のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

すべての美人は名探偵である/鯨統一郎

2006年11月09日 23時38分16秒 | 読書歴
■ストーリ
 歴史学者・早乙女静香は、沖縄への研究旅行中に殺人事件に
 巻き込まれた。事件には徳川家の秘密が関係しているようなのだが。
 静香は、彼女に憧れる学生・三宅亮太、美人女子大生・桜川東子と
 ともに、沖縄―北海道の同時殺人事件と、童謡に隠された歴史の
 新事実を探る。

■感想 ☆
 びっくりするほど、文章が軽くて浅い。
 キャラクターの浅さや話の運びのうそ臭さにどうにも
 違和感が漂う作品だ。鯨さんの過去の作品に既に登場したことのある
 女性ふたりが探偵を務めているため、たぶんに説明不足の部分
 ふたりの魅力の説明を読者の記憶に頼っている部分が大きい。
 途中で何度、読むのをやめようと思ったかしれない。
 読み終えた後の最初の感想も「くだらない・・・」の一言に尽きた。

 それでも作品を放棄することなく最後まで読み進めたのは
 童謡や童話にまつわる謎、というテーマに弱いからだ。
 この作品では主人公二人が殺人事件だけではなく、
 童謡「ずいずいずっころばし」にまつわる謎も解いていく。
 この童謡に隠れている「徳川家光」にまつわるメッセージを
 大胆に読み取っていく展開は面白い。
 何より、日本の童謡には、こういった謎が隠れていても
 おかしくない、と思わせる「陰」の雰囲気が漂う。
 その雰囲気を楽しむのが好きなのだ。

 ただし、この作品自体は読み終わった後、
 脱力すること請け合い。人には薦められない。


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