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のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ひと恋しくて~余白の多い住所録~/久世光彦

2006年12月17日 00時05分47秒 | 読書歴
■概要
 日本の文化の流れに欠かせない人、残ってほしい人
 忘れられない76名の横顔を偏愛のひとによる文章で記す。

■感想 ☆☆☆☆☆
 久世さんの随筆が好きだ。
 特に向田邦子さんとの思い出を書き綴っている随筆が好きだ。
 久世さんの向田さんに対する尊敬、愛情、友情が
 たくさん詰まっていて、向田さんの魅力が
 しっかりと伝わってくるのだ。

 この作品はそんな久世さんが向田さんだけではなく
 「自分の好きな人」について語っている文章だ。
 紹介されている人は、小説家、俳優、女優、漫画家、
 音楽家と多岐にわたる。既に亡くなっている方、
 ここに書かれた時点では元気だったものの、その後
 亡くなった人、まだまだ元気で活躍している人、と
 現在の状況も、また久世さんとのかかわりの深さも様々だ。

 しかし、そのひとりひとりに対する愛情のかけ方には
 まったく偏りがない。時には友情、時には憧れ、
 ときには尊敬の念、とその思いの種類は様々だが
 久世さんが一目を置いていたり、影響を受けたりしていて
 だから、みんなにも忘れないでいてほしい、と
 切実に思っている。
 その想いが伝わってくる文章の数々だった。

 その中には久保田万太郎や島田清次郎のように
 既に一般的には忘れ去られている人も多い。
 久世さんの紹介文を読んでいると、
 彼らについてもっと知りたくなる。
 作家ならば、彼らの本を読みたくなる。
 女優なら、彼女が出ている作品を見たくなる。
 久世さんは見事に私と彼らの橋渡しをしてくれる。

 「私の住所録には、年々死者たちの名前が増えていく」
 と嘆いていた久世さんも今年の始めに亡くなった。
 私も久世さんがかみ締めてきた寂しさを実感している。


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