のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

夜のミッキー・マウス/谷川俊太郎

2011年07月16日 11時16分19秒 | 備忘録
久々に谷川さんの詩集に手を伸ばしました。
言葉の選び方、使い方を尊敬。
どんな感性を持っていたら、こんなふうに世界を見られるんだろう。

個人的に今回の一番の発見は「ああ」の官能的な世界でした。
人間には豊かな想像力があるから、直接的な言葉を使わなくても、
直接的な画像や言葉遣いよりもよほどエロティックな世界を紡ぎだすことができる。
言葉の力の大きさを痛感しました。

そして、「ひとつまみの塩」の最後の二行に深く感銘を受けました。
詩を読むとき、私はいつも考えすぎてしまうけれど
好きな言葉を探し出すだけでいい。理解しようなんて考えなくていい。
「レシピの楽譜を演奏するのは自分しかいないのだから
 理解を超えたものは味わうしかないのだから」

以下、私のための備忘録です。
----- 「五行」より抜粋 -----------------------------------------

昨日を忘れることが今日を新しくするとしても
忘れられた昨日は記憶に刻まれた生傷
    ・
    ・
    ・
その人の悲しみをどこまで知ることができるのだろう
目をそらしても耳をふさいでもその人の悲しみから逃れられないが
    ・
    ・
    ・

------ 「よげん」 ----------------------------------------------

きはきられるだろう
くさはかられるだろう
むしはおわれ
けものはほふられ
うみはうめたてられ
まちはあてどなくひろがり
こどもらはてなずけられるだろう

そらはけがされるだろう
つちはけずられるだろう
やまはくずれ
かわはかくされ
みちはからみあい
ひはいよいよもえさかり
とりははねをむしられるだろう

そしてなおひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら




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