のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ワルのポケット

2005年12月20日 23時34分08秒 | 読書歴
■ストーリ
 デパートで万引きを繰り返し、学校では毎日乱暴ばかりで
 「手に負えないワル」という烙印を押されている
 セイゾウたち六年生八人組。彼らの行動の裏に隠された
 本当の理由とは?愛すべきワルたちの誇り高き日常を描き
 爽やかな感動をよぶ名作。

■感想 ☆☆☆
 灰谷作品との出会いは高校生のとき。
 「太陽の子」で衝撃的な出会いを果たした。
 それ以来、彼の作品は数多く読み続けている。

 彼の作品は徹底的に子供たちの目線に寄り添い
 「教える」教育ではなく「学びあう」教育を訴えている。
 その姿勢はときに極端に偏りすぎていて
 批判を受けることも多い。
 この作品もちびっこ8人組が万引きをするという設定に
 発表当時は批判が相次いだようである。

 だが、作者は決して「万引き」を奨励はしていない。
 「万引き」という行為を頭ごなしにしかりつける
 大人たちを批判的に描いているが、
 「万引き」をする主人公たちのやりきれない思い、
 自分たちが悪いことをしているという自覚も
 きちんと描かれている。

 それでも万引きをしてしまう主人公たちの家庭状況
 社会の不公平さは、今なお存在している問題で
 まったくもって古さを感じさせない。

 私は子供たちにここまで寄り添うことはできない。
 子供たちに寄り添いたいと願ってはいるものの
 今は、ついつい叱ってしまう中途半端な大人だと思う。
 「教育」は難しいし、覚悟が必要だ。
 今の学校にこの本に登場する先生のような
 覚悟を持った人がどれだけ存在しているのだろう。

 そう考えると恐ろしい。


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2 コメント

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教育の覚悟 ()
2005-12-22 12:41:47
灰谷さんは、私は読めなかったです。

教育者としての資格も覚悟もなかったので、

読み取れませんでした。



でも今なら読めるかな。

今度読んでみよう。

ありがとうね。
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お返事☆ (のりぞう)
2005-12-22 12:47:13
■夜ちゃん

 灰谷さんは好き嫌いがはっきりするからね。

 実は、この記事に対しては、

 はっきりと反対意見のコメントを

 既にいただいています^^;

 いろんな考え方の人がいていいのよね。



 >匿名希望さん

  こういうふうに自分の意見を伝えると

  やわらかいでしょ?
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