のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

チルドレン/伊坂幸太郎

2007年07月02日 21時03分45秒 | 読書歴
■チルドレン/伊坂幸太郎

■ストーリ
 こういう奇跡もあるんじゃないか?
 まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。
 信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。
 ばかばかしくて恰好よい、「五つの奇跡」の物語。

■感想 ☆☆☆*
 こちらも文庫化に伴っての再読。
 伊坂作品は北村薫さん、宮部みゆきさん、加納朋子さんに次いで
 「文庫を見かけたら購入」リストに名を加えました。
 久々のリスト更新です。それぐらい好きな作家さんです。

 はちゃめちゃに見える(だけではなく、実際にはちゃめちゃな)主人公、
 陣内がとても魅力的。実際にこんな人が同僚にいたら、とても困ったことに
 なるだろうとも思うけれど、いつだって自分の感情に正直で
 周囲の目や偽善とは無関係な陣内はやはり魅力的だと思うのだ。

 気分次第で意見がころころ変わったり、
 矛盾したことも平気で言い連ねたり、
 そこから本心を掬い取るのはとても困難だけれど
 それでも陣内を許せてしまうのは、なおかつ魅力的に見てしまうのは
 どんなときもゆらがず「自分に正直」だからだと思う。
 人の目を意識して、期待されているきれいごとや常識を口にしない
 陣内は、矛盾があろうがなかろうが、そして意見がころころ変わろうとも
 一本、まっすぐ芯が通った人なんだろう。
 周囲の人たちがいとおしそうに、眩しそうに、そして困ったように
 彼を囲む姿がとても暖かい。


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