のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ヌルイコイ / 井上荒野

2006年07月31日 23時16分04秒 | 読書歴
■ストーリ
 つまらない恋―ぬるい恋を続けている「わたし」は、
 ある日、死に至る病の宣告を受ける。一緒に暮らしていても
 月に二度しか顔を合わせない夫との生活、セックスする
 以外の時間は使いたくないらしい恋人との不倫にも慣れ、
 死さえも諦めにも似た気持ちで受け入れたが。

■感想 ☆☆*
 熱いお風呂が大好きな私は、ぬるいお風呂に入ったとき
 消化不良の思いを抱く。ぬるくてもお湯なので、
 漬かっている限りは確かに温かい。
 けれども、お湯から出たとたんに肌寒さを感じる。
 その場しのぎのぬくもり。
 あっというまになくなってしまう刹那的なぬくもり。
 そんな「ヌルイ」お風呂を思い出した。

 一度、あきらめることを覚えると、心はどうしても
 楽な方向に転んでしまう。心が波立たない人生は
 一見、穏やかな生活だから。それを幸せと勘違いしてしまう。
 そして、その穏やかな生活に慣れてしまう。
 だから、ドミノ倒しのように、何もかもが中途半端に
 倒れていく。

 それをどうすることもできないでいる主人公。
 ヌルイモノを熱くするためにはパワーが必要だから。
 そして、いったん、ぬるいものになれてしまうと
 熱いことに触れることにおびえてしまうから。

 そんな心のざわめきが見事に描かれていて
 あっというまに読み終えることができた。
 これだけ女性の心情をリアルに描いておきながら
 ラストはお伽話のような結末。
 だから、救われた。 

好きにしてもいいんですか?

2006年07月31日 22時52分52秒 | 日常生活
来週水曜日は、グループ会社の教育担当者が集まって
10月に行うフォローアップ研修の企画会議を行います。
教育担当者が10名もいるため、
全員の予定が合う日程を探すのも一苦労です。

来週水曜日の会議も、全員にスケジュール表を配り
約2週間分ぐらいのご都合を伺い
出席できる方が多い日程をさがし、ようやく決まりました。

が、本日の定時後、部長に企画会議で提案する資料を渡し
事前チェックしていただいていると、
突然、部長が日程を気にし始めました。

「実はですね。
 来週は熊本の課長さんは来れないわけですよ。」

「はい。知っていますよ。
 そのように返事をいただきました。
 でも、これないのは熊本の課長のみ、ですよ。
 しかも、熊本の担当者はいらっしゃいますよ。」

「でもですね、実は僕も15時以降は
 他の会議があるわけですよ。」

「・・・・ほほう。初めて伺いました。」

「・・・・・それでもやります?」


それ、私が決めちゃっていいってことでしょうか?
のりぞうが「やーめた!」って言ったら、
「やめる」に決定ってことでしょうか?

と、様々な計算をした上で
できるだけ無邪気を装って回答してみました。

「じゃ、やめちゃいましょうか。会議☆」

「いや、それはいかんけど。」


・・・どないしろっちゅうんじゃー!

いやいや、会社社会では、
会議の日程を決めるだけで一苦労です。
ていうか、日程で頭を悩ませず、
その手に持ってる企画案をちゃんと見てくださいってば!

夏休み最初の土曜日

2006年07月30日 08時53分45秒 | 日常生活
世間のちびっこが夏休み最初の週末を迎えた土曜日。
のりぞうはつい数時間前に別れたばかりの
秘書さん3名、先輩SEさん1名と落ち合って
朝から呼子に向かいました。

勿論、目的は「イカ」です。
東京地区、大阪地区にお住まいの秘書さんに
九州のおいしいイカを食べさせてあげよう!
と企画されていた日帰り旅行に
暇人のりぞうも急遽参加させていただきました。

おいしいイカに舌鼓を打ち、
社内の情報交換を行い
ジョシが集まったら必ずと言っていいほど行われる
「恋の話」で盛り上がり、
女性ならでは、の休日を由緒正しく満喫することができました。

帰りは唐津で少しゆっくりとお土産を見たり
「唐津くんち」資料館を見学したり
夏祭りの準備が行われている神社でまったりしながら
おみくじをひいたり、と小旅行気分を満喫。

おみくじでは5人中4人が大吉を引きあて
生まれてから一度も大吉を引いたことがない先輩は
その記録を無事更新することができ
今日は気持ちよく過ごせる一日なのだと実感。

海辺で夕日が沈む光景をひたすら眺め
夕焼けで赤く染まった景色に感動し
おいしい空気を腹の底から吸い込み
おいしい餃子をご案内し、
またまた日付変更線を超えて語り合い、と
まるで学生時代の夏休みのような一日を最後まで楽しみました。

「夏の九州満喫ツアー」を終えたのが2時。

その後、同期と合流して
「最近の曲VS昔ソング」バトルをカラオケで繰り広げ
家に帰り着いたのは4時でした。

さあ、一睡もしていない本日。
礼拝での牧師先生のお話をどうやって乗り越えるか
今から真剣に対策を考えなくては。

話題に困ったのね。

2006年07月30日 08時30分49秒 | 日常生活
秘書研修終了後の懇親会が終わったのは21時でした。
滅多に会える機会がないため、
二次会にも参加させていただきます。

二次会でのりぞうの前に座ったのは
いつも穏やかで口数少なく、
女性らしさの見本のような秘書さんでした。
本当に口数が少ない方なので
こういった場では、皆様のお話を伺いながら
にこにこと笑い、頷く時間がほとんどです。
その穏やかなたたずまいに癒されるのりぞう。

目が合うと、にこっと微笑みあいます。

しかし、いかんせん、真正面に座っているため
とにかくよく目が合うのです。

にこっ。にこっ。にこっ。

を繰り返しながらニ時間が過ぎた頃
満を持して、彼女が口を開きました。

おおっ!彼女から話しかけてくださるとは!
なになに?!

と、興奮しながら身を乗り出したのりぞうに
彼女がささやいた言葉。


「シャンプー、何使ってるんですか?」




・・・思わず、腰がくだけました。
反則です。おもしろすぎます。
きっと、あまりに目が合うから
何か話しかけなきゃ、と考えに考えたんだろうなぁ。
そして、考えた末に見つけた話題がシャンプーだったんだろうなぁ。

もう、むしろボディシャンプーのことや
化粧水のことまでがんがん話しちゃいましょ!

そんなこんなで大笑いしながら
たくさん語って、たくさん飲んだ金曜日の夜。
久々に日付変更線を超えて楽しみました。
帰り着いたのは3時。

・・・・一日の研修で、研修受講の時間より
飲んで騒いだ時間のほうが長いってすごいなー。

秘書研修で学んだこと。

2006年07月30日 04時36分54秒 | 日常生活
金曜日は全社秘書研修実施日でした。
研修を受講するため、1年ぶりに
各地の秘書さんが本社に集合いたしました。
勿論、研修終了後は飲み会です。
のりぞうも参加させていただきました。
女性17人に男性7人と日ごろの社内の状況とは
真逆の男女比率の光景が繰り広げられ、思わず興奮。

のりぞうの座ったテーブルは
部長1名を女性3名が取り囲みました。
なんだか落ち着かなさそうな部長。
ビュッフェ形式だったため、女性3人の食事を求め
部長自ら、店内を忙しそうに行き来してくださいました。

「部長って、いつもこんなふうに
 料理を用意してくださるんですよね。
 すっごく細々と動いてくださるんですよ。」

と、心から感謝の気持ちを込めながら
同席した秘書さんたちにご報告していると
ひとりがおっしゃいました。

「そういうところ、のりぞうさんらしいですよね。
 無意識でしょうけど、明らかに部長を働かせてますよね。」



・・・・はい。今、気がつきました。
そういえば、他の先輩方が同席されているときは
部長が動かずとも、先輩方が細々と動き回ってくださってますわ。

「気遣い」とか「気配り」とか「細やかな神経」とか
身に着けようと思ってもなかなか自分では気付かないもんだ
と開き直りつつある今日この頃。

大人の女性への道は果てしないです。

伝達事項は確実に

2006年07月27日 21時59分47秒 | 日常生活
本日、定時後にまったりと仕事をしていたのりぞうの元に
取締役がいらっしゃっておっしゃいました。

「のりぞうくん、あの件、部長に伝えた?」

アノ件。
・・・・って、ドノ件?

大急ぎでのりぞうのちっちゃなちっちゃな
記憶の引き出しをかき回しましたが
どうしても思い出せません。

「あー。アノ件ですね・・・。」

と、極めて日本人的な回答をしながら
えへへ、と笑うのりぞうを横目に取締役は
直接、部長におっしゃいました。

「のりぞうくんがお土産に
 どうしても蟹が欲しいらしいから。
 丸ごと持って帰るのは重いだろうから
 身だけ、持って帰ってきてくれればいいよ。
 缶詰は余計に重くなるだろうから
 生の身を持って帰ってくるといいよ。」


・・・その件でしたか。

そういえば、おやつの時間の頃、取締役から
手招きされて

「明日は部長、金沢に出張だよ。
 お土産は蟹がいいって伝えとかなきゃだめだよ。
 缶詰よりおいしいのがいいって言わなきゃだよ。」

と、伝言を頼まれたんでした。
念を押されてたんでした。
「伝達事項は確実に伝えること」という
社会人の基本をすっかり忘れてました。
いけない、いけない。

ちなみに取締役への部長の回答は

「あははは。
 前向きに検討しておきます。
 希望は心に留めておくよう努力します。」

と、これまたいかにも日本人的、かつ大人の対応でした。
いやはや、勉強になります。

幸せすぎて泣ける

2006年07月26日 22時18分55秒 | 日常生活
友人りんりんがめでたく母上になりました。
ちびっこちゃんは3100グラム超の健康優良児。
昨晩、母子共に健康だというメールをいただいて
ひとり小躍りしてました。

実はりんりんのだんな様の友人は
のりぞうの職場の先輩。
のりぞうのすぐ後ろに座っています。
いやいや、世の中って本当に狭いもんです。

本日、その先輩夫妻が早速、ちびっこちゃんを見に行く
というので、のりぞうもお供させていただきました。

ちびっこちゃんは予想以上に小さくて、あいらしくて
見ているだけで胸がいっぱいになりました。
あのちっちゃいちっちゃい体が
きちんと生きて呼吸をしているという不思議。
これから大きくなって、いつか私たちと同じように
しゃべったり笑ったりするという不思議。

それらは、ちびっこちゃんを見ていると
「奇跡」という言葉で表してもいいのではないかと
思えてきます。

ちっちゃい体におっきな幸福と
周囲の人たちの愛情をたくさん詰め込んでいるのが
伝わってきて、本当に本当に感動しました。

幸せすぎて泣ける。
幸せすぎて胸が痛くなる。

そんな気持ちを味わえたことに感謝。

赤ちゃんを囲んで向かい合っていた
りんりん夫妻の幸せそうな姿にも感謝。

ここ最近、ひたすら実感していますが
幸せは本当にすごいエネルギーを持っていて
周囲の人にも幸福の波動をもたらします。

だから笑顔のりんりん夫妻に感謝。
連れて行ってくださった先輩夫妻にも感謝。
生まれてきてくれたちびっこちゃんにも感謝。

オー・マイ・ガァッ!/浅田次郎

2006年07月26日 21時40分32秒 | 読書歴
■ストーリ
 諸君、悩むな。ラスベガスがあるじゃないか。
 くすぶり人生に一発逆転、史上最高額のジャックポットを叩き出せ!
 ワケありの三人が一台のスロットマシンの前で巡り会い
 そこで奇跡が起こる。笑って泣いてのエンターテイメント。

■感想 ☆☆*
 ラスベガスに対する作者の愛情がひしひしと伝わってくる作品。
 海外に行ってみたい気持ちはあるものの、パスポートも
 持っていない上に飛行機が苦手な私は、既に海外旅行を
 あきらめている。だからこそ、こういった小説によって
 旅行をしているような気分を味わえるのはありがたい。
 ラスベガスの雰囲気、喧騒がしっかりと伝わってくる。

 他のどこの土地よりも「アメリカ」っぽい都市。
 大雑把で深くは考えず、ただひたすら楽しむ場所ラスベガス。
 24時間、誰かが起きていて、眠ることのない都市。
 マフィアや殺し屋が未だによく似合う都市。
 そういったラスベガスという都市特有のきらめきを
 思う存分味わうことができた。

 笑って泣いて怒って騒いで、のどたばた騒ぎの合間合間に
 はさまれる「日本人」や「アメリカ人」についての文化比較は
 納得させられる部分が多く、まじめに読み進めることができた。
 こういったバランスのとり方がいかにも「浅田さん」だなぁ
 と思った。

 自分がもしも、大金を当てたら・・・とか
 衝動的に日本という国が嫌になってしまったら・・・とか
 様々な空想を楽しむことができる作品。

イベント尽くし

2006年07月25日 23時09分52秒 | 日常生活
創立25周年という節目の中、イベント満載の
会社生活を送っています。
今月から毎月一回は創立記念イベントが開催されるそうで
先日、創立記念パーティを終えたばかりなのに
もう8月のイベントの準備が始まりました。

打ち合わせが終わったのが21時です。
長かっただけあって、突っ込みどころ満載で
オモシロイコト山盛りの部会だったのですが
今、書きながら思い出しました。
これらのイベントに関しては、まだまだ口外禁止でございました。

ちっ。いつもは不機嫌だったり
眠気を我慢したりしているだけの部会で
今日は思いっきり爆笑したというのに。。。

残念でなりません。

だけど、ほらごらん(劇団太陽族)

2006年07月25日 23時01分15秒 | 舞台(キャラメルボックス)
尊敬する先輩であるrainbowさんに
無料で舞台をみませんか?というご案内をいただき
喜んでご一緒させていただきました。

お誘いいただいたのは劇団太陽族の舞台。
名前は聞いたことがあるものの
劇団の詳細はまったく知らないままの鑑賞です。

オウム真理教事件、神戸児童連続殺害事件など、社会で起こる
事件や現象をモチーフに取りながら、人と人との関係性に
重点をおいた普遍性のあるドラマ作りに定評がある劇団。
・・・らしいです。

今回の舞台のキーワードは
 「指定管理者制度」
 「介護」
 「人の営み」
 「どう生きるか」

指定管理者制度とは、2003年に改正された地方自治法で
民間の事業者が公の施設を管理運営できるようになった
というもの。・・・らしいです。

今回の舞台でいただいたご挨拶に書いてあった
以下のような文章が印象的でした。

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この制度によって、施設そのものの運営がよくなれば
問題はないのですが、事業の継続性が断ち切られ、
多くの現場は混乱の中で右往左往しているのが現状のようです。
福祉もまた、この制度の枠外ではありません。
おまけに介護保険の見直しもあって、介護福祉に携わる
ケアマネージャやヘルパーたちは悲鳴を上げています。

  中略

以上、蛇足ながら新作を作るきっかけや想いなどを
記してみました。しかし、演劇は芸術であり娯楽なんです。
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まさしくこの挨拶に書かれていることを
ずんと突きつけられ、深く深く考えさせられた舞台でした。

舞台はあるデイケアセンター。
そこの職員を中心に、指定管理者制度によって
このデイケアセンターに移動になった職員二名と
デイケアセンターにショートステイ中のノブさん
掃除スタッフとして施設から働きに来ている
知的障害者の野間さんが遭遇した
「七夕まつり」の不思議な奇跡を描いています。

起こった奇跡はファンタジー色が強く
「ありえないこと」ではありますが、それを取り巻く環境は重く
とてつもなく現実的で、そのあまりの重さに
ファンタジーも力技で納得させられてしまいます。

見終わった後、一緒に見たrainbowさんと交わした会話は

「こんな伝え方があるんだよね。」

というものでした。
メッセージ性が強い舞台です。
そして、私たちが知っておかねばならない問題を
中心に据えた舞台です。

劇中、ノブさんがみんなに訴えます。

「50年後の自分なんて想像したことないだろ?
 見えないふりをしてるだろ?」

まさしく私は普段考えたことのない問題でした。
そのことに対して考えるきっかけを与える
「舞台」というツールの使い方に感動した夕方でした。

劇団員の合唱
「こんな時代に誰がした」という歌詞の重みに
涙腺を刺激され、そして、野間さんがラストに訴えた言葉

「ノブさん、世界は夜です。
 朝だけど、夜ですっ。」

に対するノブさんの返答にまた目頭が熱くなりました。
私たちひとりひとりがこういった問題をきちんと捉え、
考えていかなければならないのだ、という訴えを
投げかけるだけではなく、こんな時代でも希望を失わずに
生きていこうという願い、生きていくのだという想いが
伝わってくる舞台でした。

「だけど、ほらごらん。
 空には星が光ってる・・・。」

また福岡に来たら、ぜひ見に行きたい。
そう思わせてくれる舞台に感謝。
そして出逢わせてくださったrainbowさんにも感謝です。