のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

暗いところで待ち合わせ/乙一

2008年09月21日 22時01分30秒 | 読書歴
72.暗いところで待ち合わせ/乙一
■ストーリ
 視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に
 悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を
 引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ
 逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、
 身を守るため、知らない振りをしようと決める。
 奇妙な同棲生活が始まった。

■感想 ☆☆☆
 目の障害ゆえに、社会との関わりを絶ってきたミチル。
 内向的な性格ゆえに、同じく社会との関わりを絶ってきたアキヒロ。
 ある事件をきっかけに、ミチルの家に逃げ込んだアキヒロと
 アキヒロの気配に気付きながら、確証が持てないため、
 また、犯人を逆上させないために「誰もいないふり」をするミチル。

 お互いに関わりあおうとしないまま、過ごしている時間の中で
 伝わってくる空気やちょっとした仕草で、お互いについて
 関心を持ち始めるふたり。相手への優しさや思いやりが
 饒舌な言葉ではなく、本当に些細なことで伝わっていくやりとりが
 穏やかで暖かい。

 ラストまで伏線が張り巡らされており、ミステリとしても
 楽しめた1冊だった。


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