のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ミミズクとオリーブ / 芦原すなお

2006年06月09日 22時57分11秒 | 読書歴
■ストーリ
 八王子の郊外に住む作家夫妻。奥さんは料理上手で聞き上手。
 遊びに来た夫の友人に料理をふるまいながら、彼が持ち込んだ問題を
 聞いてあげる。その上、奥さんは女性ならではの感性で、その問題を
 次々と解決してしまう安楽椅子探偵だった。

■感想 ☆☆*
 推理小説という形態をとってはいるものの、ミステリ部分は
 そこまで心惹かれるものではない。どちらかといえば
 ありきたり。謎が解決したときの爽快な気持ちを味わう小説ではない。

 では、何を味わうかというと、日常生活の描写と
 そして、主人公たちが繰り広げる会話である。
 特に毎回、奥さんがふるまう郷土料理のおいしそうな描写に
 そして、料理の準備の丁寧な描写に食欲が刺激される。
 おいしい料理には「手間」と、その手間を惜しまない
 「食べる人」への愛情が必要なのだと納得してしまう。

 そして、話の腰を折っているようにしか見えない
 主人公が繰り広げるまどろっこしい会話の数々。
 その会話は決して効率のよいものではない。
 解決すべき謎に関する話を半分も聞き出せない。
 けれども、主人公たちを見ていると、
 そういったまどろっこしさこそが「会話」なのかもしれない
 と思えてくる。信頼している友人との会話になればなるほど
 こういった「無駄」が増える。寄り道が増える。
 それが人情というものだろう。

 読んでいると幸福な気持ちになってくる。
 そして、おいしいお味噌汁が飲みたくなってくる。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
発見が遅れました!! (のりぞう)
2006-06-13 22:06:31
■ゆきのさん

  発見が遅れてしまいました。ごめんなさい。

 

  そうなんです。おいしそうなご飯の数々に

  のりぞうは魅了されっぱなしでございました。

  料理は大切だなぁとつくづく思いましたもの。

  

 「青春デンデケデケデケ」は映画にも本にも

 興味があるのですが、まだ遭遇できてません・・・。
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美味しそうなご飯。 (ゆきの)
2006-06-10 20:10:18
芦原さんの小説は、ご飯がものすごく美味しそうですよね。「青春デンデケデケデケ」のカレーライスとか「月夜の晩に火事がいて」で出てきた素麺とか…。



芦原さんの作品はまだこの2作しか読んでいないんですが、仰るとおり、芦原さんの作品の面白さは、この日常生活の「まだるっこしいぐらい」自然な生活の描写ですよね…。

「ミミズク」探して読んでみますね。

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