のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

得意技は八つ当たりと物忘れ

2014年03月31日 23時58分05秒 | 日常生活
日曜日、地元友達と食事をし、「さて帰りますか。」という最悪のタイミングで、
お財布の中にお金がこれっぽっちも入っていないことに気が付きました。
入っていたのは、私の愛する百貨店でのみ利用できる商品券が5枚。
むしろ、この商品券が5枚も入っていたから、お金が入っているような気持ちになってました。
まさか使えないお金もどきしか入ってなかったなんて・・・と驚愕しつつ
「すみません・・・」と謝り、地元友達に頼ったわけですが。

本日、昼休み。
「そうだ!銀行に行かなくっちゃ!」と思い立ち、銀行へ向かいました。
無事にお金もどきではない、正真正銘のお金を財布に入れ、
ほっと安心しながら、会社に戻り、2階の売店で割り箸をわけていただきました。
本日、うっかりお箸を忘れてしまったのです。

こんにちはー。お箸分けてくださいなー。

とお願いをし、お箸もらうだけもなんだしなー、とついでにクッキーも手に取りました。
おやつ、おやつ♪

お金を払いますよ!という段になって、
お金を払うために必要なIDカードを自席に忘れてしまっていることに気が付きました。
うちの会社はIDカードに電子マネー機能が搭載されていて、
お給料日に一括控除することができるのです。
とても便利。でも、ついつい食べ過ぎちゃう。
そんな便利なんだか、困り者なんだか判断つきかねる代物です。
でも、今はとても必要。
あのカードがないと、お金、払えない・・・。

途方に暮れていると、売店の顔なじみのお姉さんが笑顔で
「クッキー代の80円つけとくよ!あとでカード持っておいで。」
とおっしゃってくださいました。

「ありがとうございます!!」と心からのお礼を伝え、
「すぐにカードを取ってきますから!!」と言ったところでハタと我に返りました。

・・・カード取りに戻れない。
事務所に戻るためには、IDカードが必要だというこの矛盾をどうしてくれよう。

と、すぐ隣に同じフロアの同僚を発見!
明らかに私を見て笑いをこらえている。けど、気にしないもん。

「いまどき、80円が払えないって・・・どゆことですか?
 『ツケ』って言葉、久々に聞きましたよー。」

・・・ですよね。私も久々に聞きました。
とりあえず、「ツケ」をすぐさま戻したいので、田中さん!(仮名)
フロアまで一緒に帰りましょ!私を5階まで連れて帰って!と懇願。

まさかねー。
こんなふうに殿方におねだりする日が来るなんて。
予想だにしていませんでしたよ。

と言いながらエレベーター前に移動していると、
同僚、田中さん(仮名)がふと私の手元に目を留めました。
「のりさん。その手に持っているものってお財布では・・・。」

・・・あ。わたし。
たった今、お金をおろしに銀行に行ったばかりでした。
80円なんて余裕で払えちゃう。
にも関わらず、財布片手に私は80円をツケてしまったのですかー。
と、思わずエレベーター前で膝から崩れ落ちたのでした。

なんでーーーーーーーーー!!
なんで、さっき、教えてくださらなかったんですかーーーーー!田中さんっ!(仮名)

と、思わず盛大に田中さん(仮名)に八つ当たりしました。
ごめんなさい。田中さん。(仮名)

五右衛門ロックⅢ/劇団新感線

2014年03月30日 23時21分42秒 | 舞台(キャラメルボックス)
□五右衛門ロックⅢ/劇団新感線
□ストーリ
太閤秀吉、栄華の時代。
天下無敵の大泥棒、石川五右衛門(古田新太)は、女盗賊の猫の目お銀(蒼井優)とつるみ、空海ゆかりの「黄金目玉像」という仏像を盗み出そうとするが、若き探偵「明智心九郎(しんくろう)(三浦春馬)に追いつめられてしまう。その仏像にはなんと空海が隠した黄金のありかを示す暗号が隠されているらしい。
その黄金のありかをめぐって、五右衛門の周りには曲者たちが大集合してくる。さあ、どうなる?!五右衛門!

□キャスト
古田新太、三浦春馬、蒼井 優、浦井健治、高橋由美子、橋本じゅん、粟根まこと、高田聖子、村井國夫、麿 赤兒

□感想 ☆☆☆☆☆
久々の新感線!久々の舞台!(を映画で見たわけですが。)に大興奮の3時間でした。
3時間と長丁場だったのに、あっという間に終わってしまいました。とにかく面白かった!
途中、彼らの活躍があまりに面白くて、あまりにかっこよくて、アドレナリンが放出され過ぎ、まったく笑う場面でもなんでもないのに、ひたすら笑顔で見守ってしまいました。それぐらいどの登場人物も「大好き!」という親近感が湧いてくる魅力的な人たちでした。

第三作目の五右衛門ロック。
残念ながら第二作目は、見逃してしまっているのですが、第三作目を見る限り、この作品、回を重ねるごとにお祭り騒ぎがパワーアップしてきてるんだろうな、という印象でした。初めて「五右衛門ロック」を見たとき、「井上歌舞伎」の様式美とかっこよさ、そして迫力あふれるステージ展開と音楽に身震いしたものですが、それらがどれもますます進化している感じ。歌もダンスも笑いもシリアスもどれもこれもお腹いっぱい楽しみました。幸せ!!

なんといっても主役の古田さん。
彼の身のこなしのかっこよさ、滑舌の良さとその迫力、あふれる色気は舞台ならでは。こんなにかっこいい人なんですよー!と誰彼かまわず自慢したくなります。第一作目と比べると、セリフなどは本人がいうところの「若者に見せ場を譲るのが大人の役目なの」ということで、若干、少なめでしたが、それでも押さえるところは押さえて、一番、かっこいいところを持って行く感じはさすがでした。第二幕のクライマックスで、スモークがんがんたいてかっこよく登場する場面は鳥肌立ちました。かっこいいにも程がある。
いっちばん好きだったのは、盟友、前田慶次郎を演じた橋本じゅんちゃんとお馬鹿でキュートなシャルル王子を演じた浦井さん、とぼけた演技で実は一番の黒幕だったんじゃ?と思わせられる春来尼を演じた高橋由美子さん、この4人が初めて遭遇した時のミュージカル場面。芸達者さんが4名そろってパワフルに歌い上げる場面は圧巻でした。また振付がセクシーだった!
何より!あの橋本じゅんちゃんと「盟友」で、仲良くつるんでないのに仲の良さがひしひしと伝わってくるところとか、お互いの生き方、生きざまを分かり合って、認め合っているところとか、そういう二人の関係にきゅんきゅんとしてしまいました。よかったなー。二人の友情。
あとは、お馬鹿でキュートなシャルル王子のあしらい方がなんというか実に的確で、ときめきました。素敵すぎる。

何を演じても自分色に役柄を染めてしまう橋本じゅんちゃんは今回、実にまっとうに素敵で裏のないまっすぐかっこいいじゅんちゃんでした。「所詮は傾奇者よ。」と偽悪ぶりながらも、まっとうに「国の未来」を案じ、秀吉に従うしかない家来や町民たち、「下の者たちのいのち」を大切にしている。そんな素敵な殿方をかっこよく演じていました。
彼に関しては、幼馴染のような存在の「石川五右衛門」との関係に最もときめきながら見ていましたが、豊臣秀吉の家臣としての盟友、石田光成との友情もときめきポイントでした。真面目な堅物、石田光成と傾奇者の前田慶次郎。一見、正反対なのに民を思う心、殿に従いゆく様は同じで、そのことをお互いに分かり合っているし、信頼もしている。その関係性が素敵だったなー。また、その堅物石田光成を演じていた粟根さんが「コメディ」部分は一切排していて、素敵にかっこよかったのです。家臣として「最後まで」秀吉に付き合う、と言い切る姿は、彼のその後を考えると、胸が痛くなる宣言でした。

後は、今回のゲスト、春馬さん、蒼井優ちゃん、浦井健治君!どの子もめちゃんこかわいかった!
特にシャルル王子を演じた浦井君はお馬鹿っぷりが果てしなくて、とてつもなくキュートでした。もーね、楽しんで演じてるなー、楽しいんだろうなぁ、と思いながらほほえましく見守っていましたが、終演後の舞台挨拶でも天然さんぶりとぽんこつぶりをあますところなく発揮していて、「お馬鹿でキュートなところは、演じてたわけじゃなかったんだ!素だったんだ!!」と微笑ましさに拍車がかかりました。かわいいにも程がある!「新感線さんの舞台が大好きなんで、演じていて楽しくて仕方がなかった」とも言っていましたが、本当に「楽しく演じている」様子がひしひしと伝わってきました。
春馬さんは安定のかっこよさ。今回、一番セリフが多く、激しいダンスシーンが多く、殺陣での見せ場も多く、と活躍続きの大変そうな役柄でしたが、それをどれもこれも颯爽と演じていて、プロだなぁ、と感嘆させられました。魅せられました。今まであまり彼の「かっこよさ」に注目したことがなかったのですが、初めて「たたずまいも身のこなしもかっこいい人だったんだなぁ」と認識しました。その上、歌もうまいなんて、天は二物も三物も与えすぎちゃってますよ!と心配になるレベル。ずるいなぁ。
でもって!!なんといっても蒼井優ちゃん!かわいいのにかっこよい。くるくるくるくるキュートに表情が変わって、小悪魔みたいに私たちをキュートなダンスで翻弄したかと思うと、すごく素直に春馬君演じる明智さんへの恋心を表情に醸し出して切ない気持ちを味あわせてくれて、かと思えば蓮っ葉な声で「どうせ泥棒稼業をしていた身。まっとうに死ねるなんて思っちゃいなかった!」なんて迫力満点に言い切ってみせたり。いろんな表情、声色、歌声を使い分けていて、その魅力を改めて認識しなおしました。舞台上での存在感がとてつもなかったです。でも、その中で最も心に残ったのは、弱っている春馬君に「素直に生きるのが一番。笑い時は笑って。怒りたいときは怒って。泣きたいときは泣いて。きっとそんな人に神様は味方してくれる。私も一緒に笑うよ。泣きたかったら肩を貸すよ。」と歌いかける場面でした。今までの蓮っ葉な盗賊仕様の声がウソのように素直なかわいらしい声で歌い上げる蒼井優さんはとてつもなくかわいらしい、女の子らしい女の子で、役者さんってすごいなぁ、と心底感嘆しました。

語り出したら止まらないぐらいどの登場人物も魅力的。悪人も悪人らしくかっこよく、実に魅力的でした。
けれど、別格の存在感を醸し出していたのは、秀吉だったかな。彼が最後の最後に見せた底知れない虚無感、孤独は、この舞台を「単なるコメディ」ではないものにしてくれていた気がします。

とにかく面白かった!また見たいなぁ。
九州ではなかなか舞台作品を見る機会がないので、ぜひもっともっといろんな作品を企画してほしいです。

境界線が見えない

2014年03月29日 11時51分42秒 | 教会生活
次年度の活動計画をたてるため、青年会のメンバーでファミレスに集まりました。
今回は活動計画だけでなく、今年度決算資料やら、来年度予算資料やらを
確認してもらわねばならんのです。決めなきゃいけないことが目白押し。
にも関わらず、もとい、だからこそ?すでにぐったり。
お腹いっぱい!という気持ちでファミレスに集合です。

そもそもお金のことにまるっきり興味がない!
と常々公言しているにも関わらず、今年度は何の因果か会計担当。
向いていないにも程がある・・・。

案の定、決算資料は間違いだらけで、指摘指摘の嵐。
決算資料を作り上げるだけで精根尽き果てて、
予算資料にはたどり着けていないというのに、このクオリティって・・・
どゆこと?!と思わず問いただしました。おのれに向かって。

でもって、ごめんなさいよー。と心からの反省をしたのでした。
さすがやっつけ仕事で資料を仕上げただけのことはあるよねー。
と納得しつつ、心の中でそっと謝りました。

「やっつけ仕事なんですよ。だから資料ぼろぼろなんですよ。」
っていう告白は、さすがにできませんでした。
面の皮の厚さでは誰にも負けない!と自信を持って言える私ですが
さすがに今回は良心の呵責を感じまくりなのです。
そっと恥じ入ってみたりしていたのです。・・・みんな気付いていないと思うけど。

心の中では「みんな、私の300倍は忙しいのに、ごめんなさいよー!」と
誠心誠意謝ってました。
それぐらいの良心は私の心の中に残ってたんだなってことを再確認できました。

なんで、それを表に出せないかなー。
恥ずかしがり屋の九州人気質ってこわいなー。
と思いながら、帰り支度をしていると、役員仲間の青年が

「そういえばさー。
 さっき、ふと初めて会った時ののりさんのことを思い出したんだけど
 あの頃ののりさんって、すんごい下ネタキャラだったよね?」

と話しかけてきました。

・・・え?
それ、私の話?
初めて会ったときって、私がまだ福岡にいた頃のこと?
福岡の青年会の集いにきみたちがやって来て鍋をつついたあのときのことですよね?

と、思わず丁寧に確認。

「そうそう。そのとき。びっくりしながら鍋食べたもん。
 すごい人だなー、って若干、ひいてたからね。」

という言葉に、はて?と首をかしげたのでした。
あれ?私、そんなに下ネタ話してましたっけ?
そんなに強烈な印象を残すほどの?

何度、思い返しても心当たりがナイ。

とはいえ。
わたくし、いつだって、下ネタを話している気なんてさらさらないのに
「え?そんな話もするんだ?」と驚かれること多し、なのです。
なんなら、未だにどこからが下ネタなのか、その境界線が分かってない。
境界線をはるかに超えたあたりで、
「こりゃ、いくらなんでも下品な展開だわ。」
と気づくこともあるけれど、いったい、いつその境界線を踏み越えたのかがてんでワカラナイ。

そんな自分のぽんこつぶりを思い返し
「あぁ。確かにそうだったかもー。」と回答したところ
「そうやろ?あの頃、すごかったよね!」とすごい勢いで言われたので、思わず

うん。好きー。

と答えたのでした。で、答えた直後に、

「うん。好きー」って!!なんだ?それ?

と自分で自分のその回答に「はて?」と首をかしげたのでした。

でも、きっと。あながち間違ってはナイのです。
境界線が分からないってことは、拒否感を抱いていないってことで。
つまり、私はおそらく、そういう話を嫌いではないんだろうな、と思うのです。

でも、わざわざ「好き」と宣言する必要があったのかどうか。
そこは間違っていないのか、と問われると、
「間違ってるかも・・・。いや、間違ってる!」と思うわけです。ジョシとして。

勝ったのやら、負けたのやら

2014年03月25日 23時41分32秒 | 日常生活
通勤時間は基本的に読書と睡眠に充てています。
気持ちはまるっと読書に充てる気満々ですが、ふと気が付くと(とてつもなく早いタイミングで)
熟睡してしまっているため、結果としては睡眠時間多めの通勤時間です。

気持ちに体が追いついてかない。
・・・というには、あまりに不甲斐ない結果続きの毎日。


ところが、本日。
読みさしの本があまりに面白かったため、久々に読書欲が睡眠欲に打ち勝ちました。
素敵!
このところ、睡眠欲さんの圧勝続きだったというのに。
一体、何日ぶりの勝利かしらー。
と、にこにこしながら気持ち良く電車を降り。


はて?と首を傾げたのでした。
えっと・・・。ここいづこ?

最寄駅のホームに降り立ったつもりなのに
右を向いても左を向いても、なんならぐるっとその場で一周廻っても。
まったくもって見覚えのない駅のホームです。

・・・と、いうことは、つまり。
久々にやらかしてしまったわけで。
近くて遠いあの駅に、またもや降り立ってしまったですかー。と、がっくり肩を落としたのでした。

案の定。
駅のホームの電光掲示板は無情にも、次の電車の到着時刻を35分後だと示していて。
たった1駅戻りたいだけなのにー!
電車に乗ってしまえば3分で戻れる距離なのにー!
と、更にがっくり肩を落としたのでした。


そのうえ、本日は珍しく読書欲が睡眠欲に打ち勝ったため、
持ち歩いていた本をタイミングよく読み終えてしまったのです。
駅到着と同時に本を読み終えて、すっきり電車を降りたはずなのに。
電車を降りた途端、「今こそまさに本が必要!」というタイミングに襲われるというなんとも不可解な展開。

この手持ち無沙汰感、どうしてくれよう。
と釈然としない気持ちを抱え、駅でひとりぽつんと30分を過ごしたのでした。


本日の教訓。
とりあえず、本は2冊持ち歩くべし。
世の中、一寸先は闇なのです。
いつ何が起こるか分かりません。

って、自業自得なのか。しょんぼり。

アナと雪の女王/2014年米国

2014年03月23日 22時04分15秒 | 映画鑑賞
□アナと雪の女王/2014年米国

□吹替版 声の出演
神田沙也加、松たか子、ピエール瀧、原慎一郎、津田英佑

□ストーリ
触れたものを凍らせたり雪や氷を作る魔法の力を持って生まれたアレンデール王国の王女・エルサは、8歳のある夜、妹のアナと魔法で遊んでいるときに、はしゃぎすぎたアナを助けようとして自分の力を制御できず、彼女を傷付けてしまう。幸い、アナはトロールの力で回復したが、姉の魔法に関する記憶を失う。そして、エルサは魔法を制御するため、誰とも触れ合わず自分を抑えて生きることを強いられる。
10年後、二人は両親を海難事故で亡くし、成人したエルサは女王として即位することになる。しかし、即位式の後、アナとの口論から、思わず人々の前で魔法を暴発させてしまう。

□感想 ☆☆☆☆☆☆
アンデルセン童話「雪の女王」を原案としているものの、ディズニーらしく大幅に大胆に翻案されていました。見事だったなー。とにかく素敵な映画でした。見終えた後に「もう一度、見たい!」と強く思いました。サントラ盤を購入しなければ。

見ている間中、ひたすらに思ったことは、すぐ近くにいる人たちに「助けて」と言うことの大切さ。「助けて」と言うことさえできれば、たいていのことは乗り越えられるし、解決できるかもしれない。そう思える映画でした。
けれど、同時に、素直に「助けて」と伝えることはとても難しいことなんだろうな、ということをひしひしと感じた作品でもありました。

自分の力が制御できずに大好きな妹を傷つけてしまったエルサが、人と関わることに対して臆病になってしまうことにも、妹が大好きだからこそ、妹を傷つけたくなくて、妹を遠ざけてしまうことにもすごく共感できてしまう。自分でも制御できない魔法について、唯一、知ってくれていた両親すら亡くしてしまい、ひとりで秘密を抱え続けるエルサの恐怖も、すごくすごくよく分かる。だから、暴走してしまった自分の力故に「山奥でひとりで生きていくこと」「人と関わらずに生きていくこと」を決意するエルサを辛い気持ちで見守り続けました。大好きな自分の国と大好きな妹に背中を向ける。大好きだからこそ、遠ざける。

けれど、どんなに逃げようとも、どんなに遠ざけようとも、所詮、人はひとりでは生きていけないのです。どうしようもなく人と関わりあってしまう。山奥に逃げたはずのエルサの魔法は国全体に影響し、国中を冬に変えてしまう。遠ざけたはずの妹も、迷うことなく姉を追いかけてくれる。どんなに遠ざけても遠ざけても「遊ぼう」「一緒に過ごそう」「扉を開けて」とノックし続けるアナの存在は、きっとエルサにとって、「また傷つけてしまうかもしれない」という恐怖の対象であり、「魔法を持たないごくごく普通の女性」だからこそ、コンプレックスの対象でもあり、そして同時に大きな救いでもあったんだろうな、と思いました。

映画のテーマは「自己犠牲」。
エルサを救ったのはアナの無償の愛。そして、アナを救ったのもエルサの無償の愛。
「無償の愛」という言葉を安易に使ってしまうと、とても空々しいけれど、それは雪だるまの妖精、オラフ曰く「誰かのことを自分以上に大切に思う気持ち」、「自分よりも相手を大切にする気持ち」と、とてもシンプルな構造で、きっと誰の心の中にもきちんと存在している感情。
その感情をこの映画では、「男女」の関係においてではなく、姉妹の絆によって見せてくれたので、「嘘っぽい」などと思うことなく、とても素直に受け取ることができました。

吹替版では、とにかく松さん、神田さんの演技がとても素晴らしく、ひたすらに魅了され続けました。特に松さんの「自分らしく生きていく」という決意を込めて歌う主題歌は力強く、このままずっと聴き続けたいと思わせられる名曲でした。「圧巻」という形容以外、何も思い浮かびません。
彼女の歌声が力強ければ力強いほど、その裏に隠れている「助けて」という悲痛な叫びや彼女の抱き続けていた孤独も浮かび上がってきた気がします。あんなにも心が痛くなる歌声はめったにないと思う。

ドラえもん のび太のひみつ道具博物館/2013年日本

2014年03月22日 09時38分25秒 | 映画鑑賞
□ドラえもん のび太のひみつ道具博物館/2013年日本
□監督:寺本幸代
□声の出演
 水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一

□ストーリ
 昼寝中に怪盗DX(デラックス)と名乗る人物に首の鈴を盗まれてしまったドラえもんのため、シャーロック・ホームズセットを使って調査を開始したのび太は、あらゆるひみつ道具が展示されている未来の博物館「ひみつ道具博物館」が関係しているらしいと知る。鈴を探すため、博物館に訪れたドラえもんたちが案内役のクルトと共に博物館を見ていると、怪盗デラックスから新たに予告状が届いた。果たして彼の正体とその目的は?そして、ドラえもんの鈴は無事に取り戻せるのか?

□感想 ☆☆☆*
映画のドラえもんが大好きです。普段はどうしようもないところしか見せないのび太くんが、彼の最大の長所である「やさしさ」とか「素直さ」とか「誰かのためだったらがんばれるところ」とかを見せてくれる。そして、普段は弱い者いじめに走りがちなジャイアンがその裏に隠している「仲間最優先で動く男気」とか「リーダーシップ」とか「勇気」をいかんなく発揮してくれる。ふたりともたくさん欠点を持っているけれど、でも、本当に追い詰められたとき、そして仲間のピンチのときに発揮する底力を持っているところがすごくすごくかっこいいなぁ、と思うのです。そして、そういうところをきちんと見せてくれる映画が大好きです。

というわけで、映画ドラえもんシリーズの通算第33作目です。声優さんが世代交代してから(第2期シリーズでは)第8作目。そして、第2期4作目のオリジナルストーリーです。
とにかくエンターテイメントあふれる作品でした。おもしろかったー!!ひみつ道具博物館が舞台となっているだけに、懐かしの秘密道具があれこれ出て来て、「おお!久々に見たよー!!」と、興奮しました。そして、まったくもって万能ではないシャーロック・ホームズセット!これも面白かったな。ここまで使う人の腕が試されるひみつ道具ってなかなかないと思うのです。この道具を使いこなせる人は、ヒントなんかなくったって、謎を解いちゃうんじゃないかな?と思うぐらいなかなかにミステリー・マニア向けのひみつ道具でした。でも、ドラえもんのひみつ道具はどれも「使いこなしてこそ!」のクオリティばかりなのです。そもそも、道具というものは、ひみつ道具に限らず、私たちの身の回りのものどれもが「使う人次第」なのです。便利になったり喜びを与えてくれたりもするけれど、使い方を間違えると、大きな悲しみを生み出すこともある。そういう「道具」の「基本」を忠実にふまえたひみつ道具だったなぁ、と見終えて思いました。

映画なので、ドラえもんだけではなく、のび太もしずかちゃんもジャイアンもスネ夫も、みんな等しくがんばり、みんな等しく見せ場を与えられます。今回は特にドラえもんの四次元ポケットになぜかすっぽんロボットが入り込んでしまう、というなんとも間抜けな設定で、ドラえもんはみんなと同じぐらいへっぽこになってしまうのです。「よし!任せといて!」と手をポケットにつっこんではすっぽんロボットに噛まれるため、ひみつ道具を取り出すことができない。もちろん、舞台がひみつ道具博物館なので、ひみつ道具自体は使えます。けれど、ドラえもんが秘密道具を出してくれるわけではないのです。ドラえもんに頼るわけにはいかない、という状況のため、今まで以上に「誰かがひとりがんばって窮地を乗り越える」のではなく、みんなで知恵を出し合って、みんなで助け合って、力を合わせてピンチを乗り越える。そんな作品になっていました。そして、私はドラえもん映画のこのスタンスが大好きなんだなー、と改めて思いました。
みんなが等しくがんばる。そして、みんなが等しく諦めない。もうだめだ!という場面でも、最後の最後までがんばり続ける。これぞドラえもん映画!という映画だったような気がします。

・・・ただね。ドラえもんが怪盗ドラックスになって大活躍するクライマックスシーンだけはね、どうにもこうにも笑わずにはいられませんでした。クライマックスなのに!ドラえもん大活躍しているのに!あんなにぶさいくなドラえもん見たことないですよー!!と、何度も思いました。深夜2時前にひとりドラえもんを見ながら大笑いしてしまって、若干、落ち込んでしまったですよー・・・。
ドラえもんは、ころころ丸くて手足も短いあのコミカルなフォルムが一番愛らしいんだな、ということをきちんと知らしめてくれた作品でした。かっこよく機敏に動くドラえもんなんてドラえもんじゃないやい。

でもって、一番の見せ場はなんといっても、ドラえもんとのび太の友情です。ドラえもんがのび太くんちに来て初めて心を通わせあったときのエピソードが披露されます。この場面でドラえもんがのび太君を評して「君は、勉強も駄目。運動も駄目。根性もない。でも。でも、君はいいヤツだな。」というセリフは名言だなぁ、と思いました。「どこがいい」と具体的に言える長所がある人ももちろん、とてもすてきだけれど、でも、誰かを好きになるとき、誰かと仲良くなるとき、誰かに惹かれるとき、「理由」なんて明確に言えないと思うのです。明確に言える長所なんてない。でも、「いいヤツ」だと思えるような関係を築けたら、それが一番、理想的な人間関係なんじゃないかな。私は、そういうふうに言われる人になりたいな。

さて、次のドラえもん作品は、「のび太の大魔境」のリメイクです。これまた楽しみ!

沈黙の美学

2014年03月15日 08時38分37秒 | 日常生活
父上の誕生日を祝うため、妹さん一家と共に中華料理屋さんへ。
美味しいご飯を堪能しました。

お腹を空かせていた甥っ子君は、来るおかずすべてに対して
「これ、ぼくの!」と言い張ってもりもり食べ

頼んだおかずの味がどれも好みだったらしい義弟君は白ごはんと麻婆豆腐を追加し、
妹さんから「麻婆追加は余計やったよね。」と怒られて

最近、「一度に多くを食べられない」らしい妹さんは
「もうおなかいっぱい!苦しい!でもごま団子は食べたい!」
と煩悶しながら頼んだごま団子に「めっちゃおいしい!!」と喜び

当初は見慣れないごま団子を恐る恐る口に入れていた甥っ子君は
ごま団子をぱくりと食べ終えると「まだ食べゆ。」と言い張り

母上は私とパセリの争奪戦を繰り広げて
(しかも娘に「それ、私のパセリ!だめ!」と怒られ)
妹さんから「パセリの取り合いをする人たちがいるなんて。ありえないんですけど。」と驚かれ

父上はひたすらに黙々と、黙々黙々黙々とご飯を食べてお酒を呑んでいました。

・・・どれだけ真剣に思い返しても、
昨日の食事の時間に父上が発した言葉を
「ありがとう。」以外、一言たりとも思い出せません。
この「ありがとう。」は、みんなからの「お誕生日おめでとう。」に対して
母上から(またもや)「ありがとうって言った?」と、催促されて言った「ありがとう」なわけで。
主役がここまで存在感を消すことができるって、すごいな、と思いました。


いや、違うか。
こんなに一言もしゃべっていないのに、
これっぽっちも存在感が消えてないってことがすごいのか。

三つ指ついて出迎えます

2014年03月13日 22時33分21秒 | 教会生活
次年度の活動計画をたてるため、青年会のメンバーでファミレスに集まりました。
私以外のみなさまは、年度末など関係なく、1年365日いついかなるときも
とてつもなく多忙のため、平日の仕事帰り21時からの打ち合わせです。
飲み会に参加していない限り、そそくさと家に帰っている私は
「みんな働き者だよねぇ・・・」と尊敬のまなざしで眺めつつ参加するしかないのです。

幸い、指定のファミレスは我が家から徒歩3分。
21時開始であれば、一度帰宅してご飯食べてお風呂まで入れちゃう。
それでも余裕で間に合っちゃう。

というわけで、仕事が終わると同時にそそくさと家に帰り(いつも通り)
もりもりご飯を食べ、(いつも通り)
「父、お先に失礼します。」と断りを入れてから(いちおー、気を使ってみました)
我が家の一番風呂を強奪し、(いつも父上が温度調節をしてくれているため
勝手分からず、あたふたしました。一番風呂って・・・苦手。)
ドライヤーでえいやっと髪の毛を乾かし、(ジョシとしてがんばってみた!)
よし!用意万端整った!いざ!とファミレスへ向かったのでした。

ファミレス到着がジャスト21時。
見たかい。このぴったり具合。やったね。
と気持ちよくファミレスに入ると、本日の集合メンバーの中で唯一、
「何時からでも始められますよー。」
と言っていた若者、山田君(仮名)が既に到着していました。

おーつーかーれー!
寒いねぇ・・・。冷えるねぇ・・・。
もう疲れちゃったよね。帰りたいよね。

などとよもやま話をしているうちに、
仕事で10分ほど遅れると言っていた若者、田中君(仮名)も到着。

お疲れー!待ってたよー!
とりあえずは、ご飯を注文するがいいよ。
お腹すいてたら決まるものも決まらんですよー。どうぞ、どうぞー!

とお勧めしたところ、田中君から怪訝な顔を向けられました。
「え?のりさんたち、まだ何も注文してないの?」

うん。待ってたんだよ、田中君を。(←大嘘)
打ち合わせもね、1分たりともはじめてないよ。(←本当)

「え?!まじで?!」
と、大いに驚く田中君。

え?なんで?
だって、私も今、来たばかりだし。
10分ほど遅れるって連絡くれてたもの。そりゃ待つよ!田中君を!
ねぇ?

と、山田君を振り返ったところ、
なんとも言えない笑顔を浮かべた山田君が
「あ。僕は20時から来てますけどね。」
と告白したのでした。




・・・え?20時から?
え?!もしかして、今日って・・・集合時間は
「20時です。」と横から答えてくれる田中君。


ご、ご、ごめんなさいっ!!
え?!本当に?!
ということは?
わたくし、山田君に1時間も待ちぼうけをくらわせたってこと?
しかも、1時間も遅れたくせに、なんら悪びれることなく、一切、謝りもせず登場?
どんだけ図々しいの?!

と、10分前の自分の行動にすっかり打ちひしがれながら、謝り続けたのでした。

そんなこんなで来年度の活動計画は、てんで具体化できず。
打ち合わせの途中で方向性を見失って、完全に迷子になってました。(←私が。)
つまり、本日の私がしたことと言えば
 ・1時間も待ちぼうけを食らわせて、
 ・打ち合わせでは完全に迷子になって
 ・終盤、若干、やけくそ気味に「もう、どうでもいいよう。」
  という気持ちになったところを一回りも年下の若者に見抜かれて指摘され

というラインナップになるわけで。
・・・ホントこれっぽっちもいいとこなし。なのです。

次回は。
次回こそは、絶対に遅れません!時間通りに現れます!
ご飯もファミレスで食べます!

と、実にハードルの低い目標を掲げてみたのでした。

「女性初」という称号

2014年03月12日 23時28分24秒 | 日常生活
月曜日から飲み会に参加。
複数部門のメンバが参加したプロジェクトの打ち上げだったため、
ものすごーーーーく久々に他部門の方々と呑み、楽しく酔っ払うことができました。

月曜日だし・・・とお酒を躊躇する気持ちもほんの少しあったのに
何をどう間違えたのか、たまたま座った席が
社長の隣で、憧れの取締役が前に!というスペシャルな席だったため
「酔わなきゃ、緊張しちゃうぜ。」と気持ちよく吹っ切ることができました。
ワイン美味しかったー!

また社長が実にかっこよく
「明日を思い煩っちゃいかん。とりあえずは、今を楽しめればいい。」
などと、酒飲みがおおいに励まされる言葉を捧げてくれたため
「そうですよねー!」
と賛同してしまったというか、なんというか。(既に判断力をなくしています。)
おかげで、憧れの取締役と楽しくお話しすることができました。
相変わらずかっこよかった!(うっとり。)

飲み会終了後は久々に2次会へ。
博多飲み会の締めといえば、ラーメンなのです。
・・・ジョシとして、「ラーメンには行かない」という選択肢も
どこかにあったような気がするのですが、隣の部門の部門長が
「待ってたよー!食券も買ってるよー!」
と、満面の笑顔で待ち構えてくださっていたのです。
あんなにも満面の笑顔で出迎えられると
「飲み会の後はラーメンみんなで食べる!」以外の選択肢を
どこにも見つけられないような気がするのです。

ま、いっか☆
ラーメン美味しいし。(絶賛、酔っ払ってます。)

と、気付いたときにはラーメン屋さんの扉をくぐっていたのでした。
それに、久々に会う人たちばかりなので名残惜しい気もするのです。
私ときたら、会社に着いてから帰るまでこれっぽっちも動かないため、
しかも、帰るとなったら、いの一番でそそくさと帰るため
業務で関わらないと、同じフロアの方ですら、まったくもって会わないのです。
同じフロアでも「あれ?会社に来てた?」としばしば確認を受ける始末。

よし!
せっかく久々に会えたことですし、ラーメン食べちゃえ☆(酔っ払ってます。)

和気あいあい美味しくラーメンを食べていると
隣の部門の部門長から突如、「すばらしい!」と肩を叩かれました。

な、なにごと??
と驚く私に、感極まった感じの部門長が熱く語りかけます。

「そうなんよ!
 ラーメンはね、れんげなんか使ってスープを飲んじゃいかんのよ!
 器からずずずっと飲まないと!
 いやー、オレ、女性で初めて見たわー。器から直接、飲む人。
 さすがやねぇ。おとこまえ!」


わたくし、褒め言葉は120%に増量して受け止めるタイプの人間ですけど
でも、なんとなくこの褒め言葉は受け取りがたいような。
できれば謹んで辞退したいような。

そもそも!
ラーメンのスープを器から飲むぐらい、珍しくもなんともない。はず。
少なくとも「女性で初めて」なんて、それは絶対に嘘!のはず。
ねぇ?!センパイ!(どん!)

と、隣でラーメンを食していた先輩(女性)に訴えかける私に
「れんげはのりぞうさんの目の前にあるのにね。」
と、れんげ片手に涼しい顔で言われたのでした。



・・・いけず。

生きるということ

2014年03月11日 23時55分48秒 | 日常生活
妹さんへの確認事項があったため、仕事帰りに電話をかけました。
電話がつながった瞬間、号泣する甥っ子君の声が聞こえてきました。

・・・泣いてますよ?盛大に。

「ね。泣いとるねぇ。」

かなり盛大ですよ?
由緒正しいちびっこの号泣っぷりですよ?なにごと?

「たぶんね。お腹が空いてるんだと思う。」

えーーーーーーーーーー!?
ホントに?
ホントにお腹が空いて、「うわーん。」って泣いてるの?
そんなことってある?
泣くほどお腹が空いてるってどゆこと?


と、びっくりしましたが。
よくよく考えると、「うん。それでこそ、甥っ子君。」と納得したのでした。
「食べること」への執着心が人一倍(、いや人三倍ぐらい)強い。
でも、それってすごく健全に精一杯「生きている」わけで。
しみじみと、谷川俊太郎さんの詩「生きる」に思いを馳せました。

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ

   (略)

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

   (略)

いまいまがすぎてゆくということ

   (略)


3月11日です。
あの日から3年が過ぎました。
まだ3年。そして、もう3年。