■ストーリ
高校の工事現場で発見された白骨死体と日付の刻印されたボールペン。
自動車事故で意識不明となり、そのまま九年間眠り続けた柚乃は
奇跡的に目覚めたとき、すべての記憶を失っていた。父は同じ事故で
死亡、母は柚乃が子供の頃、ドッペルゲンガーを見たと言った翌日に
失踪していた。そして今、長い眠りから醒めた柚乃は、パソコンに
残されたかつての自分の日記の中に、自分にそっくりな少女に
出会ったという記述を見つける。ドッペルゲンガー、タイムスリップ、
友達と注文した日付入りボールペン。彼女の行き着く真実とは?
■感想 ☆☆☆☆*
読んでいる最中に背筋がすっと寒くなった。
静かな部屋でひとりで読んでいると、何か音が欲しくなる。
人の声が聞きたくなる。何に対して恐怖を抱いたのか
それが自分にもわからない。けれども感じたのは「怖さ」。
小さい頃、押入れの中の暗闇や、誰もいない隣の部屋に
感じたような「えもいわれぬ怖さ」だ。
文体は爽やかで青春ミステリを思わせる。少女の語り口で
自分自身の過去を思い出していく様子は柴田よしきさんの
「少女たちのいた街」を思い出した。けれども、そこに
絡んでくる新興宗教やネット上の掲示板、
そしてドッペルゲンガーといった要素が不穏な響きを奏でる。
SFの要素も盛り込んでいるため、論理的な解決は
なされない。それでも、あるかもしれないと納得できる力が
作品にある。不条理な怖さが心に残った作品で、だからこそ
彼女のほかの作品もぜひ読んでみたい。
高校の工事現場で発見された白骨死体と日付の刻印されたボールペン。
自動車事故で意識不明となり、そのまま九年間眠り続けた柚乃は
奇跡的に目覚めたとき、すべての記憶を失っていた。父は同じ事故で
死亡、母は柚乃が子供の頃、ドッペルゲンガーを見たと言った翌日に
失踪していた。そして今、長い眠りから醒めた柚乃は、パソコンに
残されたかつての自分の日記の中に、自分にそっくりな少女に
出会ったという記述を見つける。ドッペルゲンガー、タイムスリップ、
友達と注文した日付入りボールペン。彼女の行き着く真実とは?
■感想 ☆☆☆☆*
読んでいる最中に背筋がすっと寒くなった。
静かな部屋でひとりで読んでいると、何か音が欲しくなる。
人の声が聞きたくなる。何に対して恐怖を抱いたのか
それが自分にもわからない。けれども感じたのは「怖さ」。
小さい頃、押入れの中の暗闇や、誰もいない隣の部屋に
感じたような「えもいわれぬ怖さ」だ。
文体は爽やかで青春ミステリを思わせる。少女の語り口で
自分自身の過去を思い出していく様子は柴田よしきさんの
「少女たちのいた街」を思い出した。けれども、そこに
絡んでくる新興宗教やネット上の掲示板、
そしてドッペルゲンガーといった要素が不穏な響きを奏でる。
SFの要素も盛り込んでいるため、論理的な解決は
なされない。それでも、あるかもしれないと納得できる力が
作品にある。不条理な怖さが心に残った作品で、だからこそ
彼女のほかの作品もぜひ読んでみたい。
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