祈り続けました。
Mちゃんはなかなかの強運で、コールユーブンゲンの試験曲が直前に練習した曲だったそうです。ピアノも「自信がない」と言い続けていましたが、本番はノーミスで弾けたそうだし、歌もまずまず思い通りに歌えたそうで、手応えを感じていたようではありました。でも、受験は蓋を開けてみるまでわかりませんので、合格発表まで落ち着かない毎日だったと思います。めでたし。これから4年間、大いに勉強して立派な先生になってもらいたいと思います。