のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

北九州のディテール展/北九州文学館

2014年05月12日 23時11分37秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■北九州のディテール展
■北九州文学館

ずっと行きたいと思っていた「北九州のディテール展」。
図書館の本を返却したついでにようやっと見に行くことができました。

すばらしかった!
実は知る人ぞ知る(私は知りませんでした)全国でも珍しい名建築の集積地、北九州。
明治から現代まで100年以上にわたって、著名な建築家たちがこの地をおとずれ、
それぞれの才能を投入してくれているんだそうです。(パンフレットからの受け売り。)
全国の建築家の卵たちが見学に来ることも多いという数々の建造物のこだわりどころが
モノクロの写真で紹介されています。

本当に「ディテール」に的を絞った写真なので、よく知っている建造物にも関わらず
「こんなところ、あったかしら?」
「これ、いったい、あの建物のどの部分なんだろう?」
と戸惑うこともしばしば。
その疑問はすぐ隣で流されているスライドショーによって氷解します。
「あの建物にはこんなこだわりがあったのかー。」
「あの建物のあんなところにこんなかわいらしいポイントが!」
と驚いたり、嬉しくなったり、誇らしくなったりする写真展でした。
モノクロ写真だからこそ、シンプルにその建造物の美しさを堪能できました。

普段、気にも留めたことのなかったような箇所に改めて目を留めて
世の中には知らないから見逃していることがたくさんあるんだな、
ということに改めて思いを馳せた展覧会でした。
知ることで世の中の風景はどんどん興味深くなるし、面白くなる。
「新たに知ったこと」「知ったから見えるようになった風景」が人生をますます豊かにしてくれる。
そう思えた展覧会でした。

五右衛門ロックⅢ/劇団新感線

2014年03月30日 23時21分42秒 | 舞台(キャラメルボックス)
□五右衛門ロックⅢ/劇団新感線
□ストーリ
太閤秀吉、栄華の時代。
天下無敵の大泥棒、石川五右衛門(古田新太)は、女盗賊の猫の目お銀(蒼井優)とつるみ、空海ゆかりの「黄金目玉像」という仏像を盗み出そうとするが、若き探偵「明智心九郎(しんくろう)(三浦春馬)に追いつめられてしまう。その仏像にはなんと空海が隠した黄金のありかを示す暗号が隠されているらしい。
その黄金のありかをめぐって、五右衛門の周りには曲者たちが大集合してくる。さあ、どうなる?!五右衛門!

□キャスト
古田新太、三浦春馬、蒼井 優、浦井健治、高橋由美子、橋本じゅん、粟根まこと、高田聖子、村井國夫、麿 赤兒

□感想 ☆☆☆☆☆
久々の新感線!久々の舞台!(を映画で見たわけですが。)に大興奮の3時間でした。
3時間と長丁場だったのに、あっという間に終わってしまいました。とにかく面白かった!
途中、彼らの活躍があまりに面白くて、あまりにかっこよくて、アドレナリンが放出され過ぎ、まったく笑う場面でもなんでもないのに、ひたすら笑顔で見守ってしまいました。それぐらいどの登場人物も「大好き!」という親近感が湧いてくる魅力的な人たちでした。

第三作目の五右衛門ロック。
残念ながら第二作目は、見逃してしまっているのですが、第三作目を見る限り、この作品、回を重ねるごとにお祭り騒ぎがパワーアップしてきてるんだろうな、という印象でした。初めて「五右衛門ロック」を見たとき、「井上歌舞伎」の様式美とかっこよさ、そして迫力あふれるステージ展開と音楽に身震いしたものですが、それらがどれもますます進化している感じ。歌もダンスも笑いもシリアスもどれもこれもお腹いっぱい楽しみました。幸せ!!

なんといっても主役の古田さん。
彼の身のこなしのかっこよさ、滑舌の良さとその迫力、あふれる色気は舞台ならでは。こんなにかっこいい人なんですよー!と誰彼かまわず自慢したくなります。第一作目と比べると、セリフなどは本人がいうところの「若者に見せ場を譲るのが大人の役目なの」ということで、若干、少なめでしたが、それでも押さえるところは押さえて、一番、かっこいいところを持って行く感じはさすがでした。第二幕のクライマックスで、スモークがんがんたいてかっこよく登場する場面は鳥肌立ちました。かっこいいにも程がある。
いっちばん好きだったのは、盟友、前田慶次郎を演じた橋本じゅんちゃんとお馬鹿でキュートなシャルル王子を演じた浦井さん、とぼけた演技で実は一番の黒幕だったんじゃ?と思わせられる春来尼を演じた高橋由美子さん、この4人が初めて遭遇した時のミュージカル場面。芸達者さんが4名そろってパワフルに歌い上げる場面は圧巻でした。また振付がセクシーだった!
何より!あの橋本じゅんちゃんと「盟友」で、仲良くつるんでないのに仲の良さがひしひしと伝わってくるところとか、お互いの生き方、生きざまを分かり合って、認め合っているところとか、そういう二人の関係にきゅんきゅんとしてしまいました。よかったなー。二人の友情。
あとは、お馬鹿でキュートなシャルル王子のあしらい方がなんというか実に的確で、ときめきました。素敵すぎる。

何を演じても自分色に役柄を染めてしまう橋本じゅんちゃんは今回、実にまっとうに素敵で裏のないまっすぐかっこいいじゅんちゃんでした。「所詮は傾奇者よ。」と偽悪ぶりながらも、まっとうに「国の未来」を案じ、秀吉に従うしかない家来や町民たち、「下の者たちのいのち」を大切にしている。そんな素敵な殿方をかっこよく演じていました。
彼に関しては、幼馴染のような存在の「石川五右衛門」との関係に最もときめきながら見ていましたが、豊臣秀吉の家臣としての盟友、石田光成との友情もときめきポイントでした。真面目な堅物、石田光成と傾奇者の前田慶次郎。一見、正反対なのに民を思う心、殿に従いゆく様は同じで、そのことをお互いに分かり合っているし、信頼もしている。その関係性が素敵だったなー。また、その堅物石田光成を演じていた粟根さんが「コメディ」部分は一切排していて、素敵にかっこよかったのです。家臣として「最後まで」秀吉に付き合う、と言い切る姿は、彼のその後を考えると、胸が痛くなる宣言でした。

後は、今回のゲスト、春馬さん、蒼井優ちゃん、浦井健治君!どの子もめちゃんこかわいかった!
特にシャルル王子を演じた浦井君はお馬鹿っぷりが果てしなくて、とてつもなくキュートでした。もーね、楽しんで演じてるなー、楽しいんだろうなぁ、と思いながらほほえましく見守っていましたが、終演後の舞台挨拶でも天然さんぶりとぽんこつぶりをあますところなく発揮していて、「お馬鹿でキュートなところは、演じてたわけじゃなかったんだ!素だったんだ!!」と微笑ましさに拍車がかかりました。かわいいにも程がある!「新感線さんの舞台が大好きなんで、演じていて楽しくて仕方がなかった」とも言っていましたが、本当に「楽しく演じている」様子がひしひしと伝わってきました。
春馬さんは安定のかっこよさ。今回、一番セリフが多く、激しいダンスシーンが多く、殺陣での見せ場も多く、と活躍続きの大変そうな役柄でしたが、それをどれもこれも颯爽と演じていて、プロだなぁ、と感嘆させられました。魅せられました。今まであまり彼の「かっこよさ」に注目したことがなかったのですが、初めて「たたずまいも身のこなしもかっこいい人だったんだなぁ」と認識しました。その上、歌もうまいなんて、天は二物も三物も与えすぎちゃってますよ!と心配になるレベル。ずるいなぁ。
でもって!!なんといっても蒼井優ちゃん!かわいいのにかっこよい。くるくるくるくるキュートに表情が変わって、小悪魔みたいに私たちをキュートなダンスで翻弄したかと思うと、すごく素直に春馬君演じる明智さんへの恋心を表情に醸し出して切ない気持ちを味あわせてくれて、かと思えば蓮っ葉な声で「どうせ泥棒稼業をしていた身。まっとうに死ねるなんて思っちゃいなかった!」なんて迫力満点に言い切ってみせたり。いろんな表情、声色、歌声を使い分けていて、その魅力を改めて認識しなおしました。舞台上での存在感がとてつもなかったです。でも、その中で最も心に残ったのは、弱っている春馬君に「素直に生きるのが一番。笑い時は笑って。怒りたいときは怒って。泣きたいときは泣いて。きっとそんな人に神様は味方してくれる。私も一緒に笑うよ。泣きたかったら肩を貸すよ。」と歌いかける場面でした。今までの蓮っ葉な盗賊仕様の声がウソのように素直なかわいらしい声で歌い上げる蒼井優さんはとてつもなくかわいらしい、女の子らしい女の子で、役者さんってすごいなぁ、と心底感嘆しました。

語り出したら止まらないぐらいどの登場人物も魅力的。悪人も悪人らしくかっこよく、実に魅力的でした。
けれど、別格の存在感を醸し出していたのは、秀吉だったかな。彼が最後の最後に見せた底知れない虚無感、孤独は、この舞台を「単なるコメディ」ではないものにしてくれていた気がします。

とにかく面白かった!また見たいなぁ。
九州ではなかなか舞台作品を見る機会がないので、ぜひもっともっといろんな作品を企画してほしいです。

Walkin Live(東京スカパラダイスオーケストラ)

2012年05月10日 00時26分45秒 | 舞台(キャラメルボックス)
まったくもって予習なしで行ってきました。スカパラさんライブ。
前日、風邪ひいて熱出して、翌日も風邪ひいて熱出してましたが
この日は絶好調に元気でした。元気をもらってました。
最初から最後まで大はしゃぎ。予習してなくったって盛り上がれちゃう。
音楽を丸ごと楽しめちゃう。それがスカパラさんです。

自分用のメモとして。
セットリストを上げてくださっている方のメモのこぴぺです。
とりあえず、2曲目のルパンから3曲目のスキャラバンの流れで
テンションが一気にぐわっと上がりました。

■5月3日セットリスト @ZeppFukuoka
1.Return of Supercharger
2.ルパン三世’78
3.スキャラバン
4.Walkin’
5.Hungry Beast
6.STORM RIDER
7.めくれたオレンジ
8.cool spy on a hot car
9.HURRY UP!!
10.SKA ME CRAZY
11.Raise it all
12.Lonesome Eddy
13.燃えよドラゴン
14.Brazil
15.River Flow
16.White Light
17.All Good Ska is One

----- アンコール ---------
18.Pride Of Lions
19.DOWN BEAT STOMP


ライブ開始直後に谷中さんがご挨拶。
「ライブに来ないやつには絶対に分からないことがある。
 音楽は耳だけで聴くもんじゃないんだ。
 身体で聴くものなんだ。身体で感じるものなんだ。」

心にしみました。
確かにライブで聴く曲とCDで聴く曲は、同じ曲でも似て非なるもので
ライブで聴いたから好きになった曲もたくさんある。
もっと言うならば、ライブに参加して、あの空気に触れたから
好きになったアーティストさんもいるのです。
スカパラさんも元々好きだったけど、ここまで好きになったのは
ライブに参加するようになったからこそ。
あの会場全体で、ステージ上の彼らも私たち観客も一体となって音楽を楽しむ。
あの空気感が大好きです。


・欣ちゃんのMCでは安心安定のショッパーズネタでした。
 「僕の愛するあの天神北にあるショッパーズ。あれ、どうした?
  今、工事中でしょ?」めっちゃ心配してくれてます。

・「福岡の子はみんな元気。昨日、雨が降ったでしょ?あの雨の中を全然
  顔を下に向けずに傘を高く掲げてさして
  『今日は傘まで含めて考えられたコーディネートなんで、そこんとこ
   よろしく』みたいな感じがびしびし伝わってきたよ。」
 はじめさんがこらえきれずに顔下に向けて笑ってました。面白すぎる感性。

・途中、1曲だけめんたいこみたいなサンドバッグがステージ真ん中に出現。
 演奏しながらサンドバッグを殴ったり蹴ったりじゃれたりむれたりするみんな。
 じゃれ方がそれぞれで、でもみんなリズムに合っていて、見ててこちらまで
 楽しくなっちゃいました!

・GAMOさんの髪型は今回もキュートでした。でも、前回のぱっつん前髪のほうが
 もっともっとキュートだった気がする。(って、私の好みか。)声が渋くて
 セクシーでした。あのかすれ声大好き。

・どんたくなのでスペシャルゲスト登場。テムジン餃子のテムジンちゃんです。
 シュール!!もともとシュールな子だけど、ステージ上で見るとよりシュール!
 しかも餃子を持ってきてるし。その餃子を欣ちゃんは食べちゃうし。

・馬の頭を被って登場するNARGO。トランペットで馬の鳴き声を忠実に再現。
 ものすごい完成度。「小学生からトランペットを吹き始めてずっと温めて
 いた僕のネタです。ようやく披露できてうれしい。」虎視眈々と狙っていたようです。

・なーごの光るピアニカは今回も健在でした。でも、いつもほどソロパートが
 なかった気が。その代わりの馬の頭なのかな?

・でもって北原さんが赤いトロンボーンを吹いてました。プラスチックのおもちゃ
 みたいなトロンボーン。吹きにくそうだった。のに、ちゃんと音が出てて
 驚きました。私は初めて見ましたが、どうやらこれも割に定番ネタのようです。
 周りの人は驚いていなかったような・・・。

・ものすごいスモークがもくもくとたかれてメンバ全員の姿が一度、ステージ上
 から消えました。思わず、「早着替え?」とジャニーズのような演出を期待。
 ・・・しましたが、数秒後にごくごく普通にスモークの中から現れました。
 はて?この演出はいったい??スモークの量が計算違いだったのかな?
 加藤さんが無邪気に「このへん、湿気がすごい!」って言ってたけど、それ、
 スモークのせいだと思うのです。

・前日入りでどうやらはじめちゃんと飲みに繰り出していたような川上さん。
 「めっちゃ長かった!めっちゃ飲んだ!」とはじめちゃんから言われていました。
 どうやらお酒も残っていたらしく、「でも3曲目で完全にお酒抜けました!」
 
・開始早々にジャケットを颯爽と脱いだ欣ちゃんとネクタイを緩めてボタンをひとつ
 あけて、と大人の色気を醸し出していたなーごさん、谷中さん。と、頑なにボタンを
 一番上まで止めた状態でプレイするGAMOさん、はじめちゃん。

・沖さんがちっとも動かず、表情にも笑顔がなく。なんで??とずっっっっっっっと
 心配していましたが、どうやらつい数日前に腰を痛めたばかりだった模様。
 「テンションは最高潮なんですけど」とおっさってましたが、見ている限り、
 元気もありませんでした。心配・・・。笑顔でステージ上をぴょこぴょこ走り回る
 沖さんが見たかったな。沖さんが笑顔じゃないとものすごく不安になります。

・いつだって全力でライブに入り込む加藤さん。今回もいっちゃってました。でも、
 たまに無邪気な笑顔も見せてて、そのギャップがかわいらしかった。
 ライブ最後の曲では、完全にいっちゃってて、私の後ろに立ってたお客さんが
 ふつーに「加藤が怒ってる。」「加藤がむっとしてる。」と笑ってました。

・アンコールでは、なーごさんと北原さんがTシャツにお召し替え。北原さんは
 いつもTシャツにお召替えしているけど、なーごさんは珍しい気がします。
 スカパラさんはみんなちゃんと鍛えているっていうのは分かっていたんだけど
 その鍛えた筋肉が普段はスーツの中に納まっているので、Tシャツ姿でがっしり
 とした腕を見せたなーごさんにときめきました。

・そういえば、はじめちゃんがTシャツじゃなかった。物販のお知らせもまったく
 しませんでした。ごくごく普通の挨拶。はじめちゃんの物販のお知らせ、いつも
 楽しみにしてるんだけどな。と、ちょっとさびしくなりました。
 「いつもの」がないとさびしくなるタイプです。

・物販のお知らせをしなかったはじめちゃんは、中州にできた一蘭の巨大ビルに
 ついての話題をふってくれていましたが、なにせ4月28日にオープンした
 ばかりで会場のみんなは話題についていけず、きょとん。かく言う私も
 「へえ。そんなのできたんだ・・・。」派で、というよりは、「ほんとに
 そんなのあるの?ほらふかれてる?」と疑ってました。はじめちゃんもあまりの
 反応のなさに不安になったらしく「あるよね?あるよね?知ってる人いるよね?」
 と観客にヘルプを求めておりました。ごめんよ・・・疑ってしまって。

・アンコールの最後の最後、はじめちゃんが華麗にバク転を決めました。
 めっちゃかっこよかった!

飛ぶ教室(2011年冬公演)

2011年12月03日 11時24分01秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■キャラメルボックス2011年冬公演
■飛ぶ教室(成井豊の世界名作劇場vol.3)
■原作:エーリッヒ・ケストナー
■出演
 多田直人、筒井俊作、小林千恵、井上麻美子、鍛冶本大樹、佐東広之、石川寛美
 石原善暢、小多田直樹、小笠原利弥、笹川亜矢奈、大家仁志(青年座)
■ストーリ
ドイツのキルヒベルクにある、ヨハン・ジギスムント高等中学校。その高等科1年に、仲良し5人組がいた。成績優秀で意志の強いマルチン、ボクサー志望で食いしん坊のマチアス、貴族の子で気の弱いウリー、孤児で物語を書くのが好きなジョーニー、皮肉屋で頭の回転が速いゼバスチアン。5人はなんてことない、でもきらめくような毎日をギムナジウムの仲間たちと楽しむ。

■感想 ☆☆☆*
今年はなんとなく諦めていたキャラメルボックスさん。
昨年末、キャラメルさんのホームページに掲載された「来年の予定」には
どこにも九州公演の兆しが見えなかったし。
昨年の「25周年記念公演」が運よく北九州で見られたのは
すっごくすっごく嬉しかったし、今年もまた来てほしいよー!と
切実に願っていましたが(アンケートにも熱烈に書きましたが。)
でも、あの公演は確実にチケットを売りさばけること間違いなしの鉄板の舞台だったし
何より出演陣がものすごーーーーーーーーーーーく豪華だっただけに
それぞれのファンが間違いなく来てくれる、と予測できるメンバーだっただけに
北九州公演が成り立ったんだろうなー、と諦めていたわけです。

それが!
まさかの!
今年も北九州公演!

出演者を見る限り、若手メンバー中心のフレッシュな舞台になりそうな予感大で
昨年同様、チケット発売日当日に購入いたしました。
そうしたところ、まさかの1番前のまん真ん中!という夢のような席で。
・・・もしかしてチケットの売れ行きが芳しくないのかしら??
といらん心配しつつも、素敵すぎる席にわくわくしながら当日を迎えました。
・・・で、その当日がもう1カ月も前の出来事で。
いやはや時が過ぎるのはなんて早かろうかと呆然。

至近距離で観劇できたキャラメルさんの舞台。
大げさではなく、夢のようなひとときを味わいました。それぐらい大好き。
今回はケストナー原作の舞台とあって、
キャラメルさん特有の熱気ほとばしる真っ直ぐで熱い感じは抑えめ。
ケストナー特有のユーモアとペーソスが垣間見える穏やかで
ぬくもり溢れる時間が流れる素敵な空間が目の前に広がりました。
誰か一人に焦点を絞って時を追う舞台ではなく、
登場人物ひとりひとりに目を配り、彼ら全員が手にする幸せをそっと見守る。
そんな素敵な群像劇でした。

ケストナー作品大好きですが、なぜかこの有名な作品は未読で
そのため、どこからがキャラメルナイズされた部分なのか
どこまでが原作のエピソードなのかがよく分かりませんでしたが
前半はエピソードが散逸されていて、この作品の誰に焦点を当てて
どういうふうに話を追えばいいのかがやや分かり辛かったかな。
若干、全体の雰囲気が散漫な印象を受けました。
でも、徐々に舞台の雰囲気に慣れ、主要人物が見えて来て
彼らのキャラクターが掴めてくると、舞台の主軸を貫いているのが
「友情」と「家族愛」なのだとしっかりと伝わってきて
舞台終盤はひたすらにあたたかいものがこみ上げていました。

少年時代を共に過ごしたかつての少年たちの大人の友情あり。
今、少年時代真っ只中にいて、誇りを忘れることなく友情を貫く少年たちの友情あり。
年代を超えて築かれるオトナと少年の友情あり。
正しく温かく子どもたちを見守る大人たちの姿に
そんな大人たちを尊敬の眼差しでまっすぐ見上げる子どもたち。
そして、いつの時代も変わらない親が子を思う心と子が親を慕う心。
そういったものがあちらこちらに垣間見える
クリスマスシーズンらしいあったかいお話だったな。

でね。なんといっても、今回は多田さん!だと思うのです。
すっごくすっごくイメージ通りの役だった。すんごい好みの役だった!
ただでさえ、顔が好みなのに、役柄も好みなもので
2時間ひたすらに多田さんの姿を追い求めていました。
いつも冷静で自分を見失わず、仲間思いで家族思い。
辛いことや悲しいことをひとりで静かに受け止めて、
一生懸命に自分の中だけで消化しようとする。
そんなマルチンを熱すぎない、力の入り過ぎていない(褒めてます。全力で。)
演技ですごくナチュラルに演じていました。
「自然体」という言葉がよく似合う役者さんだな、と思っています。
「少年ラジオ」で初めて多田さんをきちんと認識して、
うわ!なぜこんなにも好みの殿方を見逃してたのかしらー?とびっくりして
それ以来、ずっとひっそりこっそり見守っていましたが、
ようやく真ん中に立つ彼を(運よく真ん前で!特等席で!)見られました。
イケメンさんだと思うのにあまり真ん中でばばーんと目立つ役で
舞台に立つことがあまりなくて、少し寂しく思っておりましたが、
今回は満を持しての主役級。久々にゆっくりと演技を見ましたが、やっぱり好き。
多田さんの声の出し方も好きです。声を張り上げていないのに、よく通る声。
声の出し方が自然だから、演技も自然体に見えるのかな。
今回はとても素直な少年をまっすぐ演じられていましたが、
少しひねた感じの2番手とかもよく合いそうだなー、と思いました。

でもって、ちえちゃん!
クラス一背が小さくて、びびりの男の子ウリー。
めっちゃ似合ってた!はまり役だった!
もー!もー!見事すぎる!と大騒ぎでした。(私が)
こういう子って、絶対今もクラスにひとりはいると思う。
そう素直に思えるぐらい「かわいいオトコノコ」を等身大で演じられていました。
30過ぎてるなんてまったく信じられないよ・・・。
むしろ、ずるい・・・と呟きたくなっちゃうよ。
今回、ゆっくりちえちゃんの演技を見て、私は彼女に関しても
声の出し方が好きなんだわー、と確信しました。
勿論、表情の作り方も好きだけど。
でも、やっぱり一番は声。
張り上げていないのによく通る声はすごく聴きやすくて
こちらも力を入れることなく、彼女の演技に集中できるのだと思います。
舞台に関しては、声そのもの、というよりも声の出し方が
私にとって、すごくすごく重要パーツなんだろうな。
岡田さつきさんしかり、石川寛美さんしかり。

でもって、今回のストーリーテラー、佐東さん。
私、彼の温かみある声と表情も大好きです。
うるさすぎるコメディを演じても、あまりうるさく感じさせないのは見事だと思う。
ただね、今回はちょっぴり科白間違いが多くて、少し気になりました。
些細な言い間違いなんだけど、些細なだけに「あ!間違えた!」とか
「あ!詰まった!」とかが気になる。にやついてしまう。(私が。)
ちょっと話への集中をそがれました。(私の集中力も大いに問題なんだけど。)
今回は、あったかい笑顔そのままのユーモアあふれるストーリーテラーさんでしたが
今後はそのあったかい笑顔でがつんと悪役も演じてほしいなー。
絶対似合うと思うんだけど。

で、キャラメルさんの愛すべき動ける太っちょ、筒井さん。
今回も愛されキャラ全開でございました。
なんだろ。この安定感。
筒井さんが出てくるだけで場が和むというか、
舞台を「キャラメル」の舞台に仕上げるというか。
うん。そういう意味では、キャラメルの愛すべきお母さんとも言うべき
石川寛美さんと存在感が似ているのかも。
寛美さんといえば、今回初めて彼女の演技を生で見ました。
ずっとDVDでしか見たことがなくて。
で、初めてなのに懐かしい気持ちになりました。
「あー。懐かしいキャラメルさんがここにー!」と嬉しい気持ちになりました。
今だって十分に子役ができちゃう愛らしい声と演技と風貌はそのままで
でも、お母さんとしての風格もきちんと備えていて。
ある場面では、ギムナジウムのやんちゃな男の子を。
ある場面では、遠く離れた地でマルチンを心配する優しいお母さんを。
見事に演じ分けられていました。
マルチンのお母さん役はもんのすごいはまってた!
ラスト、汽車賃を送れないために冬休みをギムナジウムで過ごすはずだったのに
思いがけず帰ることができた息子を出迎えて喜びの涙を流す場面は、
こちらまで暖かい涙が誘われるとても好きな場面だったな。
「ギムナジウム」とか「寄宿舎」とか、私にとってはまったく身近ではない話なのに、
彼らの再会の場面を見ているときに感じる感情はどこか懐かしさを感じさせるもの、
彼ら親子をどこか身近に感じているような近しい人を見守るような感情でした。
ふたりの普遍的な親子の姿が時代や国境を忘れさせてくれました。本当に素敵な場面。

そんなこんなでたっぷりと楽しんだキャラメルさん。
来年も今のところ九州公演の予定はありません。
でも!きっとまた来てくれるはず、と信じてます。
願わくば・・・。有川浩さんと作り上げる新作クリスマス公演を見たいなー。

とにもかくにも。
今年も北九州に来てくださって、本当にありがとうございました☆
呼んでくれた北九州芸術劇場さんにも大感謝でございます。
来年は、他の劇団の作品もぜひとも見たいな。

サンタクロースが歌ってくれた/2010年クリスマス公演

2010年11月17日 00時18分00秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■キャラメルボックス2010年クリスマス公演
■サンタクロースが歌ってくれた
■出演
 西川浩幸、上川隆也、近江谷太朗
 大森美紀子、坂口理恵、岡田さつき、前田綾、温井摩耶
 三浦剛、筒井俊作、實川貴美子、渡邊安理

■ストーリ
 クリスマスイブの東京。彼氏のいないゆきみ(温井摩耶)は、池袋の
 映画館で友人のすずこ(前田綾)と待ち合わせしていたが、すずこが
 約束の時間に来なかったため、一人で中へ入った。映画のタイトルは
 『ハイカラ探偵物語』。大正5年の東京で芥川龍之介(西川浩幸)と
 平井太郎(後の江戸川乱歩 上川隆也)が怪盗黒蜥蜴と戦う話だった。
 ところが、 芥川が黒蜥蜴を追い詰めた場面で、黒蜥蜴が映画の外に
 逃げ出した!芥川と太郎、そして警視庁の菊池警部まで映画の外に
 飛び出して、ゆきみと現代の東京を駆け回る。一方、遅刻したすずこは
 「映画の中から逃げ出した」というメイド服の女に出会って・・・。

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 私が初めてキャラメルボックスを知ったのは、大学2年。
 NHKさんで放送されていたこの舞台を見たのがきっかけでした。
 けれど、この作品を知ったのは、そこから更に遡ること4年。
 高校時代、試験勉強中に聴いていたラジオドラマ「青春アドベンチャー」
 でこの作品を知り、「面白いなぁ」と心に残っていたため、
 深夜に放送されていたNHKさんの舞台にも気付き、ビデオ録画して
 ドラマの中の上川さんとまったく違う踊り、突っ込む上川さんに
 衝撃を受け、脚本の面白さを再確認し、何よりもキャラメルさんの
 舞台の熱さ、まっすぐさ、力強さに元気をもらい、大好きになりました。
 つまるところ、舞台を録画しようと思ったきっかけも、キャラメルボックス
 という劇団を認識したきっかけもすべてが「サンタクロースが歌ってくれた」。
 私にとっては、とてもとても特別な作品です。

 そんな特別大切な作品を生で鑑賞できる機会がもらえるなんて。
 しかも主要人物3名のうち、2名も退団しているというのに
 私が見たときのまま、オリジナルキャストで鑑賞できるなんて。
 喜びいっぱい、胸いっぱいの2時間でした。
 オリジナルキャストだけでなく、今回の上演メンバーは、私にとって
 夢のような組み合わせで、本当に苦手な人がまったく出ていないどころか
 キャラメルさんを知って、色々な作品を見てきた中で、
 「この人の演技、好きだなー。」と思っていた人ばかり。
 しかもヒロインは私の最も好きな女優さん、岡田さつきさんで
 もうひたすらひたすら感動しっぱなしの2時間でした。
 あまりに胸がいっぱいになりすぎて、前半は作品に、というよりは
 この状況に感動して涙が浮かぶ始末。とはいえ、あっという間に
 作品世界に引き込まれ、後半はこの作品の持つ力に、この作品の中の
 言葉のきらめきに感動しっぱなし、涙腺を刺激されっぱなし。
 今、思い返してもまた胸が熱くなる。それぐらい素敵な時間を
 キャラメルさんにいただきました。

 基本はハートフルコメディ。テーマは友情。
 キャラメルボックスの基本精神「人が人を思う気持ち」がふんだんに
 盛り込まれています。けれど、いつものキャラメルさんと少し違うのは
 「人が人を思う気持ち」だけではなく、「人が人をうらやんでしまう気持ち」
 「大好きな人をねたんでしまう気持ち」「大好きだと思っているのに、
  大好きだからこそ、大好きな人と自分を比べて、なんで自分は
  こんななんだろう、とコンプレックスを抱いてしまう気持ち」といった
 人の根底に潜んでいるどろどろとした気持ちにも目を向けているところ。
 大好きで大好きでたまらない大切な友人だという気持ちと
 その友人と自分を比べて現在の自分の状況に焦燥感を抱いてしまう気持ち。
 俺だって、俺だって!というどうしようもない気持ち。
 そういった気持ちをもてあましている平井太郎を上川さんが真摯に、
 そして鬼気迫る表情で演じていました。

 でも、今回の舞台を見て、この舞台は男性たちの描く「男の友情」が
 大きく取り上げられているけれど、彼らを見守る女性たちの姿、
 そして彼らに関わる女性たちの友情も「男の友情」以上に深く
 描かれていた作品だったんだな、と今更ながらに気付きました。
 主要人物は男性3人組だけれど、ポイントポイントで重要な役割を
 果たしていたのは、女性陣。今回は彼女たちの熱演に涙腺を刺激
 されっぱなしだった気がします。

 それにしても見事にこの作品をコメディに仕上げてくれていた
 近江谷さん。テレビドラマでは悪役とかシリアスな役柄で見かけることが
 多いというのに、この作品では最初から最後まで盛り上げ役に徹して
 います。ひたすら走って走って暴走して。あんなに真面目に一生懸命に
 作品の最初から最後まで走っているというのに、そのどれもがひたすら
 おかしいってすごい。彼を見ているだけで幸せな気持ちになりました。

 でもって、押しも押されぬキャラメルさんの中心。西川さん。
 「全然25歳に見えない」といじられていましたが、そんなことない!
 初演時からまったく変わらず若々しい。かわいらしい。キャラメル
 ボックスの持っている温かい雰囲気と彼の醸し出すぬくもりと
 二アリーイコールです。まさにキャラメルさん。

 そして、キャラメルの突っ込み隊長、上川さん。久しぶりのキャラメル
 ボックスの舞台を楽しんでいる様子がひしひしと伝わってきました。
 シリアスな役柄だけれど、コメディ部分も担っていて、と
 緩急多い役柄なのに、その役を全力で演じている様子が印象的でした。
 西川さんと近江谷さんのボケも的確に正確に拾っていて、その様子が
 なんだかとても楽しそうで、幸せそうで、私まで幸せ気分に。
 上川さんの超高速突っ込みを久しぶりに思う存分、堪能。

 女優陣もみんなみんなかわいくてかわいくて。
 どっしりとした存在感で少女探偵団をかきまわしにかきまわしていた
 坂口さん。女心を切なく演じていた岡田さん。正反対の役柄だった
 けれど、どちらも見所たっぷりで、その存在感と演技力に感嘆。
 温井まーやさんはいつも割ときつめの悪役が多い気がするのですが
 今回は天然さんの役で「こんな役もぴったりじゃん!!」と目から
 鱗でした。まーやさんはかわいい子を演じたら、本当に本当に
 かわいいなぁ、とひたすらにそのかわいらしさを堪能。
 いつもは役柄に合わせてメイクもきつめだったのねー、と彼女の
 美人ぶりに改めて気付かされました。

 その他の役者陣もみんなキュートで楽しくて面白くて。
 久しぶりにこの作品を見て、この作品の持つハッピー感は
 「誰かひとりが目立つ作品じゃないから」なんだろうな、
 としみじみ思いました。芥川龍之介と平井太郎が作品の核になっては
 いるけれど、彼ら二人だけが目立つ作品ではない。
 みんなが活躍し、みんなが輝いていて、みんなが幸せになる作品です。
 クリスマス公演らしく、ラストは見事な大円団。
 「クリスマスは奇跡が起きる日なんだから。」
 この科白が全編を通して実現されている作品で、
 舞台終了時、周りの人みんなが涙目で、そしてみんなが心からの笑顔でした。

X day(地球ゴージャス第11回公演)

2010年09月05日 22時56分36秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■地球ゴージャス第11回公演「X day」
■出演
 岸谷五朗、寺脇康文、中川晃教、陽月華、藤林美沙、森公美子

■ストーリ
 誰にでもある運命を変えるその日。
 実は気付かないうちに近づいてきているのです。皆さん自身のX dayも。
 人生というパズルが軽妙かつ重厚に絡み合い、6人の男と女が繰り広げる
 生きるための行進曲が緞帳と共に今、舞い上がる!

■感想 ☆☆☆☆☆!
 ずっと見てみたかった地球ゴージャスさんの舞台。
 なんと前から7列目のまん真ん中という思わず「今年の運をすべて
 使い果たしたのでは?」と不安になるような席が取れたため、
 夢のような2時間15分を過ごすことができました。
 岸谷さん脚本、演出の今回の舞台。いかにも岸谷さんらしさ溢れる
 ユーモアの数々が怒涛のように展開されて、絶えず笑いながら鑑賞しました。
 けれど、笑いに走りすぎることなく、舞台ならでは、このメンバーならではの
 かっこよさも追求されている舞台でした。元宝塚娘役トップスターに
 ミュージカル俳優、オペラ歌手、と歌とダンスのプロたちが集まった今回の舞台。
 オープニングと同時に、公演タイトル「X day」をテーマとしたアップテンポな
 曲がかかり、6人が一斉に登場。スピーディーでパワフルなミュージカル
 ナンバーを繰り広げられます。6人の迫力溢れる歌声と、切れ味鋭いダンスが
 華やかでカッコよく、オープニングと同時に私のテンションも一気にかけあがり
 ました。

 オムニバス形式で登場人物ひとりひとりの物語が短く展開される前半。
 登場人物はみな自分の人生に、大きな悩み悲しみを抱えている人ばかり。
 自分の心の傷と向き合おうとして向き合えないでいる。
 そんな人たちばかりです。彼らが抱える問題は解決することなく、
 そしてその問題が何なのか具体的な説明がなされることもなく、
 話は唐突に終わり、次の登場人物へバトンが渡されます。
 最終幕。一軒のバーに集まる登場人物たちは、お互いが抱える悩み、
 悲しみについて語り合ううちに、お互いがお互いに大きな影響を与え
 あっていることに気付きます。彼らに訪れた唐突なX day。
 そのX dayを乗り越えた彼らは、明日に向かって新たな一歩を踏み出します。

 出演者全員、どの方ももれなくかっこよかったのですが、陽月さんの
 美しさ、華やかさ、宝塚で培ってきた動きの美しさは格別!
 舞台のどこにいても、目が彼女を追ってしまいます。
 また、圧巻のボリュームで力強く歌い続ける森さん。
 いつもはコメディエンヌぶりを発揮することが多い彼女が、今回は
 大人のかっこいい女性を熱演。声の出し方、表情、何もかもが今までと
 異なっていて、非常に新鮮でした。というか、歌声が!歌声がとにかく
 かっこよくてかっこよくて。美しくて美しくて。
 でもって絶妙の間で笑いを追及する岸谷さんと寺脇さん。
 もはや彼らのやりとりはアドリブなのか、もともとの演出なのか
 まったく分かりません。やりたい放題自由に動いているようにも見える。
 けれど、アドリブだったとしても、観客の笑いがきちんと計算されていて、
 とにかく安心してみることができました。

 最後の最後まで笑って笑って泣いて笑って、と忙しかった舞台。
 あんなにもユーモアたっぷりの演出なのに、きっちりと泣かされる。
 最終幕、登場人物たち全員が集まって迎えた日がX day。
 けれど、それぞれが過去にX dayを経験していて、それらのX dayの
 共通点は「理不尽に訪れた喪失」。
 人生において、喪失は不可避。そして、喪失はいつだって理不尽。
 「ある日突然」訪れる。だからこそ、悲しみも喪失感も大きいん
 だろうな、と思いながら見ました。

 地球ゴージャス。とにかくかっこいいです。
 ぜひまた福岡にやってきてほしいです。
 

サプライズプレゼント!

2010年07月13日 00時03分53秒 | 舞台(キャラメルボックス)
会社からの帰り道。
降りしきる雨の中、ふと目にしたポスターに思わずむしゃぶりつきました。

キャラメルボックスクリスマス公演が北九州上陸っっっっ!?


きゃー!
きゃーーーーーーーっ!!
きゃー!きゃー!きゃーっっ!

キャラメルボックスさんが福岡公演から撤退して3年。
再会は半ば諦めかけていただけに嬉しくてたまりませんっ。
あぁ。どうしよう。どうしよう。
思わずおろおろ。

しかも主要キャストは上川さん、西川さん、近江谷さん!
キャラメルボックスさんの黄金トリオ復活です。
わー!わー!!どうすれば!?
と、おろおろし続けるワタクシ。

けれど。
キャラメルファン以外からも大人気の上川さんが主要キャスト。
となると、チケットはどうあっても取りにくいんだろうなぁ。
「取りにくい」どころか「取れない」のかなぁ。
・・・「取れない」んだろうなぁ。
と、おろおろを脱出し、くよくよするワタクシ。

とにもかくにもチケット発売日は決戦日です。
何時間前から並ぼうかな。

もし。
チケットが取れたら。
取れてしまったら。
ワタクシの今年のクリスマスは11月13日開始です。
喜びのあまり、年内はクリスマスが終わる気がしません。

縁もゆかりもありませんが。

2010年05月23日 10時02分48秒 | 舞台(キャラメルボックス)
キャラメルボックスの福岡公演がなくなってから早3年。
年に2度も来てくださっていた年もあったというのに、
採算の都合で来れなくなって早3年です。

ワタクシがキャラメルさんと触れ合う機会も
パッケージとして売り出されている舞台のDVDか
もしくは、役者さんたちが書いているブログでのみ、と激減しました。

・・・ある意味、よい時代だなー。
地方にいても、福岡公演がなくても、
なんらかの手段で東京の劇団さんとも触れ合えるのです。
技術の発達、ばんざい!

そんなこんなでキャラメルボックスの役者さん
岡田達也さんのブログを毎日、楽しみにしています。
岡田さんは、その存在感も演技も声も大好きですが
ブログで見せる人柄がまた素敵なのです。
文章に人柄は表れると思っているワタクシにとって
岡田さんの文章を読むたびに、
「ほらね!やっぱりね!」と言いたくなります。

そんなわけで毎日、楽しみにしている岡田さんのブログで
先日、岡田さんの「怪物くん」出演情報が発表されました。

え?!え?!
「怪物くん」ってあの嵐の大野さんが出演している怪物くん?!
土曜夜9時という視聴者が多い時間帯の「怪物くん」?!
すごいー!(坂本龍馬風アクセントでオネガイシマス)

と興奮しながら、早速、番組を録画しました。
どこか冷めているワタクシは大喜びしつつもどこかで
「きっと出演は、ほんの少しなんだろうな。
 一生懸命探さないと見つけられないんだろうな。」
と思っていたのです。
番組を録画しておけば、繰り返し見れるし、
岡田さんをしっかり探せるはず!と準備万端のつもりだったのです。

ところが。
番組開始早々、探す間もなく、岡田さん発見!!
主人公「怪物くん」の人間界での友人、「ヒロシ」の
亡くなったお父さんとして見事に物語に絡んでいました。
台詞までありました。

すごい!すごい!
全然、「ほんの少し」なんかじゃない!!
岡田さんのブログには

「出演はちょっとです。
 だから録画の必要は無いです。
 万が一覚えていたらチラ見する程度でOKです。」

と書かれていたのに!
録画しておいてよかった!!
思わず、岡田さん出演場面を5回ほど繰り返して見てしまいました。
しあわせー♪


もっとも。
なんとも幸せなひとときを(何度も)味わったのですが。
いつも舞台で見ている役者さんを
テレビで(舞台を録画しているDVDの中で、などではなく)
テレビドラマの中で見ることができて
幸せなような。気恥ずかしいような。
気恥ずかしいような。幸せなような。
お尻もぞもぞモードを味わいました。

気分はまるで親戚のおばちゃんです。

コルテオ

2010年04月04日 02時10分59秒 | 舞台(キャラメルボックス)
あまりのチケット高騰ぶりに断念しかけたコルテオを鑑賞。
5年ぶりの「シルク・ド・ソレイユ」です。
チケット高い、高いと思っていましたが、それでも見てよかった!
心からそう思いました。

細部まで作り上げられた「異世界」で踊り、跳ね、
人間の体で「できること」に挑戦していく出演者たち。
見ながら感じたのは、
「意識されて動かされている人間の体の美しさ」でした。
体の先の先まで神経が張り巡らされ、自分の意識によって
動かされている体は、その動きも合わせてひとつの芸術でした。
とにかく美しい。

そして、音楽のすばらしさにも感銘を受けました。
舞台の四隅で奏でられる生演奏の影響力の大きさに脱帽です。
音楽が舞台を更にきらきらと輝かせ、見ている人たちを
より一層、「コルテオ」の世界に導いてくれていました。
思わずCDを購入しそうになりましたが、
この「生の迫力」には到底、叶わないだろうと思い、断念。

チケット、高いです。
高いけれど、ぜひまた見たいです。
贅沢な気持ちにさせてくれる2時間でした。

ちなみに5年前の感想はコチラ
今回のほうが遥かに感動が大きいような。
それが年を重ねたということでしょうか。

また逢おうと竜馬は言った

2009年12月19日 11時34分51秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリー
 ツアーコンダクターのくせに、すぐに乗り物に酔ってしまう岡本。
 彼は坂本竜馬を尊敬していて、竜馬のような男になりたいと
 願っている。しかし、いつもドジばかり。今日も、彼のミスが
 原因で同僚の本郷とその妻のケイコが大喧嘩。ついに、ケイコは
 家出してしまう。岡本は竜馬の力を借りて、喧嘩の仲裁に乗り出すが、
 絵画の密輸事件に巻き込まれて、話は思わぬ展開に。

■感想 ☆☆☆☆
 キャラメル作品の中で最も情けない主役で有名なこの作品。
 「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」と同じく、
 昔ながらのキャラメルさんファンに人気が高い作品。
 DVD発売を知って小躍りしながら、即購入しました。
 初演では上川さんが乗り物酔いがひどくて乗り物に乗れない旅行添乗員
 オカモト、という日本一情けない主役を見事に情けなく演じ、
 再演では、そんなオカモトを叱咤激励しつつ、見守り続ける
 坂本竜馬をこれまた非常に男らしくかっこよく演じていました。

 初演での今では考えられない情けない上川さんも魅力的ですが
 やはりここは時代劇が似合う上川さんに適役の竜馬から見たいっ。
 と、意気込んで見たのが今年の夏の出来事でした。

 ところで、現在、TBSで放送中のドラマ「仁」。
 このドラマで、内野聖陽さんが演じる坂本竜馬を
 「私のイメージにぴったり!こんなはまり役はない!
 もうこれからも、私の中で坂本竜馬といえば、内野さん!!」
 と興奮しながら見ては、母上から
 「坂本竜馬にそんな思い入れがないけん、合っとう、という
  感覚がわからん。」
 というつれない言葉をいただいていたワタクシ。
 久しぶりにDVDを見返し、
 「私のイメージにぴったり!」という「ぴったりイメージ」の原型は
 キャラメルボックスの上川さんだったことが分かりました。

 そっかー。この坂本さんが私の中での坂本さんだったんだー。
 坂本竜馬=キャラメルの坂本さん
 という公式が無意識に根付いていた模様。
 それぐらい上川さんと坂本竜馬が見事にシンクロしていた作品でした。
 キャラクターと役者が見事に合っていて、
 だから、ストーリーに説得力があって、という幸せな出会いをした
 典型的見本のような作品です。

 初期のキャラメルさん。
 今以上にがむしゃらで、熱く熱く、観客に語りかけています。
 見せ方も場面転換も、そして役者陣の演技も、
 「アマチュア」の域を抜け切れていないけれど
 でも、訴えかけてくる熱量は今よりもっともっと大きい気がします。
 今も昔もキャラメルさんの基本スタンスは全く変わっていないけれど
 やはり、年月を経て、劇団として円熟味を増しているし、
 その分、落ち着きが出てきているんだろうなと思うのです。
 よくも悪くも劇団草創期とは違う。
 そういったことをまざまざと見せつけてくれる舞台だな、と思いました。

 もっとも、じゃあ、どっちが好きなの?と問われると
 やはり私は「今の」キャラメルさんが好きなんだと思うのです。
 役者陣の演技力だって、格段に違うし。
 音楽の使い方も洗練されてきているし。
 ただ、このころの成井さんの作品(脚本)とか、
 舞台に込める想いは、今見ても格別に好きだなあ、と思ったのでした。