のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

任侠ヘルパー

2009年09月30日 23時44分43秒 | テレビ鑑賞
■任侠ヘルパー
■のりぞう的2009年度夏クール1位
■木曜22時フジテレビ放送
■出演
 草剛、黒木メイサ、夏川結衣、山本裕典、薮宏太、夕輝壽太
 五十嵐隼士、松平健、大杉漣、宇梶剛士、加藤清史郎、仲里依紗

■ストーリ
 指定暴力団「隼会」の支部に所属する翼彦一(草剛)は、舎弟らと
 共に振り込め詐欺で生計をたてていた。ある日、彦一たち6人は、
 大幹部である鷹山源助(松平健)の命令で、敵対する鷲津組のシマの
 ど真ん中にある老人介護施設「タイヨウ」で、次期幹部の座を賭け、
 自らの素性を隠して「研修」という名のもと、介護ヘルパーとして
 働くことになる。
 最初は介護なんてと見下していた彦一達だったが、慣れない介護の
 現場に悪戦苦闘しながら、様々な年寄り達と関わり、介護の現実を
 受け止めるうちに、少しずつ変わっていく。

■感想
 実は福祉施設での実習も2ヶ月ほどしたことがあります。
 そのうえ、母親は現役のヘルパー。その上、祖母は実際にヘルパーの
 方に色々とお世話になっているわけで。
 非常に興味深く、そして、深く共感をしながら、このドラマを
 見ていました。

 現在の介護業界が抱える悩み、課題。国の制度自体が持つ矛盾。
 そして、家族がかかわっていくことの大切さと大変さ。
 すべての問題が見事に描かれていて、なおかつ、ドラマとしても
 おもしろく、見応えがあったなあと思うのです。
 様々な課題を抱える介護業界で、その課題を業界自体も、国も
 認識していて、「変えなければ」と思っている人はたくさんいるのに
 なかなか変えられない。そういった現状が伝わってくるドラマ
 でした。

 そういった意味で、「救命病棟4」と非常によく似た性質の
 ドラマだったように思います。
 「介護はビジネス。ビジネスならば、働く人たちの幸せを
  確保しなければならない。そうすることで、介護される人にも
  優しくなれる。」
 「介護はビジネスだけでは成り立たない。利用者さんの気持ちに
  寄り添って、一緒に過ごしてあげる必要がある。」
 両極端なふたつの考え方は、救命病棟と同じく、「どちらが正しい」
 と判定できるものではなく、「どちらの考えもよく分かる」もので
 だからこそ、この課題はすぐには解決できないのだろうなぁ
 と納得できるものでした。

 そしてそして、草なぎさんの演技力にしびれっぱなしの
 3ヶ月間でした。もともと好きな役者さんでしたが、「かっこいい」
 と思ったことなんて1度もないのに。このドラマで演じた彦一に
 何度「かっこいい!!」と思ったことか。こんな役もできるんだあ
 と、ただただ感嘆しながら見ていました。すごいなあ。
 でもって、「天地人」で人気者となった加藤君。
 さすがの演技力でかわいいだけではない、悩めるちびっこを熱演。
 最近の子役さんは、本当に演技がうまくて、びっくりします。

 「介護」がテーマということもあって、毎回のゲストが渋い役者で
 固められていたのも、このドラマを見応えあるものにしていたような。
 池内淳子さんとか、津川雅彦さんとか、江波杏子さんとか、
 竜雷太さんとか。ものすごい顔ぶれでした。
 この方々が画面に出るだけで、画面に品が出るというか、静かに
 魅せられるというか。さすがだなぁ、としみじみ思いました。

救命病棟24時第4シリーズ

2009年09月27日 00時14分09秒 | テレビ鑑賞
■救命病棟24時第4シリーズ
■のりぞう的2009年度夏クール2位
■火曜21時フジテレビ放送
■出演
 江口洋介、松嶋菜々子、木村多江、北乃きい、板尾創路
 市川実和子、石田卓也、趙 和、ユースケ・サンタマリア

■ストーリ
 第4シリーズのテーマは「救命救急の崩壊」。
 キャッチコピーは「医療を、救命せよ。」
 医師不足、病床不足、救急車のたらい回し、コンビニ化する
 深夜の外来救命、モンスターペイシェント、医療ミス、医療裁判。
 疲弊しきっている日本の救命救急を、日本の医師たちの現状を
 リアリティをもって描く。

■感想
 リアリティを追求してきたこのドラマ。今回の話も鳥取県米子市の
 鳥取大学医学部附属病院の救命救急センターで実際に起こった出来事を
 モデルとして出来上がったそうです。鳥取の病院では、救急災害科の
 教授と准教授を含む救急専門医4人全員が、心身の疲労などを訴えて
 「救急現場の窮状を知ってほしい」と、2009年3月末に一斉辞職
 されたのだとか。2009年3月なんて、ほんの少し前の出来事で
 つまり、これが(このような状況が)今の医療業界なんだろうな
 と納得できるドラマでした。

 過去の3シリーズでは、進藤先生が一番、技術力のある優れた
 医師でしたが、今回からは、彼と同レベルの技術を持ち、
 彼と同じように「患者を救いたい」という熱い思いを抱きながらも、
 救命医療に関する考え方が正反対の医師、澤井が登場。
 同じ思いを持ち、同じ目標を掲げながら、道筋が違うふたりの
 様子を見て、今の日本の医療業界が抱えている問題の複雑さ
 先の見えなさを改めて感じさせらました。

 どちらの主張も分かる。分かってしまう。
 目の前にある命を助けたい。少しでも余裕があるのであれば
 どんどん患者を救いたい。そう考える進藤医師。

 一方、澤井は、まずは医師たちの職場環境の改善を実施しないと
 今いる医師たちの疲れはたまり、ますます医療ミスが増える。
 未来の医師希望者たちも減り、更に患者のたらいまわしを
 せざるを得ない状況に陥る。

 ふたりの考えがともに正しく、共に説得力あるもので
 だからこそ、最終回で澤井医師が政治家の方々を前にした演説で
 進藤医師の言葉を引用した場面は感動的でした。
 道のりは異なっても想いは同じで、お互いに認め合っている
 雰囲気がよく出ていたような気がします。
 「救える命を見捨てるのは、犯罪だ」

 今はまだ何が正解で、今後、どうすべきなのか、解決方法すら
 はっきりとは見えていないだけに、今後、私たちが未来を
 そして希望を目指して、模索していかなければいけないのだと
 伝わってくるドラマでした。

ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~

2009年09月26日 11時11分20秒 | テレビ鑑賞
■ブザービート
■のりぞう的2009年度夏クール2位
■月曜21時フジテレビ放送
■出演
 山下智久、北川景子、相武紗季、貫地谷しほり、溝端淳平
 金子ノブアキ、青木崇高、永井大、真矢みき、大政絢、伊藤英明
■脚本
 大森美香

■ストーリ
 プロバスケチーム「JC ARCS(ジェイシー・アークス)」に所属する
 直輝は、プロになってから本番のプレッシャーに弱く、試合では
 本来の実力をなかなか発揮できずにいた。そのため、年俸も下がり、
 結婚を考えている恋人の菜月にも、ハッキリとした態度を示せない。
 一方、書店でアルバイトしながら、プロのバイオリニストを目指す
 莉子もまた、理想と現実のギャップに悩み始めていた。
 ある日、偶然知り合った二人は、菜月やチームのヘッドコーチの川崎、
 海外から移籍してきた直輝のライバル、廉や、莉子の友人、麻衣を
 巻き込みながら、それぞれ友情や恋愛をはぐくんでいく。

■感想
 やっぱりドラマは脚本だよねー。さすが大森さん!
 としみじみ思いながら見たこのドラマ。
 大森さん脚本のドラマは8割以上の確率で「大好き」です。
 このドラマも爽やかラブストーリーなのに、恋愛だけでなく、友情も
 将来への不安もしっかりと描かれていて、楽しく見ていました。

 特に、オンナノコ同士の友情の描き方は素敵。
 オンナノコ同士の友情はちょっぴり痛く描かれることも多いけれど、
 (実際に現実世界ではそういう一面もなきにしもあらず、だけれど)
 からっとさっぱりと、お互いを尊敬しあっているふたりが
 かわいらしく描かれていました。最近はさばさば女子が
 どんどん増えていて、こういった友情を育んでいる女子が
 ほとんどだと思うのです。
 そういった意味で親近感の持てた二人。かわいかったなー。

 でもって、相武さん!清純派キャラの彼女がこんなにも嫌な女性の
 役を演じてしまって大丈夫?!と、思わず心配してしまうほどの
 悪役っぷり。「ちっ」という舌打ちとか、タバコを吸いながらの
 深いため息、とか、とにかく今までとはまったく異なる相武さんを
 堪能しました。当初は「裏表のあるひどい女性」だと思っていた彼女も、
 回を重ねるごとに、「単なる悪役」ではなく、
 彼女なりに彼を想っていること、弱さを併せ持っている女性だと
 いうことが伝わってきて、どんどん彼女に共感。
 終盤では、貫地谷さん演じるヒロインの友人と並んで、
 このドラマで大好きな登場人物になっていました。

 ただねー・・・。
 ラストはどうなんだろう。と思うのです。
 ちょっとラストのラストは見てられませんでした。
 大観衆の中、親兄弟も見ている中、何やってるんだよう!!
 と、義弟君と共感しながら語り合ったラスト。
 ・・・うん。恋愛ドラマだもんね。仕方ないよね。
 と思わないでもないものの、恥ずかしさのあまり
 思わずテレビの前でばたばたしてしまいましたわ。 

BOSS

2009年09月26日 10時51分14秒 | テレビ鑑賞
■BOSS
■のりぞう的2009年度春クール1位
■木曜22時フジテレビ放送
■出演
 天海祐希、竹野内豊、戸田恵梨香、溝端淳平
 吉瀬美智子、ケンドーコバヤシ、温水洋一、玉山鉄二

■ストーリ
 多発する凶悪犯罪に対応するために作られた新部署に集められた
 一癖も二癖もあるいわく付きの刑事たち。その「BOSS」に据えられた
 ワケありの米国研修から帰ってきた美人女性キャリア(天海祐希)。
 社会人、組織人としては不適応な警察の落ちこぼれ集団が
 優秀なボスのもとで難解な事件に取り組み、やがてひとつの
 チームとしてまとまっていく。

■感想
 ドラマはやっぱり痛快なものが一番だと思っています。
 どんなに安易だといわれても、ハッピーエンドで、見終わった後に
 「よかったねー。」と笑顔で過ごせるものが一番好きです。
 というわけで、コメディ大好き。ハッピーエンド大好き。
 かっこいい女性大好き。なワタクシがわくわくしながら見たドラマ。

 とにかく天海さんがかっこいい!
 「優秀だから」ではなく、「仕事に潔く取り組む姿が」
 非常にかっこよかったと思うのです。だからといって、
 自分の想いだけで突っ走るわけではなく、常に冷静沈着に
 周囲を、そして部下を見守り、状況を判断できる。
 とにかくすごい人。けれど、「かっこいい」だけではなく
 どこかお茶目で、周囲を和ませるキャラクター。
 大好きでした。

 彼女を取り巻く個性的な面々も魅力的。
 割と登場人物が多いのに、誰一人として埋もれてなく
 それぞれが楽しそうに癖ある人物を演じていました。
 とはいえ、もっとも楽しそうに演じていた人をひとり
 選べ、と言われたら、何の躊躇もなく、竹ノ内さんを選びます。
 自分大好きでちゃらんぽらん、もてている(らしい)のに
 どこかうさんくさくて、いい奴なんだか、本当にちゃらんぽらん
 なんだかはっきりしないオトコ。
 彼と天海さん演じる大澤を見ていると、
 「男女間の友情ってあるのかも。」と思えました。
 声高に友情を伝え合わないし、お互いにお互いの足をひっぱったり
 秘密を暴露したりしているけれど、根底に流れているのは
 お互いへの信頼。そういうのって素敵だな。
   
 オープニングのカクテルドレスを着た主要メンバーが
 楽しそうに乾杯しあっている姿も好きだったなー。

重みがほしい。

2009年09月24日 23時14分04秒 | 日常生活
総務部からの異動でもっとも寂しくなったのはおやつタイムでした。
総務部在籍時は、週に1、2回は
お客様からのお土産がおすそわけとして配布されていたため、
おやつタイムがとっても充実していたのです。

しかし、さすが5連休明け。
大分から異動してきたばかりの同僚から
「先週はご迷惑をおかけしました。
 5連休に大分に帰ったんで、お詫びも兼ねて買って来たんですよ。
 みんなに配ってください。」
というお願いと共に渡されたのは、
あんこぎっしりの食べ応えがありそうな最中でした。
その重さを確認するだけで、幸せな気分になれる最中です。

しかし、現在のプロジェクトメンバは9名。
最中は12個。残る3つは・・・・どうしよう・・・。
と、一瞬、姑息なことも考えましたが
「先週はご迷惑をおかけしました。」
という挨拶と共に渡されたので、先週の「ご迷惑」と
関係ありそうな隣の部署の先輩方におすそ分けすることにしました。

実は先週木曜日の飲み会の翌日
同僚はちょっぴり体調を崩してしまい、
お休みをとって、そのまま5連休に入ってしまわれたのです。
「先週のご迷惑」は、おそらくそのことを指していると思われます。
体調不良なんて仕方がない出来事なので
そんなに律儀に気にされなくていいのに。
と思ってしまう人間関係構築すら大雑把なワタクシとは異なり
先輩はとにかく、人への接し方も、ちょっとした挨拶も
何から何まで、とても丁寧な方なのです。
この気配り、この気遣い、
ワタクシも見習わなければ・・・。
と想いつつ、最中を持って、先週、飲み会を共同開催した
隣の部署へお出かけしました。

たった今、気遣いについて思いを馳せたばかりのワタクシ。
さすがに同僚からの「先週のご迷惑のお詫びに。」
という言葉を伝え、先週、同僚が休んだことを隣の部署の方々にまで
伝えてまわるのは憚られたため、同僚からの「大分帰省のお土産」
として、最中を渡します。
「おいしくて有名らしいですよー。」
と、にこにこしながら、まずは部長に渡したところ、
「ごめん。俺も大分に帰ったんやけど。俺はお土産、ない・・・。」
と罰が悪そうな表情になって、謝られました。

・・・そうでした。
こちらの部署の部長は、先月、大分から異動してきたばかりの方でした。
大分土産をわざわざ渡すことすら、おこがましい、というか
むしろ、いやみっぽいというか、当てこすりっぽいっつーに。

「・・・えっと。催促じゃありませんからね?
 いやみでもないですからね?
 部長は大分土産ないんですか?とかまったく思ってませんからね!」

言えば言うほど、嘘くさくなるおのれの言葉が恨めしい。
部長の席の前に座っていた先輩が感心したようにおっしゃいました。

「すごいよな。
 そこまで本音が言えるのは、むしろ才能やな。」

いや!だから!!
本当の本当に催促なんてしてませんから。
と冷や汗をかきながら、自分の席に戻ってきたワタクシ。
最中をくださった先輩に
「先輩のおかげで、部長に変ないやみを言ったみたいな
 空気になっちゃいましたよー。びっくりですよー。」
と、思わずいちゃもんをつけてしまいました。

・・・思いを馳せていた気遣いとやらは、今いずこ?
気遣いなんて、一朝一夕では身につきません。

五右衛門ロック

2009年09月23日 23時09分43秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■劇団新感線2008年夏公演「五右衛門ロック」
■脚本:中島かずき
■演出:いのうえひでのり
■キャスト
 古田新太、松雪泰子、江口洋介、川平慈英、橋本じゅん、濱田マリ
 北大路欣也、粟根まこと、森山未来、高田聖子

■ストーリ
 豊臣秀吉の時代、稀代の大泥棒・石川五右衛門(古田新太)は
 役人・岩倉左門字(江口洋介)らの手でお縄となり、釜茹の刑に
 処されるが、謎の美女、真砂のお竜(松雪泰子)に助けられる。
 そこに現れたのは、南蛮人ペドロ・モッカ(川平慈英)たち。
 彼らに乗せられた五右衛門一味は、南の果てのタタラ島に眠る
 神秘の石「月生石」を求めて船出する。
 しかし彼らを追う左門字もろとも猛烈な暴風雨が襲い、南の島に
 流れ着いた彼らを待ち受けていたのは、タタラ島国王、
 クガイ(北大路欣也)だった。
 月生石を狙う五右衛門一味、五右衛門を追いかける左門字、
 月生石と島を守ろうとするクガイ、グガイを倒そうとする元手下の
 ボノー将軍(橋本じゅん)とその妻(濱田マリ)、母親を殺した
 父親を憎み続け、復讐を誓うクガイの息子カルマ(森山未來)、
 そして、すべてを裏で操る死の商人、ペドロ。
 様々な人々が入り乱れ、タタラの最後の戦いが始まる。
 果たして、五右衛門の運命やいかに!

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 約1年ぶりの新感の舞台。
 3時間半という上映時間に恐れをなし、危うく諦めるところだったが
 いざ見てみると、まったく長さを感じさせない舞台だった。
 開始と同時に舞台に引き込まれ、そのまま舞台上の登場人物と
 共に過ごすことができた3時間半だった。

 新感線の公演の中でも特に音楽にこだわったというこの舞台。
 生バンドが舞台の上で演奏し続け、その音楽に合わせて役者が
 歌い上げるミュージカルスタイルだ。しかし、流れる音楽は
 すべてロック。迫力満点のロックに乗せ、歌あり踊りあり、
 おちゃらけあり、笑いも涙も勿論、あり、のスペシャルな舞台。
 「夏公演」ならではの「お祭り気分」あふれる
 贅沢なエンターテイメントだった。
 その壮大な舞台に鳥肌が立ちっぱなしの3時間半。

 特に主役を演じる古田新さんのかっこよさが際立つ。
 舞台を見るたびに、そのかっこよさと色気、身のこなしの美しさに
 くらくらする。普段、テレビで見る彼と舞台上の彼はまったくの
 別人ではないかと思うほど、舞台で映える役者さんだと思う。
 そして、様式美を追求した「いのうえ歌舞伎」の身のこなしが
 最も似合う役者さんだと思う。

 勿論、ゲスト陣、そして新感線の看板役者さんたちも
 彼に負けない熱演を繰り広げている。
 狭い舞台の中を縦横無尽に駆け抜け、暴れまわる。
 特に濱田さん、高田さんの歌唱力、森山さんの声の力強さ、
 川平さんの1秒たりともじっとしない身のこなしと
 そのバイタリティは圧巻。ミュージカルの似合う役者さん、
 というのは確かにいるのだと思った。
 そして、橋本さんのキュートな小悪党ぶりときたら!
 彼ほど小悪党が似合う役者さんはいないんじゃないかな。
 憎めない「ちっちゃい」オトコをくどくキュートに演じていた。

 この迫力を一度、生でも見てみたい。そう思わせてくれた舞台。
 来年のゲキ×シネも楽しみだ。

異議あり!

2009年09月23日 11時48分03秒 | 日常生活
鹿児島ではとんこつラーメン、黒豚肉まん、
黒豚とんかつ、黒豚豚骨煮込み・・・。
とにかく黒豚三昧の三日間でした。
豚、おいしー!幸せー!!と、ほくほくしっ放しの三日間。

特に二日目の黒豚とんかつは、
鹿児島で働いていた友人の先輩からお勧めされ、
鹿児島在住の友人も「あそこ、おいしいよね。」
と共感してくれたお店で、期待通りの美味しさでした。
山奥まで来た甲斐があったなぁ、と幸せ気分でとんかつを食べ
そこで鹿児島在住の友人とちびっこちゃんたち2名と
お別れをすることになりました。

本当にこんな大変な時期のちびっこちゃん2名をつれて
よくワタクシたちに付き合ってくれたよなぁ、と心から感謝しながら
別れを述べていると、友人が
「でも、明日の朝ごはんとかは?
 調達して帰るんでしょ?」
と心配してくれました。

確かに!
朝食を調達してから帰らないと。
なんせ、ペンション近くには、お店がまったくないのです。
ペンション近くどころか、霧島神宮近くに
朝食を調達できるようなお店がまったく見当たりません。

大慌てで、夕食をとったお店に
近くにコンビニがないかを尋ねます。

「お店を出て、左に行くと、ローソンがありますよ。」
という申し出にほっとしつつ、
歩いていけるか確認したところ
「無理です。無理です。
 車がないと、難しいです。」
という連れない答え。

そうですかー。車がないと無理ですかー。
しょぼんとしていると、
「でも、右側に行くと、下村商店というお店がありますよ。
 コンビニに比べると、小さいですけど、
 パンとかお菓子だったらありますよ。
 それに、そこだったら十分歩いていけます。」
と、天の助け!とバンザイしたくなるような回答がもらえました。

ありがとうございます!
お店を出てから右ですね!

とお礼を言い、友人たちに伝えます。
鹿児島在住の友人は、やや不安そうに
「大丈夫?本当にいける?」と心配してくれましたが
お店を出て右に行くだけだとお店の人もおっしゃっていたし
歩いて行けると太鼓判押してくれたし、大丈夫!
ちびっこちゃんたちも一日遊んでぐったりしているはずだから
早く家に帰ってあげて!今日は本当にありがとう♪
とお礼を言って、そこでお別れをしました。

朝食目指して、意気揚々と右に出発したワタクシタチ。
なにせ、計画的に行動することを学び始めたので
タクシー会社に前もって電話し、
30分後に5名乗れる中型タクシーを
下村商店前に迎えに来ていただくようお願いしました。
ふふふん。これで、もうばっちり。
宿でのお風呂でのんびりタイムまであとわずかです。

計画的に行動しているせいか、気持ちに余裕があるワタクシタチ。
緑も深い山奥の車道を5名が縦に並んで歩きながら
道沿いにあるお店の「峠の茶屋」という店名に
「本当に「峠の茶屋」という言葉がぴったりだよね。
 こういうところを峠って言うんだよね。」
と納得しながら、山道を楽しみます。
こういうところに来ると、つくづく実感する己の都会育ち。
ワタクシたちにとっては、「峠」や「深い山」すら非日常で
その珍しさに感じ入ってしまうアイテムなのです。

しかし。
だんだんと峠や深い山に感じ入っている場合では
ないような気がしてきました。
刻一刻と暗くなってくる山道に不安が濃くなってきます。
カーブを曲がるたびに、お店の明かりを期待しますが
そのたびに、ワタクシたちの前に広がる真っ暗な山道。
「もしかして、あそこかも!」
と期待できるようなところもまったく見当たりません。
光というものが微塵たりとも見えないのです。
期待のしようがないっつーに。

次のカーブを曲がり。
その次のカーブを曲がり。
その次の次のカーブを曲がっても
光に遭遇できない山道の中を縦に並んでとぼとぼと歩くアラサー女子5名。
「ローソンは歩いて行けないけど、
 下村商店だったら、歩いて行けますよ!」
という店員さんの言葉をただただ信じて前進しますが
曲がっても曲がっても広がる暗闇。

・・・・歩いていける?本当に?
もう結構、歩きましたよ??
どこにも光というものがありませんよ?

すぐそばを車がひっきりなしに通り抜けますが
その車の光がなければ、前を歩いている友人の姿さえ
見失いそうな暗闇ですよ?
お店?何それ?と言いたくなるような場所ですよ?

ようやく。
ようやく山道に終わりが見え、ふもとが見えてきました。

が。
見晴らしの良い道を見る限り、お店らしきものは近くに見えず
見えるのは信号の光ばかり。
お店らしき光が見えるのは、はるか遠くのあたりです。
見晴らしの良い絶望的な景色に気持ちをくじかれ
タクシー会社に改めて電話をしなおしました。

「あのう。先ほど、下村商店前に19時に
 タクシーをお願いしたものですが。
 今、下村商店を目指しているんですが、
 どこにも見当たらないんですよ。
 ・・・どうしましょうか。」


・・・え?相談?
タクシー会社の人も困ると思うよ?

しかし、さすが地元タクシー会社。
てきぱきと的確な回答を戻してくださっている模様。

「・・・はい。はい。下村商店です。
 え?!ない?下村商店がない??
 え?じゃあ、私たち、どうすれば??」

うわぁ。なんだか衝撃的な展開っぽい。
下村商店が見当たらない?
なぜ?理由はよく分からないものの、
下村商店らしきものは近くにまったく見当たらないと言われ
とにかくそこで待ってるよう指示を受けました。

はい。待ちます。待ちますとも。
だって、待つ以外、できることがありませんもの。
もう、この暗闇の中、あの山道を戻っていくこともできません。
おとなしく待っています。

タクシー会社の方との電話を切った途端、友人がぽつりと呟きました。
「なんで・・・。
 なんで、私たち、一瞬一瞬を真面目に生きているのに
 なんでこう、どたばたした人生を歩むことになるのかな。
 もっとこうスマートな旅ができてもいい年代なのに。」

そのぽつりとした呟きに走馬灯のように蘇る
今までの旅の数々。
ワタクシタチ、何回、こうやって山道で迷子になったことか。
何度、暗闇の中をお店求めてさまよったことか。
何度、途方に暮れ、何人の人に助けられたことか。

ていうか、毎回じゃない?!
旅に出るたび、毎回のように同じシチュエーションに遭遇していない?!

その証拠に。ほら。
5名のうち、誰一人として、動揺していません。
なんとなく漂っていた「もしかして。」という空気が
「やっぱりね。」という空気に変わっています。
あまりに予想通り過ぎて、
なんだか懐かしい展開に遭遇したようなデジャブ感すら漂っています。

20分後。
タクシーの運転手さんに拾われたワタクシタチ。
「どこか朝食を買えるお店に寄ってから
 ペンションまでお願いします。」
とお願いすると、
「じゃあ、ファミリーマートに寄って行こうかね。」
と快く車を走らせてくれました。

わーい!さすがタクシー!
なつかしのコンビニに久々の遭遇です。

3分後。
タクシーの運転手さんが
「さあ、どうぞ。」
とワタクシタチを降ろしてくださったのは、
「下村商店」の前でした。

世の中、面白いことが満ち溢れています。

到着してません。

2009年09月23日 00時19分51秒 | 日常生活
鹿児島旅行二日目は、今回のメインイベントだった
鹿児島在住の友人と友人のちびっこちゃんふたりに出会う旅でした。
ちびっこちゃん1号はいたずら盛り、
ちびっこちゃん2号はお母さんにべったり盛り。
ふたりを連れて回るだけでも大変な状況なのに
快く外出してきてくれた友人に感謝しつつ、
久々の再会を喜び合いました。

二日目は
1.霧島神宮に行き、会社の先輩からいただいたお守りをお返しする
2.カフェランチでのんびりする
3.立ち寄り湯でちびっことはしゃぎながら、まったりする
4.黒豚の館で黒豚を食す
としっかり予定を立て、計画的に移動します。

ふふん。
ワタクシたちだって、いざというときは
ちゃんと計画的に行動できるのです。
どんなもんだいっ。

と、鼻息荒く二日目の行動開始。
さすがシルバーウィークです。
どこもかしこも本当に人が多く、霧島神宮でさえ、まさかの行列!
大晦日並みの行列に驚きながら参拝をしました。
ワタクシも雰囲気を楽しむため、行列にならび、友人から
「それって、限りなく神様と認めている行動だよね。」
と呆れられながら、正面でお辞儀。

・・・ね。なんとなくね。
三つ子の魂っておそろしいね。
ワタクシの根っこの部分には
祖母や両親からの教えがしっかりと植えつけられていて
こういうのを素通りすることはできないのです。
お寺や神社、お地蔵様も大好きだし。
ま、いいのです。
信仰も人それぞれ。いろんな形があるはず。

参拝を済ませて、さあカフェランチに出発!
鹿児島在住の友人一家と落ち合い、
大人6名、ちびっこ2名の大所帯となったため
友人の車にひとり乗せてもらい、残りの4名はタクシーへ。
友人から教えてもらった「器カフェ」へ出発です。

場所がわかるかしら?と心配していたものの
さすが地元のタクシー運転手さん。
「霧島田町2390にある、器カフェへお願いします。」
とお伝えしただけで、
「はいはーい、」
とスムーズに出発してくださいました。

5分ほどタクシーに乗っていると、
もう1台の車に乗った友人から電話。
「ごめんね。1メーターぐらいで到着する近さやったけん
 もうすぐ着くと思う。歩いて行けるぐらいの距離やったけん
 タクシーに乗らんでもよかったよね。申し訳なかったねぇ。
 とにかく左手側を見よったら、見えるけん。」

へえ。そんなに近いんだ。
じゃあ、もうすぐ到着かな。

5分後。
・・・・1メーター?
もうとっくの昔に1メーター区域を越えてしまったけど、大丈夫かな?
どうも通り過ぎたんじゃないかな。
もしくは道間違えてるんじゃないかな。
でも、運転手さんは、まったく不安そうじゃないし。
まだまだ自信たっぷりの運転だし。
みじんたりとも、疑問を抱いてなさそうだし。

・・・でも、1メーター区域じゃないよね。
あ!また、メーターがあがった!!

と、思った瞬間、車が止まり、運転手さんからの衝撃の報告。
「あれ?オルゴールの森に着いたねぇ。
 行くのはどこやったっけ?」




・・・えーーーーーーーーーーーーっ!!!
途中、まったく質問することもなく
自信満々で車走らせてましたよね?

「おいちゃん、オルゴールの森と勘違いしとったわ。
 ここも霧島田町やけん。」

いやいやいやいや!
ここも霧島田町かもしれませんが、
明らかに「器カフェ」ではありませんよね?
まさか「道」どころか「行き先」を間違えていたなんて
「もしかして・・・」と不安に思っていた範疇を
軽々と越えていて、怒るよりも笑いが出てしまいました。
友人たちも同じ気持ちだったらしく
一同が思わず笑ってしまった、ちょうどそのとき。
ワタクシたちへ、既に器カフェに到着している友人たちから
再度、電話がかかってきました。

「もしもし?
 うん。うん。今、到着したよ。」
と、報告する友人A。

・・・到着してないよね?
確実に到着できてないよね?
ここは明らかに器カフェじゃないよね?

思わず突っ込みを入れるワタクシたちを横目に
マイペースを崩さない友人Aは、のんびりと状況報告を続けます。

「うん、うん。到着したと。
 ただね、到着したのが器カフェじゃないと。
 えっと。オルゴールの森についたけん。」

・・・ワタクシたちが行き先を伝え間違えたわけじゃありませんからねー!
そこんところも、きちんとアピールしといてー!

ワタクシたちの旅って、なぜこうもハプニングと縁が深いのやら。
と、来し方を振り返った二日目の正午。

「器カフェ」は霧島神宮から徒歩5分でした。
タクシー運転手さんも万能というわけではありません。
車が迷うことなく走り出したとしても
ゆめゆめ「無事に到着する」と、期待するべからず。
実際に到着するまでは気を抜いてはならないのです。

到着できた

2009年09月21日 07時52分24秒 | 日常生活
鹿児島へやって来ました。
前日まですったもんだありましたが、
無事に無事に鹿児島到着。
ペンション最寄り駅からはタクシーを利用して移動しました。

「はい、着きましたよー。」
という運転手さんの言葉を聞いて、友人が
「本当についたー!」
と心底ほっとしながら脱力。
運転手さんから
「そりゃ、着きますよ!」
と不思議そうな顔をされました。

「そうですよね。タクシーですもん。
 ペンションまで連れてってくれますよね。
 でも、私たちの運命的に、すんなりとは到着できない気がしてたんです。」
とは友人の弁。

ね。なんでだろうね。
ワタクシたち、何が起こっても驚かない心の準備を
しっかりしていたよね。

何はともあれ、温泉満喫。
西郷さんにも会えたし、
向田さんにも会えました。
大満足。

勿論、鹿児島ラーメンも食べました。
本当に有名なお店だったらしく、
連休中ということもあって、まさかの2時間待ち。
よく博多で観光客がラーメン屋さんに行列を作っているのを見掛けては
並ぶ気持ちがさっぱりわからん!と思っていましたが、
今回、なんとなく分かりました。
あれは積極的に並んでいるわけではなくて
諦めるふんぎりがつかないだけです!(きっぱり)


・・・少なくとも、ワタクシたちは。
諦める目安がさっぱり分からなかったのです。
「せっかくここまで並んだんだし。」
という貧乏性根性も発揮。
苦労して並んで食べたラーメンは極上のおいしさでした。
空腹は最高のスパイスという言葉を思い出しながら、
久々にラーメンを完食し、観光気分を満喫したのでした。

二日目も無事に楽しめますように。
面白いこと、たくさんありますように。

研修成果

2009年09月20日 00時03分26秒 | 日常生活
本日は2006年度入社の後輩(男性)と、
2007年度入社の後輩(女性)の結婚式でした。
どちらも入社前から知っているだけに、感慨深いものがあります。
新人研修担当を離れたため、今後はこういったイベントとも
疎遠になっていくのかと思うと、それもまた感慨深い。
二重の意味で感慨深いものとなった結婚式でした。

どちらも知っているだけに、
どちら側の招待客として招かれているのか分からず
受付でもたもたしてしまったワタクシ。
そんなワタクシを男性側の後輩くんたちが当然のように
「のりぞうさん!遅いですよ!こっちですよ!」
と呼び寄せてくださいました。

・・・あ。そちら側ですか。
濃いなあ・・・。この面子。
と、ちょっぴり恐れをなすワタクシ。
しかし、女性の後輩ちゃんの同期たちが織り成す
あの華やかなドレス側ではなく
男性の後輩君の同期たちで構成される
このダークな色合いのスーツ側のほうで
しっくりと落ち着いてしまう自分も間違いなくいるわけで。
そんな自分にがっかりしつつ、結婚式場へ足を運びました。

結婚式後の恒例、ブーケトス。
後輩の結婚式だけに、端のあたりでひっそりと過ごしていたワタクシを
大声で呼びつける後輩君たち。

「のりぞうさん!ブーケトスですってば!!」
「ほら!とらんと!!必死になって、とらんと!!」

うるさいっ!ワタクシのことは放っておけいっ!!

と言い放つワタクシの前で、気を使ってそっと道をあける課長と
「のりぞうさん。真ん中どうぞ。」
「風向き的に、真ん中より左側ですよ。」
と真剣に気を使う女性の後輩ちゃんたち。

・・・・えっと。
真剣に気を使われると、それはそれで
恐縮するというか、物悲しい気分に襲われるというか・・・。
もうちょっと、がんがん突っ込んでもらっていいですから。

後輩たちの気遣いを受けながら、いよいよブーケトス!
後輩ちゃんたちの読みどおりの風向きで、
ブーケは本日の主役と最も仲の良い同期の手元に
すっぽり収まりました。よかった、よかった。
おさまるべきところにおさまった感じが素敵です。
やっぱり、こういうのって、
ちゃんと行くべきところに行くんですよ。
結婚式ってそういう日なんですよ。

と今までの自分を振り返っていると
ブーケを見事にゲットできた後輩ちゃんがやって来て
申し訳なさそうに謝られました。

「のりぞうさん。ごめんなさい。
 空気読めなくてゴメンナサイ。」

・・・こんなところで空気読まなくていいんだよ?
何も考えずに思う存分、同期の結婚式を楽しんでいいんだよ?



結婚式終盤。
主役ふたりからウェディングケーキが配られました。
「幸せのおすそわけとして、新郎新婦から皆様に
 ウェディングケーキをお配りいたします。」
という司会者の言葉を聴いた途端、
ワタクシを見つめ、早く取りに行くよう促す後輩君たち。

「幸せのおすそわけですよ!早く行かないと!」
「遠慮している場合じゃないですよ!」
「なんか、『おすそわけ』とか『次』とか言われるたびに
 反応してしまうんすよ。のりぞうさんを急かさなきゃ
 いけないような気持ちになるんですよ。」

・・・優しい後輩たちを持って、ワタクシは本当に幸せ者です。

「・・・俺の分のケーキもあげましょうか?おすそ分け。」

いやいや。
ケーキより、むしろ幸せのほうのおすそ分けが欲しいですから。

と後輩たちの言葉にかるーい気持ちでノったところ
後輩が真顔になって言いました。

「ちょっと!いきなり本音をもらさないでくださいよ!
 酔いがさめるじゃないですか!びっくりするわ。」

・・・だから、かるーい気持ちで
君たちのノリに付き合っただけだってば。
ワタクシの言葉を真剣に受け止めてくれる後輩たちばかりで
本当にワタクシは幸せ者です。

・・・幸せですってば!