のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

姫ツナガリ

2008年01月31日 22時21分35秒 | 日常生活
手袋を片方、なくしました。

長年気に入って使っていた手袋をなくしたのが一昨年。
とりあえず、寒さをしのぐためだけに購入した手袋を
「それ軍手じゃなかいの?」といわれたのが一昨年の終わり。
ち、ばれたか。軍手にしてはオサレなんだけどな。
100円ショップ購入だけど。
と納得して、ややグレードアップした
それでも寒さしのぎだけの手袋を購入したのが昨年のクリスマス前。

寒さしのぎだけで購入した割にはかわいらしく
愛着もわいてきた今年の冬、愛用しすぎたのか、
手袋から手のひらの肌色が透けて見えるほど毛糸が薄くなっており
本格的に「お気に入りの手袋」を探すモードになっていたお正月。
初売りにて「これだ!」と思った手袋に出会い、
一目ぼれのような勢いで、購入しました。

そんな運命の出逢いを果たした手袋を
購入して一ヶ月で早速、なくすとは・・・・。
物をなくすことに慣れているため、
普段はあきらめの早いのりぞうにしては珍しく、
片方しかない手袋を握り締めて、もう片方の手袋を捜索します。
手袋をなくしたのは熊本出張の日。
乗った高速バス、地下鉄、通った天神地下街、立ち寄った本屋
すべての箇所の忘れ物センターに電話して、
手袋の忘れ物がないかを尋ねます。
が、「茶色の手袋はみあたりません」とのこと。

危うく、「何色の手袋ならありますか?」と尋ねて
寒さしのぎのためにも、何でもいいから手袋を手に入れようかしら?
という誘惑に駆られましたが、浮気心を抑えて(という問題ではナイ)
しょんぼりと電話を切りました。

・・・たまに運命の出逢いを果たしてみれば
すぐに別れることになるなんて。
なんだか暗示的な結末がイヤだわ。
と、ネガティブモードで世を儚んでいると、
一昨日、訪れた熊本の会社の部長が
「この前のお礼。わざわざ来てくれてありがとう。」
とチョコレートをくださいました。

あの日は諦めたチョコレートをこんな形で手に入れられるとは。
人生、捨てたものじゃありません。

「あ、一応、ネーミングにこだわりを持って買ってきましたから。
 そこにこめてる敬意を汲み取ってね。」
といわれ、しげしげとパッケージを見直します。

なに?なに?「姫のショコラ」?
あら☆姫?
この「姫」が部長のお気持ちですか?ありがとうございます♪
お気持ち、しっかりと受け取りました♪嬉しいです♪
と、ネガティブモードから一気にポジティブモードへ。
にこにことしながらチョコを頬張っていると、
一昨日、打ち合わせをした方からも電話がかかってきました。

「先日はありがとうございました。
 本当に助かりました。
 でもですね。今日は、お礼を伝えることが目的じゃなくて
 あ、勿論、お礼も言いたかったんですけど!」
と、あたふたするお相手。
・・・もしもーし?ご用件はー?

「あ!!実は、忘れ物がないかを確認したくて電話したんです。
 のりぞうさん、手袋を片方、なくしませんでした?」


・・・・きゃーーーーー!!
ビンゴーーーーーーーーーー!!
なくしました!なくしました!!それ、ワタクシのです!!

「あ。よかったー。
 実はタクシーの運転手さんが届けてくれたんですよ。」

なんと。
あの素敵な運転手さんが?
わざわざ届けてくださるなんて、やっぱり素敵!
それにしても、本当によかった。
あきらめずに探していれば、やはり執着心がどこかにつながるんですな。
と大喜びで感動を伝えていると、打ち合わせ相手の方が
電話の向こうでにこにこしながらおっしゃいました。

「片方なくすだなんて、まるでシンデレラですね。
 手袋だけど。」

本日、のりぞうは姫気分を満喫中。

ゼブラーマン/2003年日本

2008年01月31日 21時42分02秒 | 映画鑑賞
4.ゼブラーマン
■ストーリ
 舞台は2010年。生徒からも家族からも疎まれる冴えない
 小学校教師・市川は32年前に低視聴率のため、僅か7回の放送で
 打ち切りとなった「白黒つけるぜ」が決め台詞の特撮ヒーロー
 「ゼブラーマン」のコスプレという特異な趣味を持つ。
 その頃、市川の住む地区で、地球征服を目論む宇宙人による奇妙な
 事件が続発。ひょんなことから市川は憧れのゼブラーマンに扮し、
 その宇宙人たちと戦うことになる。
■監督:三池崇史
■脚本:宮藤官九郎

■感想 ☆☆☆☆
 B級テイスト満載の予告を見たときから、期待していた作品。
 期待通りのB級テイストと期待以上のストレートなメッセージ性で、
 予想以上に楽しめた。予想以上に胸を打たれた。

 「信じれば、人は変われる。」というありふれたメッセージ。
 けれども、自分を信じるためには、自分の力だけではダメなのだ。
 自分を信じてくれる人の存在があって始めて、人は自分を信じることが
 できるのだと思う。自分を信じてくれる教え子の存在と、彼の必死の
 訴えによって、奇跡を起こす市川の姿には「ありえない」と突っ込みを
 入れつつも、清々しい気持ちにさせられた。

 宮藤さんらしく、作品にこめられたメッセージを声高に、マジメに
 伝えることはない。まして、熱く語ることもない。けれども、
 彼の思いは確実に伝わってくる。マジメに語っているわけではないのに、
 随所でくすりと笑いながらも、思わずマジメに見入ってしまう。

 普通の、いや、普通以下のさえないおっさんを見事に演じている
 哀川さんが見事。最初はただのコスプレオヤジだった主人公を
 冴えないときですら、魅力的に演じている。
 例えば、夏の暑い日にコスプレの洋服を自分で作っている主人公。
 コスプレを楽しんでいるうちに、ついつい外に出かけていきたくなる主人公。
 「ゼブラーマン」ファンの教え子にコスプレを見せたくなって
 夜に出かけていく主人公。どれもこれもコミカルにかわいらしく演じている。
 また、悪の現場にかけつける場面。
 運動不足が一目で分かるよたよたとした走り方の彼は、
 正直、情けない印象を与える。けれどもその情けなさがかっこ悪くはない。
 その不器用な走り方に、思わず応援したくなる愛すべきヒーローを
 演じあげている。
 その「愛すべき」ヒーローは最後まで「頼りになる」ヒーローには
 ならない。彼は最後まで迷い、悩んで、苦労して、ぼろぼろになる。
 最後の戦いに行くことすら迷う人間的なヒーローだ。そんなヒーローが
 悩んだ末に、ヒーローの定番アイテムのバイクで最後の戦いの場所
 学校に駆けつける場面は、文句なくかっこいい。
 ふと気がつけば、劇的な変化は全くないにも関わらず、情けなかった
 主人公が頼もしいヒーローとなっている。

 ラストシーンで車を出た彼を待っているものが映し出される場面は
 何度も見たくなる名シーンだ。胸が熱くなる。

 脇役も豪華。たった1シーンのためにこの人が?とか
 宇宙人の顔の部分はあの人では?と、隅の隅まで楽しめる。
 特に印象に残ったのは、彼の理解者となる破天荒な刑事を演じた渡部さん。
 こういった癖のある役を演じているときの渡部さんは大好き。

チョコより素敵。

2008年01月30日 00時14分08秒 | 日常生活
本日は久々の熊本出張でした。
朝6時半、真っ暗な中、家を出ます。
できれば早めに打ち合わせを始めて、
さっさかと打ち合わせを終わらせたい。
でもって、早めに熊本を出発し、天神のデパートにて
チョコレートの試食をしてまわりたいっ。
チョコの試食はバレンタインシーズンの最大の楽しみですから。

と、やる気満々で出張に出かけたのりぞう。
どうやら、のりぞうのやる気っぷりを
神様が勘違いされたらしく、打ち合わせは白熱し
本日の決定事項の3分の2が終了した時点で既に19時を回ってしまいました。
・・・もう、どうやったって、
福岡のデパートの閉店時刻には間に合いそうにもありません。
しかも残ったのは、のりぞうが持ち込んだ議題。
ひとりで考えるより、みんなで考えたほうが楽ちん楽ちん、と
どさくさに紛れて持ち込んでみたのですが、結局、残っちまったい。
つまるのところ、熊本まで来て、人の仕事を手伝って
自分の仕事は残ってしまったという、なんとも間抜けな顛末。

でもまあ、いいのです。
本日の打ち合わせは、どうせしなければいけないことばかりだったし
打ち合わせを振り返ってみると、のりぞうも必要だったみたいだし
珍しく、仕事で誰かのお役に立てるという貴重な経験ができたし
一緒にした仕事はのりぞうの分担ではなかったけれども
決定事項は、のりぞう自身にも関係ある大切な作業だったし、
実は高速バスでの移動は大好きだし
ぬくぬくの高速バスでの読書や睡眠は最高に気持ちよかったし
何より、いつもの仕事場以外での作業によって気分もリフレッシュできたし
いいこと尽くめの一日でしたから。

帰りはすっかり暗くなってしまったので
バス停までタクシーに乗らせていただきました。
やってきたタクシーの運転手さんがこれまた気さくな方で
いつになく、タクシー内でのお話が弾みました。
自分でも性質が悪いと自覚しているのですが、
ワタクシ、自分がお客になる立場だと途端に無愛想になってしまうのです。

でも、本日は楽しそうに仕事をする運転手さんの様子に
ものすごく興味をひかれて、ついつい傾聴モードに。
なんでも、この運転手さん、車の運転が大好きなんだそうです。
そして、旅が大好き。旅先を調べるのも大好き。
そのため、仕事の合間時間には観光スポットを調べるし
お客さんを観光スポットに連れて行った際は
自分も見所を確認し、他のお客さんに伝えたりするのだそうです。
そうこうするうちに、その運転手さん指名で
観光プランの策定+旅行中の運転手をお願いされるお客さんが
多くなってきているのだとか。
本日も昼間はそういったお客さんをご案内し、
そのお客さんから5月頃にまた九州観光に来るから
鄙びた温泉宿を探しておいて、とお願いされたばかりとのことでした。

その楽しそうな様子に、
「すごいですねー、天職にめぐり会えたんですね。」
と感想をお伝えしたところ、
運転手さんは、にこにこしながらおっしゃいました。

「天職?そういえばそうかもしれんねー。
 仕事と思ってなかったけん、気付かんかったけど。
 おいさんなんか、毎日、遊びようようなもんよ。
 好きな車の運転して、お客さんとそこかしこ遊びに行って
 いっぱいおしゃべりして、好きなことばっかりしとうけんね。
 遊びながら仕事しとうようなもん。
 違うか。仕事しながら、遊びようようなもんかな?
 もうね、仕事と遊びの区別がよう分からんと。」

・・・・かっこいいなぁ。
一日の終わりに素敵な出会いがありました。

しかも、この運転手さん。
目的地到着のだいぶ前の地点で
「あ。もう見えてきたねー。
 もうメーター止めとくけん。お金、用意しときー。」
と言いながら、メーターを止めてくださったのです。

なんて素敵なの!
神様はのりぞうに、バレンタインシーズンのチョコの試食より
もっともっと素敵なものを用意してくださっていました。
感謝。感謝。

父からの手紙/小杉健治

2008年01月29日 23時35分29秒 | 読書歴
9.父からの手紙/小杉健治
■ストーリ
 家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と
 伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を
 控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として
 逮捕されたのだ。
 一方、義理の姉を守るために人を殺した圭一は、9年の刑期を追えて
 出所した。9年の間に、職も恋人もなくし、生きる希望を持てずに
 自暴自棄な生活を送る彼は、義理の姉を探し始める。
 まったく接点がないように見えた麻美子と圭一はやがて、出会い・・・。

■感想 ☆☆☆
 大切な人の幸せを願い、彼の幸せのために自分の人生を犠牲にする。
 作者はその想いが悲劇を引き起こすこともあることを推理小説仕立てで
 丁寧に描いている。
 大切な人の幸せを願うのであれば、大切な人の幸せだけでなく
 自分自身の幸せも願わなければならない。誰かの犠牲の上に
 成り立つ幸せなどない。作者のストレートなメッセージが胸に
 ずしんとこたえる作品だ。

 どんなに辛くても、道がないように見えても、それでも自分の人生を
 歩むしかない。幸せを手に入れるために生じさせた「ちょっとした
 ゆがみ」は時を経るうちに、少しずつ少しずつ、ゆがみを大きく
 させていき、いずれ崩れるのだと思う。

 とはいえ、物語の背景にあるのは、おそらく日本が最も経済的に
 苦しんだ時代。作者のメッセージには共感するし、正しいと思う。
 けれども、共感した上で思う。では、登場人物たちはどの方向に
 歩めば、笑顔で過ごせたのだろう、と。悪いことをしたわけではない。
 怠けたわけでもない。地道に生きてきたはずなのに、
 ある日、すべてを手放さなければいけなくなってしまう。
 そういった不幸になす術もなく、巻き込まれてしまった人が
 あの時代にはたくさんいたのだと思う。そして、格差社会といわれる
 現代も、この本の登場人物たちのような人たちは、絵空事ではなく、
 実際にいるのかもしれない、と思う。そう思わせる迫力のある作品だった。

お役立ちアドバイス

2008年01月27日 20時33分51秒 | 日常生活
洋服の好みが「カジュアル」にシフトしつつある今日この頃
昨日のお買い物でふらふらと惹き付けられたアイテムはショートパンツでした。

ショートパンツって!
ミソジも目前なのに!
妙にワカヅクリしてると思われても仕方がない服装だってば。
大体、来年は流行自体が微妙だってば。

・・・でも、カワイイ。

平静を保とうと、強めに突っ込みを入れる自分と
欲望に従順に従おうとする自分の戦いに決着をつけられず、
「ねえ、ねえ。冷静に、かつ客観的なアドバイスがほしいんだけど。
 やはり、ショートパンツは微妙だよねぇ?
 ちょっと誘惑にかられちゃって。」
と、妹にアドバイス依頼の電話をかけました。

「長さはどのくらい?ミニスカートぐらい?
 まあ、いいっちゃ、いいんじゃない?
 実際に見らんとわからんけど。
 でも、来て行く場面は選ぶよね。どうかなぁ。」
と、親身に迷ってくれる妹。

「やはり、そうだよね。微妙だよね。
 でも、かわいいんだよー。お値段もかわいいんだよー。60%オフなのー。」
と、欲望に身もだえしながら、頭を抱える姉。

その値段を聞いた途端、
「なんだ。その値段なら、1シーズンしか着られなくても
 悔いはないんじゃない?買っちゃえば?」
と、冷静にしっかりとした判断をくだす妹。頼りになる子です。

で、そんな助けを求める電話を妹にしたため、
「あんた、ショートパンツ買ったらしいね?」
と、事の次第を聞いたらしい母親から、本日、電話がかかってきました。

「そうなのー。すごい迷ったんだけどね。
 どう思う?やはりショートパンツは、やりすぎ?
 なんか血迷ってる感じ?」
と恐る恐る伺いを立てたところ、母親からは明快な返事が返ってきました。

「いいんじゃないのー?かわいいんやろ?安かったんやろ?
 着れるうちに着とき。仕事場には着ていかんのやろ?
 それはやめときーね?
 ほら、旅行のときに着ればいいやん。誰も見らんけん。」




・・・・え?
ワタクシ、旅行なんて半期に一度ペースなんですけど。
もっと日常的に活用してはダメですか?

たまには役に立ってみる。

2008年01月27日 20時14分02秒 | 日常生活
夕飯の用意をしていたところ、いも男爵さんから電話がかかってきました。
「ごめん。ちょっとだけ、いいかいな?」

どーぞ。どーぞ。
少しだけなら対応できます。
お腹がすいているので、長くは無理です。

「最近、活躍している福岡出身の女優って誰かいな?」

・・・・ヒント少なすぎませんか?
「活躍している」って、また漠然としたヒントで。
すぐに思いつくのは蒼井優さんぐらいです。

「蒼井優?・・・それは違うっちゃないと?」

えー?他に思いつかないよー。
どのぐらい活躍している人なのさ?
と、会話をしていると電話の向こうから
「あ!その人!蒼井優!!」と正解を告げる声が聞こえてきました。
なにやらよくわかりませんが、正解だったようです。

・・・・クロスワード?

「いやー。後輩がね、名前を思い出せんかったみたいで。
 やっぱ、こういうときはのりぞうやろう、と思って電話してみたよ。」


・・・その思い出され方はなんかヤダ。
お礼を言われたし、役にも立てたみたいですが、
気分はとてつもなく複雑です。

甘栗と金貨とエルム/太田忠司

2008年01月27日 19時56分22秒 | 読書歴
8.甘栗と金貨とエルム/太田忠司
■ストーリ
 名古屋に暮らす高校生・甘栗晃は、探偵だった父親が急死したため、
 父親の最後の案件を引き継ぐことに。依頼は、ナマイキな小学生、
 淑子の母親探し。「美枝子は鍵の中に」という謎めいた文章だけを頼りに
 調査を始めた晃は、初めての「出張」で、大都会・東京へ。
 慣れない街に四苦八苦しつつ、必死で謎に近づく晃だが、
 衝撃の事実を知って・・・。

■感想 ☆☆
 推理小説だが、推理小説としてではなく、青春小説として楽しめた。
 年齢よりも大人になろうと背伸びをし続けたが故に、妙に老成している
 主人公がほほえましい。父親が引き受けた最後の依頼を通して
 生きている間は知らなかった仕事場での父親の姿や過去の父親について
 知っていく主人公。確かに考えてみると、家族と接する時間は他人と
 比べて、とてつもなく多いのに、「あえて話さないこと」も多く
 だからこそ、知らないことは多いのかもしれない。

 父親の過去を知り、新たな一面を知り、その上で、現在の自分と向き合って
 自分がこれから何をしたいのか、どう生きたいのかを考える主人公の
 姿が清々しかった。ラストで彼が選択するのは「今すぐの決断」ではなく
 「考える時間」。17歳で自分が進むべき道なんて分かるはずがない。
 だから彼の選択に素直にエールを送ることができた。

 合間合間に出てくる彼の幼馴染、直哉がとにかく魅力的。
 出てくる場面はとても少ないにも関わらず、最も印象に残る登場人物。
 もし、続編の可能性があるのであれば、ぜひ、彼の登場場面を
 多くしてもらいたい。

偶然の同窓会。

2008年01月27日 00時25分11秒 | 日常生活
週末は家でゆっくり過ごします、と宣言しておきながら
ずっとお世話になっていたショップが明日で閉店することを思い出し
昼過ぎから福岡の中心地へふらりと出かけてきました。

社会人になってからずっとお世話になっていたお店で
のりぞうの好みの洋服を分かってくれていたり
のりぞうがひとりで見に行けば、適度に放置してくれたり
そこそこきちんと感あるお洋服なのに、お財布に優しい価格帯だったり、
と、見事にのりぞうのツボを抑えたお店だったのです。
なくなってしまうなんて、残念でなりません。
特に「適度に放置してくれる」店員さんには
なかなか巡り会えないので、本当に残念。心底残念。
あまりに残念なので、次の配属先をお尋ねしたところ、
お店の場所はとても近いのですが、価格帯が大変遠い
ブランドショップの名前を告げられ、今後の交流を断念しました。
しかし、この「残念」な気持ちは是非とも分かってもらいたいと思い
「冷やかしに行きますからね。」とだけ、お伝えしました。
・・・真意が無事に伝わったのかは定かではありません。

店員さんとひとしきり挨拶をした後は
ラストセールの品物を物色します。
どこもかしこも5割引から7割引。
自制心を働かせつつも、心は徐々に興奮状態へ。
どーしよー!!と心をわくわくさせていたところ
店員さんがにこやかに近寄ってきました。

「お待ち合わせですかー?」

・・・・え?オマチアワセ?
きょとんとしていると、にこやかに近づいてきた店員さんの隣に
高校時代からの友人の姿を発見。

うわー!奇遇だねぇ!と心は更なる興奮状態へ。
奇遇、としか言いようがないのです。
待ち合わせなんてしてませんでしたもの。
友人が天神勤務とはいえ
そして、友人もこのお店を愛用していたとはいえ
友人と「ファイナルバーゲンには行くよね。」と確認したとはいえ。
日にちは約束してませんもの。
今まで一度もこんなふうに遭遇したことありませんもの。
まして、友人は本日もお仕事なのです。
昼休みにたまたま寄っただけなのです。
えーい!奇遇じゃ!奇遇じゃ!

というわけで、偶然の出会いを記念して、
一緒にお店で散在した後、お昼まで付き合っていただきました。
ひとりで買い物と思っていただけに嬉しい偶然。
そもそも、この一週間、人と触れ合ってなかったので、
心の底から、嬉しい偶然です。
にこにこしながらご飯を食べて、仕事場に戻る友人を送り届けていると
人込みの中に見知った顔が。

母校の教頭先生と通っている教会の牧師です。
どうやら街頭募金をされている模様。
そうだった!本日は土曜日。街頭募金の日なのです。
が。既に昼休みを過ぎている友人はやや急ぎ足。
教頭先生には気付いていないようです。
先生!ごめんなさい!友人を見送ったら戻ってきますから!
後で募金しに戻ってきますから!
という気持ちを込めて目礼をし、通り過ぎようとすると

「なんやー?!お前らー!素通りすんなー!!」
と野太い声が追いかけてきました。


・・・・高校時代にお世話になった国語の先生です。
うわー。久しぶりです。お懐かしいっ。
というか、なんですか?!
本日の募金は母校の先生がタッグを組んで募金されてるんですか?
先生も募金当番なんですか?

と、尋ねると

「いや、偶然たい。偶然、通りかかったと。
 近くを通りかかっとうのに、教頭先生が募金活動しとる場所を
 素通りするわけにはいかんやろ?やけん、寄ったったい。
 そしたら、あんた!教頭先生の前を卒業生が素通りしよったけん
 驚いて、呼び止めたったい!挨拶ぐらいしちゃらんね。」

・・・・うわー。偶然ですか。そうですか。
嬉しいです。
先生に会えて、本当に本当に嬉しいです。
先生のその野太い声もとても懐かしいです。
まさかこの年になって、校則違反をしでかした生徒のように
福岡の中心地で呼び止められるとは。なんだか感無量です。

「いやー。俺も嬉しいよ。お前らに会えて。
 立派になったなぁ。あんまりにも大人の女性になっとうけん、
 すぐには分からんやったばい。美人になったなぁ。
 本当に、全然、分からんかったばい。声かけるのも気後れしたわ。」




・・・・ウソツキめ。
先生のほうから見つけたくせに。
あんなに大きな声で呼び止めたくせに。
躊躇もひったくれもなかったくせに。
オトナはとってもウソツキです。

が。最近のワタクシは、「世の中には、必要な嘘もあるよね。」
と、聞き流せるオトナのオンナになりました。


・・・ウソツキです。
まだまだオトナの機微が分からないのりぞうは
上記の突込みを全て恩師に浴びせかけました。
正真正銘、オトナの恩師は
「あっはっは。」と高笑いして
「じゃあな!」と爽やかに去っていきました。

恩師はいつまでも恩師です。
いろいろと勉強になります。

マイボス・マイヒーロー/2001年韓国

2008年01月26日 23時28分59秒 | 映画鑑賞
3.マイボス・マイヒーロー/2001年韓国
■ストーリ
 組織暴力団の中間ボスが高等学校の卒業証書を取ってこいという
 ボスの命令で高校に裏口入学をしたことで起きるハプニングを描いた
 暴力団コメディー?

■感想 ☆
 大好きだったドラマ「マイボス・マイヒーロー」の本家本元韓国版が
 深夜に放映されていたため、録画。久々に「DVD録画の中の映画を
 どんどん鑑賞しちまいましょうキャンペーン」を実施することになり、
 (要は録画できる残量が少なくなってきたためです。録画すると
  ついつい、それだけで満足してしまって駄目ですねー。)
 ようやく鑑賞いたしました。

 「録画したのを見たよ!」という単純な(そして特に必要のない)
 説明を長々としてしまったのは、映画があまり好みのものではなかった
 からです。というよりは、予想していたものと違っていて、驚いた
 というのが正直な感想でしょうか。

 どうしても日本版「マイボス・マイヒーロー」のコミカルなイメージを
 捨てられないまま、映画を見てしまったため、リアルな暴力シーンに
 ついていくことができないまま、主人公に魅力を感じることなく
 見終わってしまいました。日本版はお茶の間で21時台に放送された
 ドラマということもあって、主人公が手下たちを怒る場面も
 口だけ、顔(表情)だけでの威嚇のみ。実際に殴る蹴る場面は
 そんなになかったように記憶しています。が、本家本元は違います。
 殴るける場面がてんこ盛り。リアルな描写でてんこ盛りです。
 場面場面にくすりと笑えるエピソードが挿入されており、
 カテゴリとしてはコメディだと思うのですが、それでも暴力シーンの多さに
 コメディ部分がかき消されてしまっているような印象を受けました。

 終わり方も日本版のほうが前向きでさわやかです。
 日本版のラストは学ぶことに楽しさを見出した主人公が改めて高校に
 通いなおすことを決意し、登校する場面で終わります。
 オリジナル版は高校を卒業した主人公にボスが大学に通うことを命じ
 主人公が「げ。」と嫌がる場面で終わるのです。
 最後の最後でコメディに戻ってきた感じなのかな。

 主人公の立ち回りのうまさには見とれてしまったのですが
 暴力シーンはちょっぴり、いえ、かなり早送りしてしまいました。

本所しぐれ町物語/藤沢周平

2008年01月26日 23時25分58秒 | 読書歴
7.本所しぐれ町物語/藤沢周平
■ストーリ
 浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら
 また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、
 身売りして返済しようとする10歳の娘。女房としっくりいかず、
 はかない望みを抱いて20年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを
 感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える
 小さな波紋、微妙な気持ちの揺れをしみじみ描く連作長編。

■感想 ☆☆☆*
 しぐれ町という架空の町を舞台に、その町の町民が織り成す
 日常と、そこで揺れ動く感情のひとかけらを見事に切り取って
 みせた作品。
 人間に対して、過度に期待していない作者の冷静な視点が見事。
 作者は終始、少し離れた視点で、登場人物たちの気持ちのゆれや
 気持ちの迷いを客観的に描き、その上で、人間が生きていくうえで
 必ず感じる孤独に対して、暖かい視線を向ける。

 どの作品も描きすぎることなく、見事に「切り取って」いる
 感じが心憎い。
 とりあえず、ここで登場人物たちの足取りを追うのは終わるけれども
 この後も彼らは一生懸命、泥臭く、時に馬鹿な過ちを繰り返しながら
 一歩一歩、幸せを求めて生きていくんだよ。物語は終わっても
 彼らの一生は終わってないんだよ。そんな作者の声が聞えてきそうな
 終わり方ばかり。また、私も読み終えた後、無意識のうちに
 彼らの「明日」に思いを馳せてしまう。それぐらい、しぐれ町の町民が
 身近な存在に思える話だった。