のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

2014年1月の読書

2014年01月31日 23時55分22秒 | 読書歴
2013年後半から心がざわついているせいか、じっくり本と向き合えず。
2014年1月も5冊からのスタートです。

本をじっくり読めるか、読めないか、が、私の心の元気を測るバロメーターなのですが
それでいうと、弱っていること甚だしいのです。自覚はあまりないんだけどな。
でも、ドラマもあまり見ていないし!
(あくまでも当社比。世間一般的にはとても見ているほうだと思われます。)

はよ心を落ち着けて、本やドラマと向き合いたいものです。
がんばれ、わたし。(←他人事)

1.ガソリン生活/伊坂幸太郎

■感想 ☆☆☆☆
なんとも愛すべきマイカー小説でした。「マイカー小説」というジャンルを見事確立させてました。ぜひとも続編を出してほしいよ!と熱望せずにはいられない作品でした。

 主人公は望月家のマイカー、緑のデミオ。彼目線で物語が描かれるため、事件に巻き込まれた望月家やその周辺にいる面々の行動をすべて知ることはできません。彼が知り得るのは、持ち主たちが車に乗っていたり、車のすぐ傍で立ち話をしていたり。「さあ、ここからが事件の核心部分!」と思っても、持ち主たちが車を出てしまうと、その核心部分を聞き逃してしまう。かと思えば、車同士のネットワークで人間が知り得ない情報を車たちから得ていたり。けれど、その情報を望月家の面々にはまったくもって伝えれなかったり。そういった「不完全」なストーリー軸があって、その隙間を縫って、いろんな小さなエピソードがちりばめられていて。なおかつ、「散りばめられていたエピソード」が見事な伏線で、クライマックスに向けてすべての謎が回収されていくさまを感嘆しながら読み進めました。すごいカタルシスだったなー。

 ユーモアあふれる語り口でしたが、描かれている現実は決してユーモア交じりではなく「世の中には分かり合えない人間がいる」というもので、やりきれなさの残る作品でした。やりきれない、けれど、実際に起こりそうな事件。だからこそ、ラストにデミオを待ち受けていたあたたかい運命に胸が熱くなりました。

2.復活の日〜ありふれた生活8〜/三谷幸喜
3.さらば友よ〜ありふれた生活9〜/三谷幸喜

本読むのがきついわー、でも、文字に触れたいわー、というときに必ず頼ってしまう三谷さんのエッセイ。彼のどんなときもユーモアを忘れないサービス精神が大好きです。この2作は映画「ザ・マジックアワー」の宣伝活動でテレビによく出ていた頃から、三谷さん生誕50周年に向けての活動が始まるか始まらないか辺りまで。本当によく働いている人だなぁ、と感嘆します。そして、そんなに忙しいにも関わらず、好きな映画もよく見返していて、何をどうやったら、そんな時間をひねり出せるのかしら?と自分の時間の使い方の下手さ加減を呪いたくなります。
最も好きな話は、かつてお世話になった劇場(シアタートップス)が閉鎖するため、久々にサンシャインボーイズの劇団員が集まって再結成し、舞台を作り上げるまでのあれやこれやを書いたもの。たった10日間でひとつの作品を作り上げるプロ集団のカッコよさ、劇団が休止してからもう何年も経つけれど、集まれば「かつての仲間」としてよみがえる空気感とか「彼らならやってくれるはず」という仲間に対する絶大な信頼感とか、それぞれが忙しく活躍しているにも関わらず、飄々と稽古場に集まってくる劇団員たちとか、そういったかっこいい大人たちがが存分に描かれていて、この舞台をぜひとも見たかったな、その空間に私もいたかったなぁ、と心から思わされました。

4.人生の旅をゆく/よしもとばななな
5.人生の旅をゆく2/よしもとばななな

ばななさんの作品が大好きです。けれど、ばななさんのエッセイは私にとって「好きだけれど、苦手」「苦手だけれど、やっぱり好き」という気持ちにさせられるものばかりです。それでも、やはり折に触れ、彼女のエッセイを手にしてしまうのは、おそらく私がばななさんのはっきりとした物言いやスタンスがとても苦手で、でも、その一方で、彼女の揺るぎない強さを持った極端すぎる物言いやスタンスに憧れ続けているからなのだろうと思うのです。
 彼女は自分の周囲にいない人、自分が大切にしようと心に決めた人以外の意見には耳を貸さないし、彼らがどんなに自分を非難したとしても傷つかない。と、決めているように見えます。おそらく実際には「傷つかない」と決意して傷つかないでいることなんてできない。だから彼女は、聞こえてくるいろんな批判に胸を痛めることもあると思うのだけれど、でも、そういった自分を決して見せない。大切な人以外の意見は、「雑音」と決めて「聞かない」ことを選択している。
 私はその姿勢に、これからも違和感と憧れを抱き続けるんだろうと思います。そして、ばななさんのエッセイを読むときに感じるこの中途半端な姿勢、ぶれこそが私の人となりを象徴的に表しているんじゃないかな、とも思うのです。

【ドラマ】独身生活

2014年01月29日 23時45分27秒 | テレビ鑑賞
■独身貴族
■2013年度秋クールドラマ
■フジテレビ木曜22時
■出演
 草剛、北川景子、伊藤英明、平岩紙、藤ヶ谷太輔、蓮佛美沙子、デヴィ夫人

■感想 ☆☆☆*
草なぎさんの演技がとてつもなく大好きです。
役に見事に寄り添っていて、あまりにナチュラルに役に憑依するため
毎回毎回、「きっとこの人、本当にこんな人なんだわ。」と思わせてくれます。
そういうところが大好き。

というわけで、今回も「結婚に何の魅力も感じていない独身男性」を
生き生きと演じる草なぎさんに惚れ惚れと見とれていました。
自分の好きなものにだけ囲まれて、
自分の好きなものをこだわり持って選んで身に着けて
自分の好きなものを丁寧に料理して食べて
自分の好きなことを職業にして
自分のこだわりだけで採算のなかなか取れない事業に誇りを持って取り組んでいて、
ワガママ極まりなくて、辛辣なことばかり言っている独身男性。

自分勝手なのに「嫌な男性」にはならず
「いるよね。こういう人。」と思わず笑いながら見てしまったのは
彼の言動が決して、人に不愉快を与えるものではないからだと思うのです。

自分の好きなものに対して固執するけれど
そのために人を傷つけたり、人にエゴを押し付けたりしない。
自分の仲間たちにはあくまでもジェントルマン。
癖の強いおばさんにもあえて逆らわず、
おばさんの言いつけをある程度は守る。
自分第一のようでいて、自分第一ではない。
そんな彼の姿がきちんと描かれていたために、
辛辣な言葉で結婚を嫌がっていても、
「こんな男性、こっちからお断り!」という気持ちにはなりませんでした。

むしろ、見れば見るほど、
「あぁ。きっと彼は本当に好きな人に出会えてないだけなんだろうな。」
という気持ちにさせられました。

だからこそ、北川さん演じるヒロインと出会い、
自分ではまったく気付かないままにどんどん距離を詰めていく様子を
にやにやしながら見守ることができました。
基本的にはジェントルマンなのに、仕事には妥協しない彼が
自分のこだわりをヒロインに押し付けるところとか
ただ押し付けるだけではなく、ヒロインと論議を重ねるところとか
そのために、いつの間にか自分のテリトリーのはずの自宅へ
ナチュラルにヒロインを入れてしまうところとか
誰かと食卓を共にし、「美味しい」と思っているのに
「食べられないことはない。」と言いながら美味しそうにぱくつくところとか。
どれもこれもとてつもなくかわいい距離の縮め方だったー!

また、ヒロイン北川さんが眩いばかりに美しすぎて。
ひたすらにため息つきながら見ていました。
この人、本当にきれいだわー。

ただ、このヒロイン。
「仕事に没頭するあまり、オシャレにも気を使わず
 普段はぼさぼさの姿。恋愛にも縁遠い。」という役柄だったのですが
いついかなるときも綺麗で、全っ然っ、恋愛に縁遠く見えませんでした。
全っ然っ!女性を捨ててなかった!いついかなるときも「女性」でした。

というわけで、設定には違和感があり、
ついついその分、とても役にはまっていた深窓の令嬢「玲子さん」に
思いっきり肩入れをしながら見てしまいました。

玲子さんのいい人っぷりが半端なかったですよー。
当初は空気の読めない傍迷惑なお嬢様、という立ち位置なのかと思っていましたが、
中盤以降、どんどん切ない役柄に。
草なぎさんの気持ちにちゃんと気づいていて、
でも、彼女も草なぎさんのことが好きだから
たとえ見合いでも諦められなくて、
彼が結婚に全然気乗りしていないこともちゃんとわかっているのに
それでも「断れないから結婚しようとしている」ことを受け入れたうえで
「好きな人といたい」と思っている。
そんないじらしい女性を肩に力入れず、ナチュラルに演じられてました。
だからかなー。すっごく草なぎさんとお似合いでした。

北川さん演じるヒロインは確かにとてつもなく綺麗だけど
眩いばかりに美しすぎて、「告白したけど、ダメだったよー。」とか
泣きじゃくる姿も今ひとつ似合わない、というか、場違いな感じが否めなくて。
いやいや!どう考えても麗子さんのほうが切ないんだよ!
とついつい思ってしまいました。

過去、これほどまでに脇役さんを心から応援したこと、あったかしらー。
というぐらいの肩入れっぷりでした。

だからかなー。
すっごくハッピーエンドだったんだけど、
今ひとつハッピーエンド感は味わえず。
すっごく楽しみに見ていたドラマだったんだけどな。

キラキラOLもどき

2014年01月29日 23時41分31秒 | 日常生活
教会友達と博多駅にてごはん。
ここ数年、彼女とは教会近くでお茶することが多かったので
住宅街ではなく、博多駅のきらきらした街並みを一緒に歩いている、という
そんな何の変哲もない事実に「大人になったもんだ・・・。」
と感慨を覚えながらのご飯です。

もう、とっくの昔に大人になってるってのに。
むしろ、彼女とは大人になってから過ごした年月のほうが断然、多いっていうのに。

出会ったのが自由気ままな時間を持て余していた大学時代だったということもあって、
おおいに二人で遊び倒したせいか、彼女と会うとあの頃の「大学生」だった自分が
むくむくと現れて「ふたりとも既にいい大人なんだってば。」という事実を
ついつい忘れてしまうのです。
ふたりとも既に大人歴が長いということをいまだ受け入れられてませんよー。

そもそも、遊び倒したと言っても、
深夜のファミレスやカラオケで食べたり喋ったり歌ったり
喋ったり喋ったり喋ったりしていただけなんだけどなー。
あの頃の記憶は今もきらきら輝いて、私の「学生時代」を彩ってます。

というような思い出にふけるぐらい
ふたりで「オトナ女子の街、博多」を歩くことが感慨深かったのです。
ついでに言うと、話す内容も色々と感慨深かったです。
ふたりとも色々と回り道して、遠回りして、ようやくここにたどり着いたねー、
お互い、どうしようもなく頑固なので、頭でわかってるだけじゃダメなんだよねー、
色々痛い目を見て「納得する」っていうプロセスが必要なんだよねー、
難儀な体質だよねー、というようなことを確認し合ったごはん会でした。

ホント、大人になったもんだ。
大人になったもんで、自分の中の「大人になりきれない部分」と
きちんと向き合えて、受け入れられるようになったんだろうなー。

・・・ま、結局のところ、人間なんてそうそう変わんないよ
自分のまま、マイペース(=ワガママ)を貫くしかないよね
という結論なんですけれど。
でも、清々しく、その結論を受け入れられたのでヨシとします。

ひとりは得意

2014年01月27日 23時55分04秒 | 100キロウォーク
数年前に恩田陸さんの「夜のピクニック」を読んで以来、
夜を徹しての長距離ウォーキング、というものにほのかな憧れを抱いていました。
青春時代にこういった体験を友人と共有してみたかったなー、とか
きっときついけど、すごくいい思い出になるんだろうなー、とか
「きつい」という思い出を共有した友人たちとは
いつまでもいつまでも「あのときはきつかったよねー。」という思い出話で
盛り上がれるんだろうなー、とか、そういったほのかな憧れです。

そのため、従妹の旦那様が行橋市から別府まで歩く
「100キロウォーキング」に出場したことを聞いた時も
真っ先に出た感想は「いいなぁ。私も出てみたいなぁ。」でした。
とはいえ、100キロ!想像を絶する長さです。
普段、運動とまったく縁のない私には無理!と早々と諦めていました。
ところが、昨年末、ひょんなことから100キロウォーキング参加者と知り合い、
「興味あるなら、練習だけでも参加する?
 1月から練習を始めるよ。まずは30キロぐらいから歩くよ?」
とお誘いを受けました。

練習だけ!
しかも、まずは30キロ!
それなら挑戦できる気がする!
ぜひぜひ!お願いします!!参加させてくださーい!!

と喜び勇んで何も考えずにお願いをしたのですが、
しばらくたってから
「本当に参加できるのかしら?そもそも30キロってどのくらいの距離?」
という「おいおい?そこから?」という疑問を抱き始め、地元友達に
「30キロって2、3時間ぐらいは歩く感じですか?」
とおそるおそる確認したところ、しばし絶句されました。

あー、こりゃ絶対に「え?今頃、その疑問?」とか呆れられてるわー、
恥ずかしいわー、と途方に暮れていると、
「さては、初回出場でいきなりの優勝を狙ってますか。」
と真顔で聞き返されました。

なんでも、次回練習のご案内メールには
「今回の練習は午前7時集合!14時半到着予定で、
 その後にご飯を食べる予定ですよー!」と書かれてあるんだとか。

・・・え?午前7時集合?
え?14時半到着??
え?何時間歩くの???

と一気に流れ込んできた(私にとって)許容量オーバーの情報で
本当に今更ながらにウォーキング練習なるものへの恐怖心が芽生え・・・
とりあえず幼馴染を巻き込もう!と決意したのでした。
だれかを巻き込んでひとりじゃない!という気持ちで
この恐怖心に打ち勝たなくては!というなんとも傍迷惑な私の危機管理能力。
しかも、幼馴染を巻き込んでおきながら、
私の危機感は根本的になんら解決していないのです。
それでも、心の広い幼馴染は快く「いいよー。」と参加を快諾してくれたのでした。

ええ、ともだちや・・・。と思わずほろり。
する心の余裕は、実のところあまりなく。
「どうしよー。どうしよー。歩けるかしらー。きついのかしらー。」
とひたすらにおろおろしてました。
ひどい幼馴染や・・・。(←わたしのことや・・・。)

そんなこんなで初めてのウォーキング練習。
迎えてくださった方々はみんなとても暖かい方々ばかりで
「大丈夫!きつくなったらいつでも言ってくれていいから。」とか
「最初から30キロってちょっと酷だったよね。
 ただ、今回は北九州マラソン(なるものがあるのです。
 2月9日に北九州の街並みを1万人のランナーが走るのです。
 今やちょっと外を出歩くと、その日を控えて最終調整をしているランナーたちに
 山ほど出会えるのです。)を控えてるんで。巻き込んで悪かったねぇ。」とか
「まずは自分のペースで歩いてもらっていいから。」とか
なんとも至れり尽くせりの言葉をかけてもらえました。

というわけで、初挑戦の30キロウォーク!



自分でもびっくりするぐらい、普通に歩けちゃいました。
いやー、びっくりした。
元来、歩くのは得意なほうだと思ってはいたけれど。
ここまで普通に歩けるなんて。
人間にはひとつぐらい取り柄というものがあるんだなぁ、
としみじみ思ったのでした。

・・・ひとつぐらいしかない取り柄がよりによって
「歩くのが得意」というところにしょんぼりしないでもないですが。
どうせなら「メイクが得意」とか「料理が得意」とか
お得感満載の取り柄を身につけたかったよ・・・。

そして。
「全然、人と一緒に歩けない(ペースを合わせられない)」
という私のマイペース(=わがまま)っぷりを
改めてまざまざと突きつけられた一日にもなったのでした。

自分のワガママはきちんと自覚してるんだけど!
でも、ここまでだなんて思ってもなかったっていうか。

当初は幼馴染と仲良く並んで歩いていたはずなのに
和やかに色々と話しながら歩いていたはずなのに
残り10キロを切って
「あ。本当に疲れちゃった・・・。余裕ないわ、私。」
という精神状態になった辺りから
ごくごく普通に幼馴染をひとり残し、周囲のだれとも会話せず
ひたすらに黙々と自分のペースで歩き、
ふと気が付けば、「周囲に誰もおらず、ひとりぼっちで歩いている私」
という構図に気付いたときは、思わず心の中で「おー!のー!」と叫び
心底しょんぼりしたのでした。

びっくりしたー。
ごくごく普通にひとりになってる自分に心底びっくりしたー。
「だれか巻き込んでひとりじゃない!という気持ちにならなくては!」
とかいう変な危機管理能力で幼馴染を勝手に巻き込んだはずの私が
幼馴染を見事にひとりぼっちにしてましたよーっと。

・・・自分勝手にも程があるぜ。

と、なんとも学ぶところの多いウォーキング練習となりました。
次こそは、だれかと仲良くゴールを目指すのです。
それが私の目標です。


そういえば、びっくりしたことがもうひとつあって。
今まで何があっても「食欲がなくなる」なんてことを
経験したことのなかった私が、ウォーキング直後は
あまりの疲れっぷりに「食べられない」という事態を初体験しました。
びっくりしたー!!
1、2を争う大好きな食べ物のカレーがこれっぽっちも喉を通らんかったー!
お腹はものすごーーーーーくすいてたのに。
門司港名物の焼きカレーはすごくすごく美味しいのに。

そんなこんなで、次回の目標は
 ・だれかと仲良くゴールを目指す。
 ・ゴール後においしくご飯を食べる。
このふたつです。
どちらかひとつぐらいは(主に後者の可能性大)達成できるはず!

食い逃げ未遂

2014年01月25日 23時12分47秒 | 日常生活
大好きな地元百貨店で鹿児島物産展があってるよ!と聞いて、
母上とふたり、「行かなきゃ!」と勇んで百貨店に向かいました。
なにせ、わたくし、鹿児島名物のお菓子の数々を愛してやまないのです。
ふくれ菓子にいこ餅に高麗餅に伊集院饅頭・・・どれも物産展がある度に
「行かなきゃ!」という気にさせてくれる大好物の鹿児島名物です。

まして、本日は土曜日。
人も割に集まっているはずなので、試食がたくさん出てるんじゃないのー??
という期待もあるわけで。わくわくを胸いっぱいに抱えて百貨店に向かいました。

が。
何をどう間違えたのか、百貨店の催事場に鹿児島物産品はこれっぽっちも見つからず。
繰り広げられていたのは「ギフト解体セール」でした。

・・・あれぇ?
鹿児島名物ふくれ菓子は?いこ餅は?高麗餅は?伊集院饅頭はーーーーーーー??
とぐるぐるぐるぐるフロアを回りまししたが、やはり見つからず。
母上とふたり、嘆き悲しみながら地階に下がりました。
試食楽しみにしてたのにー!!

推察するに、(って、推察するも何も私自身のことなんだけど、それでもあえて推察すると。)
わたくしたちふたり共に鹿児島物産展の「開催期間」を全く確認していなかったのです。
でも、なんとなく私には「そういえば開催期間がえらく短かったような・・・」記憶がうっすらとあるわけで。
結局は「一事が万事」ってこういうことを言うんだよね。
「神は細部に宿る」んだよね。
こういう「不注意」とか「無頓着」が私の人生の根幹を成してるんだよ・・・。
ということを噛みしめながら地階食品売り場に向かったのでした。
地階食品売り場に向かいながら、

もーね。
かくなる上はね。
地階で試食を楽しむしかないよね。
とすっぱり気持ちを切り替えました。
失敗を引きずらないところは私のいいところ!(のはず。たぶん。そう思いたい。)

というわけで。
地階食品売り場で試食のバームクーヘンを食べ、試食のモンブランパイを食べ、
試食のエクレアを食べ、試食のチョコエクレアを食べ、

「で、結局、何を買うよ?」

と母上と相談しつつ、ふらふら歩いていたところ
カウンターの上に並ぶチョコレートトリュフが私の目に飛び込んできたのでした。
トリュフ!しかも丸ごと一粒!あれ、絶対においしい!!
と、興奮しながらカウンターに向かい・・・
すんでのところで、今まさにお金を払おうとしているお客様の姿に気付いたのでした。

危なかったー!
もう少しで、窃盗の現行犯になるところでした。

「てっきり試食だと思ったんです。」とか恥ずかしいコメントを
(しかも、誰も信じてくれそうにないコメントを)世間に公表するところでした。

結論として。
お腹が空いているときに食品売り場に行くもんじゃないよ、ということと
カウンターに無防備に置かれているものがどれも試食品だなんて思うんじゃないよ、
世間はそんなに甘いものじゃないんだよ、ということを己に言い聞かせつつ
大好きな地元百貨店を後にしたのでした。

さて、次は。
大大大好きなバレンタインデーシーズンがやって来るのです。
これまた期間中に一度は遊びに行かなくては。楽しみです。

寝る子は育つ

2014年01月24日 23時44分04秒 | 日常生活
世間では、1月を「行く」、2月を「逃げる」、3月を「去る」と言い
年明けてからの3か月間はあっという間に過ぎ行くから心して一年を始めるように!!
と戒めているんだとか。

けれど、私の今年の1月はひっじょーにゆっくりまったりと過ぎています。
もうとっくに3月ぐらいになっててもいいはずなんだけど、まだ1月。そんな気分。

なにせ、1月に試験がふたつも控えていて、
ひっさびさにテスト勉強なるものにとりかかってみたのです。
ひっさびさ過ぎて「試験勉強」をどうやってすればいいのか、そこからちっともわからなくなってました。
実際に試験勉強に取り組んでいる時間よりも途方にくれてる時間のほうが圧倒的に多かったような・・・。
そもそも、どうやって勉強すれば理解できたり記憶できたりするんだっけ?
と、そこから路頭に迷うぐらいの受験勉強迷子っぷり。
試験勉強をしていた頃のことなんて、てんで思い出せませんよー!

でも、確実に言えることは、約20年前の自分はこういった試験勉強を黙々と
(否、現実逃避を盛大にしてはいました。それでも、私なりに黙々と)やってたわけで。
すげーな、約20年前の私!と思わず時を超えて10代の自分を絶賛。

している間に、無事、試験2つを乗り越えました。
・・・乗り越えられたかどうかは、来月か再来月あたりまでわからないんだけど。
でも!
とりあえず終わったのです!!
もう、今の私にできることは何もない。

とりあえずは、通勤時間を試験勉強に充てていた日々ともいざ、さらば!です。
割に重い参考書を「通勤中に読めるように・・・」と持ち歩いていた日々ともさようなら。
真面目に持ち歩いて、バスに乗るたびにページを広げては
1、2行読んですやすやと眠りこけていた日々ともさようなら。
家に帰りついて、さあ、勉強しようと思い立った途端、
強烈な睡魔に襲われる、という謎の現象ともさよならなのです。

・・・要するに、よく寝た1月だったな、と。

試験が無事に(かどうかはまだ分かんないんだけど。)終わり、1月も残り少し。
はてさて、2月もこのまままったりのんびりモードで進んでいくのか
それとも今までの分を取り戻すかのように、逃げ出していくのか
あるいは、寒さに負けた私が2月の意向なんてそっちのけで、
ほとんどの時間を冬眠に充ててしまうのか。

どんな2月になるのか、楽しみでなりません。

ナントカと鋏は使いよう

2014年01月18日 14時23分42秒 | 日常生活
東京からお客様がいらっしゃったため、福岡の冬の名物、ふく尽くしのコースをご案内しました。
久々のふく!と興奮し、(私が。)
やっぱり美味しい!ふく!!とはしゃぎ、(私が。)
久々のふく尽くし!!食べなきゃ!!とおおいに食べました。(私が。)

そんな感じでお客様のことをすっかり忘れて
自分の欲望に正直に生きた罰が当たったらしく、
帰宅直後から咽喉の調子がどうにもおかしい。咽喉の奥に漂う大きな違和感。
唾を呑みこむだけで胸の奥が痛いし、終始違和感が消えないし。

これは。
もしや。
世に聞く「魚の骨が咽喉に刺さっている」という状態では?
と恐怖に打ち震えた金曜深夜。

でも、気のせいに違いない。
そんな自分の欲望に忠実に生きたぐらいで罰が当たってたまるもんかい。
庶民なんだもん。久々のふくに興奮するぐらい、許されるはず!
この咽喉の痛みだって、明日起きたら、過去のものになってるはず。

と、言い聞かせながら、眠りにつきました。
それなのに、朝起きても痛みはひかず。
起床直後の朝の珈琲を犠牲にし、ひたすらに白ごはんを噛まずに呑みこんでみましたが。
やっぱり喉の奥の違和感はなくならず。

へたれな私はすぐさま「いやーん!」と耳鼻咽喉科に泣きつきました。
普段、病院とか病気とかお薬と縁がないため、
ちょっとした痛みや違和感にとてつもなく弱いのです。
我慢なんて日本語、知らないもん。

とはいえ、普段、病院とか病気とかお薬と縁がないため、寄り付くことない耳鼻咽喉科。
その上、最寄りの耳鼻咽喉科はたいそう評判が良く、
いつもいつも患者さんが長蛇の列。2時間待ちなんて当たり前さ!
という素敵なんだか素敵じゃないんだかちっともわからん病院なのです。
慣れてなさも相まって、戦々恐々としながら受付に向かいます。

案の定、現在の受付人数は56人、予測待ち時間は189分という
思わずため息をつくしかな驚異的な数字が掲示板に示されており。

ひゃくはちじゅうくうふん、ですと?
そんなに長く待っとられませんがな。

と受付票を財布にしまいこみ、潔く自宅に戻ったのでした。

なにせこの病院、現在、診療中の方の受付番号とか
今時点での待ち時間とか、待ち人数とか、
そういった情報をすべてネットで確認できちゃうので、病院にずっといる必要がないのです。
外出だって全然おっけーなのです。すごい便利。
文明の利器万歳!ネットの発達万歳!

というわけで、家に帰って、ごろごろと朝の連続テレビ小説を見たり
だらだらと雑巾がけをしたり、母上とおしゃべりをしたり
ネットで待ち状況を確認するついでに、ネットの世界を漂ったりしていました。

受付番号が10番前になってきたので、そろそろ出発しようかしらー。
と、思っていたちょうどそのとき。
病院から携帯に連絡が入りました。
な、なにごと?と電話を取ったところ
「今、どこですか?」と怒り心頭(と思われる)受付の方の声。

「家ですよー。」とお答えすると、すんごい勢いで
「もうとっくの昔に番号呼ばれてますけど!
 キャンセルするならするで言っていただかないと!!」と怒られました。

・・・へ?とっくの昔に?
私の番号が?よばれてました?・・・あれ?
え?だって・・・189分待ちだったのに?
そんなにさくさく診察が終わっちゃいました?と状況を理解できないでいる私に対し、

「のりぞうさんの受付番号は26番でしたよね?
 結構、早い時間なんですから、ちゃんと来てもらわないと!
 どうするんですか?来るんですか?」

とおかんむりの模様。当然だよ・・・。

でも!でもでも!!
私、自分の受付番号を完全に勘違いしてたんですよ!
26番なんて数字にこれっぽっちも聞き覚えがないのですよ。
てっきり57番だとばかり・・・。
ずっとネットで状況をチェックしてたのに・・・。
ホントにホントにごめんなさいっ!!

と言い訳を山ほどしつつ、「今からダッシュで向かいます!」と答えました。
答えた後、一気に弱気になり
「あ。でも、もうキャンセルにしていただいてもかまわないですけど。」
と付け加えたところ、「今からすぐ来られるんですよね?」と念押しをされ
「早く来てくださいよ。」と午前中の診断を許されました。
ええ人やー!

とりあえず、ダッシュで病院に向かい、再度受付を済ませ
診察までの待ち時間にお財布の中を再確認。
ホントに私の受付時間って、26番なの?
私のこの受付57番という記憶はいったい、どこから生み出されたの?

疑問はすぐに氷解しました。

お財布の中に入っていた「受付番号:26」と書かれた1枚の紙。
のすぐ下に入っていた「受付番号:No.57」とでかでかと書かれた牛丼やさんのレシート。

犯人はお前かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!

ネット文明がどんなに発達しても、
人間の注意力があんぽんたんだったら、何の役にも立たないっていう、
そんなお話をIT業界の片隅に生きる人間が身を以てかみしめましたよっと。

そんなこんなで久々の耳鼻咽喉科をスリリングに楽しみました。
心配していたふくの骨は私の咽喉では見つからず。
しかしながら、喉の腫れが尋常じゃないですよ!!とお医者様に驚かれ
来週また来るように、と言い渡されました。
(ついでにふく尽くしのコースが余裕で食べられちゃうんじゃないかな?と思うぐらいの
 診察料金を払いました。ちぇっ。)

とりあえず!
来週も病院なのです。
来週こそは文明の利器を立派に使いこなしてみせるのです。
待ってろよ!ネット予約!

同じ穴のムジナ

2014年01月18日 13時48分41秒 | 日常生活
東京からお客様がいらっしゃったため、福岡の冬の味、ふく尽くしのコースをご案内しました。
「福岡の冬の味」ではあるものの、一般的過程で過ごす私はふくなんて
シーズン中に運よく一度、食べるか食べないか・・・、
どちらかというと食べないままに冬が終わってしまうことのほうが多いよね、
という触れ合い具合なので「役得♪役得♪」とばかりにふくに舌鼓を打ちました。
んまーい!!

わたくし、どちらかと言えば「あっさり」より「こってり」が好きだし
白身魚より脂どっさりの青魚が断然!好きだし
うっすら上品な味わいも「あぁ。これ、高そうな味だわ」と思ってしまうような
情緒のかけらもない人間なのですが、ふぐは心から「美味しいわぁ・・・」と堪能。
「格別」っちゃー、このことですかい。うまいっ!!

そんなわけで、コース序盤のふく刺しの辺りは我を忘れて、ひたすらに食べていましたが
ふく刺しなくなるあたりで、ふっと我に返りました。
いかん。いかん。本日はお客様をご案内してこのお店に来たんでした。

でも、まぁ、話好きで料理やお酒の知識がたいそう豊富な部長が隣にいらっしゃるため
安心しきっていたというのが本音です。
なにせ、ふくの美味しさとか、ふくの味わい方とか、福岡の他の名物のこととか、
美味しいお酒のこととか、今まで出張で食べた全国の美味しいものの話とか、
ご自分のご家族のこととか、とにかく話題が豊富なのです。すごいわー。

わたくし、決して無口な人間ではないし、「だまっておけ」と言われると、
それはそれで「いやいや、無理です!なにか喋らせて!」と懇願しちゃう人間なのですが
でも、自発的に話題を提供するのがとてつもなく苦手なのです。
まして初対面。普段は東京の方で接点がほぼなし。
となると、何から話せばいいのやら・・・とあたふたしつつ、沈黙が重くのしかかる
というまったくもって使えない(役に立たない)「おしゃべり」っぷりで。
すらすらと話題を提供する部長を心から尊敬しつつ、ふくを堪能していました。

が。
いちおー、接待に参加した人間として、お客様にも話題を振ったほうがよろしいのでは?
と思い至り、(思い至るのがどう考えても遅いタイミングではありましたが)
部長に集まりがちな会話に口を挟みつつ、折に触れ、お客様に質問を振ってみました。
お客様に質問を振っても振っても部長に会話の主導権が戻ってくるため、次第に

「えっと、東京ではどうなんですか?」
「でも、山田部長(仮名)もお子さんいらっしゃるんですよね?おいくつですか?」
「でも、武田さん(仮名)の奥さまもお酒好きなんですか?一緒に飲まれます?」
「でも、山田部長(仮名)も結構、出張に行かれてますよね?
 どちらが一番、印象に残られてますか?」

と、会話の主導権をほかの方向にばらす、という作業にのめりこんでしまいました。
もう自分でも何がしたいのかわからなくなっているというか、
コミュニケーションの本質を見失っているという気がしないでもない。

でも、とりあえず沈黙に支配される飲み会、という最悪のケースは回避できました。
飲み会後半はお酒で口がほぐれたのか、部長だけでなく、お客様も随分とフランクに喋ってくださいました。
よかった、よかった。
ふくも美味しかったし、満足!(私は!)
と、充足感を胸にお客様をホテルに送り届け、後輩と共に「お疲れ様」と言い合ったところ。
後輩から「すごいですね。のりぞうさん。」と褒められました。

え?何が?

「すごいです。初対面の人とあんなにたくさん話せて。
 ずーーーーーーーーーっと話してましたよね?」


・・・えっと。
そんなに「たくさん話している」ふうに見えましたかー。
私、お客様に話をふってるだけのつもりだったんだけど。
でも、「あんなにたくさん話して」と言われるぐらい喋ってたんだろうなー。
そっか。そっかー。

・・・無自覚ってホント怖いわ。と思いました。
気を付けようっと。

英国王のスピーチ/2010年イギリス・オーストラリア

2014年01月17日 23時38分12秒 | 映画鑑賞
■英国王のスピーチ/2010年イギリス・オーストラリア
■監督:トム・フーパー
■脚本:デヴィッド・サイドラー
■出演
 コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ、ガイ・ピアース

■ストーリ
1930年代のイギリス。国王ジョージ5世の二男アルバート(のちのジョージ6世、コリン・ファース)は、吃音症のため満足にスピーチ一つできなかった。彼は、社交的で献身的な妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)のすすめで、オーストラリア出身の平民な上に型破りな自称専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の治療を受けることに。徐々に効果も表れ、王族相手にまったく臆しないライオネルとアルバートは、やがて友情で結ばれてゆく。そんな折、即位したばかりの兄エドワード8世(ガイ・ピアース)が、全国民を驚かせる決断をする。

■感想 ☆☆☆*
 年末年始は深夜に映画がたくさん放送されるのも楽しみのひとつです。「見たい」と思ってた作品が満を持して登場する至福の季節です。そんなわけで「英国王のスピーチ」。ずっと見たいと思っていました。

 見終えた一番の感想は、「望んでもいないのに、兄から国王を押し付けられた英国王ジョージ6世が気の毒でならないよ・・・」でした。けれど、「かわいそう」という気持ちが強いにもかかわらず、その気持ちと同じぐらい清々しさを感じた映画でもありました。
 彼が国王という地位を押し付けられてしまったのは、ジョージ6世が強い責任感と信念を持っていたから。「兄の事情なんて知ったこっちゃない。」と押し返すこともできたはずなのに、彼はその選択肢を選ばなかったから。それは、国の未来を本気で憂い、国民の幸せを真剣に願っていたから。彼のそういった人柄と地道な努力がきちんと報われたから、私はこの映画を見て清々しさを感じるんだろうな、と思いました。
 彼が努力を始めたのは、決して「国王になったから」ではない。即位前から「国王の一族として、その地位にふさわしくあるべき」と考え、自分の吃音症を治療しようと努力していた。そのことが彼の誠実さと生真面目さと、そして誇り高い人柄を端的に表していて、だからこんなにも応援したい、と思わせられるんだろうな、と思いました。
 そして、同時に、だからこそ、本来ならもっと自由に生きられたはずなのに、と思わずにはいられないんだろうな、とも思いました。こんなにも誠実で生真面目な人が「第二次世界大戦直前」というイギリスが、そして世界各国がもっとも大きな危機を抱えていた時代に王位を継承せざるを得なかったことは、きっと歴史の流れに大きく影響しているはずで、彼ではなく、彼のお兄さんであるエドワード8世が国王になっていたら、まったく違う歴史になっていただろうな、と歴史の流れに思いを馳せました。

 王位継承が決定し、彼は「こんなこと、一度も望んでいなかったのに。」と号泣します。思いもよらなかった王位継承に戸惑う彼の「王」ではなく「ひとりの人間」としての姿が非常に印象的な場面。そして、私はこの場面で、日本の皇族たちに思いを馳せずにはいられませんでした。私の勝手な思い込みや肩入れかもしれないけれど、彼らもこんなふうな葛藤を抱えてきたんじゃないかな、今も抱えているんじゃないかな、と思わずにはいられないのです。

「人は、その地位にふさわしい品性がついてくる」という言葉を聞いたことがあります。この映画で描かれるジョージ6世は、その地位にふさわしい品性を「自分の努力によって」培った人物でした。自分の努力に裏付けされているから、自分を信じることができる。自分を信じられるようになることで、人は変わることができる。それもまたひとつの事実だと思うのです。けれど、人を根っこのところで支えるのは自らの仕事に対する誇りや自信やだけではなく、自分を信じてくれる大切な家族や友人、自分の声に耳を傾けてくれる他者の存在なんだろうな、と思わせてくれるクライマックスでした。国王として、おずおずと始めた演説は、主治医ライオネルの誘導によって、少しずつ、少しずつ力強くなります。原稿を読む声に力が入り、感情が込められ、命が吹き込まれる。そんな自国の王のスピーチに対して真摯に耳を傾ける国民たち。その場面を見て、発信したメッセージが誰かに届く、ということは、すごくすごく幸せなことなんだな、と思いました。
 またBGMがとても静かな曲調でこの場面の邪魔をまったくしていないのに、力強く心に染み入り、印象深かったなー。あまりに印象的だったので、ぐーぐる大先生に「この曲、なあに?」と確認したところ、ベートーベンの「交響曲第7番第2楽章」でした。なるほど・・・。ドイツへの宣戦布告のようなスピーチの場面であえてドイツ出身の作曲家、ベートーベンの曲。と色々、考えさせられました。

 ラスト、彼と彼の主治医、ライオネルの友情が終生続いたことが字幕に記されてこの映画は終わりを迎えます。「終生続いた」、つまり、彼には家族以外にも心を許せる存在が終生いたのだとわかり、心から安心して映画を見終えることができました。

【ドラマ】都市伝説の女2

2014年01月16日 23時22分50秒 | テレビ鑑賞
■都市伝説の女2
■2013年度秋クールドラマ
■テレビ朝日金曜23時
■出演
 長澤まさみ、溝端淳平、竹中直人、平山浩行、宅間孝行、伊武雅刀、

■感想 ☆☆☆☆
 いつの間に・・・!と感嘆しながら長澤さんをみつめ続けたドラマでした。
いつの間にこんなに輝くように美しくなっちゃったんだろう、と。「美しい」という形容詞が似合うのに、近寄りがたいところが全くないのも長澤さんの魅力だなぁ、としみじみ思いました。「キュート」とか「愛らしい」という形容詞も似合っちゃう。
 あんなに完璧なスタイルがあって、その上、かわいくて美しいって、どゆこと?!と思わないでもないけれど、それなのに、まったく憎めないのが最近の長澤さんの魅力だな、と思うのです。
 数年前は、すっごくかわいいけれど、それ故にその「女性らしさ」「女の子っぽさ」がちょっと苦手・・・と思っていたのですが、(主に彼女が演じた役のせいではないか、と思わないでもない。それ故に、私は彼女が「ラストフレンズ」で演じた美知留も、「ゴールド」で演じたなんかとてつもなくドンくさいけどポジティブな秘書さんの役も大好きでした。どちらも、なんというか「女性をイライラさせるオンナノコ、女性に嫌われやすいオンナノコ」キャラが当時の長澤さんにすっごくはまっていたと思うのです。けれど、いつの頃からか、そしていつの間にか、「女性に仲良くなりたい!と思われる大人のチャーミングな女性」になったんだなぁ、すごいなぁ、と尊敬しながら見ていました。というか、素直に憧れながら見てました。月ちゃん、かわいすぎる。。。
平気で下ネタを言っちゃうところも含めて大好きでした。下ネタを口にしても、清潔感が消えないのも彼女の素敵なところ。しゅ

 そして溝端さん。かっこよかったー!
かっこいいのに、残念なキャラクターを楽しそうに生き生きと演じてるところが好きでした。月子に振り回されるMっ気気質のキャラクターなのに、マイペース月子の行動をまっとうに突っ込み続けるとか、素敵すぎました。

 期待通りのクオリティで、期待通りの中身のなさが大好きなドラマでした。週末に何も考えずに楽しめる、「わははー」と笑えるそんなドラマでした。エンディングも大好きだったなー。主要キャスト3名のキュートでポップなダンスがPerfumeさんの曲とよく合ってたなぁ。長澤さんと溝端さんのすらりとした手足が際立っていて、スタイルの良さをあますところなく見せつけてくれました。竹中さんは・・・何をやっても竹中さん。なんであんなに楽しそうなのかなー。ダンスの切れ味がめちゃんとよかったなぁ。同じダンスなのにひときわ目立つコミカルさで、さすが竹中さん!と思いながら楽しんでました。

また再会できるかなー。再会できますように!パート3を楽しみに待ち望みます。