■ストーリ
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が
接客してくれるホストクラブがあればいいのに」
すべては女性ライター・高原晶が大手出版社の編集者・塩谷に
漏らした何気ない一言から始まった。
謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜の助力を得て、
二人は一風変わったホストクラブ“club indigo”を渋谷の片隅に
開いたが、順調な経営とはうらはらに常連の客が殺され、
店のナンバーワンに疑いがかかる。晶は個性豊かなホストの面々と
ともににわか探偵団を結成、真犯人捜しに奔走する!
「クラブ インディゴ」を舞台に繰り広げられる連作短編集。
■感想 ☆☆☆☆
渋谷という都市を通りがかったことはあるものの(多分)
渋谷を目指して行ったことがない。渋谷だと認識して
街を楽しんだこともない。だから、渋谷が本当にこんなにも
恐ろしい街なのか、若者のための街になっているのかは
まったく分からない。
渋谷の通りで日々繰り広げられるナンパ。
(ナンパ師という人が存在するらしい。)
ホストやキャバ嬢との楽しい会話。
(キャバ嬢の為のホストクラブとそれ以外のホストと
すみわけもあるらしい。)
流行に敏感な若者たちが集う街であり
その日に逢った人とでも簡単に盛り上がれる時間を過ごせる街。
そういった活気に満ち溢れた表面とは裏腹に
ヤクザ、麻薬、詐欺、暴力など裏世界が混沌とうずまく世界。
そういった「裏の世界」が透けて見えてしまうのも
渋谷の魅力なのかもしれない。
ひとつひとつの作品で取り上げられる事件は陰湿きわまりない。
それでも読後感が爽やかなのは、クラブインディゴで
働く人たちが、その人たちなりに筋が通っているから。
楽な方向に逃げた人ではないから。
堕ちてきた結果、水商売に足を突っ込んだ人ではないから。
彼らはみな自分の仕事に誇りを持っている。
ひとりで、自分の足で立って生きていこうとしている。
そういった姿勢がどこまでも清清しいのだと思う。
特に主人公晶は魅力的。
小説の中の描写ではスタイルもあまりよくなく
(どうやら女性ホルモンが少なそうな体)
化粧が似合わない顔立ちで30代半ばの独り身の女性。
いわゆる「負け犬」だ。けれども彼女は卑屈にならない。
若者に媚を売らない。その潔さい姿勢にかえって
ホストの面々がなついているのが行間から伝わってくる。
現実ではこういった「信頼感」で結びついているホストクラブ
なんてありえないのかもしれない。お伽話なのかもしれない。
けれども、こういう仲間っていいな、と思った。
こういうホストクラブなら一度くらいは行ってみたいかも
・・・とは思わなかった。こんな危険な世界は小説だけで十分だ。
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が
接客してくれるホストクラブがあればいいのに」
すべては女性ライター・高原晶が大手出版社の編集者・塩谷に
漏らした何気ない一言から始まった。
謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜の助力を得て、
二人は一風変わったホストクラブ“club indigo”を渋谷の片隅に
開いたが、順調な経営とはうらはらに常連の客が殺され、
店のナンバーワンに疑いがかかる。晶は個性豊かなホストの面々と
ともににわか探偵団を結成、真犯人捜しに奔走する!
「クラブ インディゴ」を舞台に繰り広げられる連作短編集。
■感想 ☆☆☆☆
渋谷という都市を通りがかったことはあるものの(多分)
渋谷を目指して行ったことがない。渋谷だと認識して
街を楽しんだこともない。だから、渋谷が本当にこんなにも
恐ろしい街なのか、若者のための街になっているのかは
まったく分からない。
渋谷の通りで日々繰り広げられるナンパ。
(ナンパ師という人が存在するらしい。)
ホストやキャバ嬢との楽しい会話。
(キャバ嬢の為のホストクラブとそれ以外のホストと
すみわけもあるらしい。)
流行に敏感な若者たちが集う街であり
その日に逢った人とでも簡単に盛り上がれる時間を過ごせる街。
そういった活気に満ち溢れた表面とは裏腹に
ヤクザ、麻薬、詐欺、暴力など裏世界が混沌とうずまく世界。
そういった「裏の世界」が透けて見えてしまうのも
渋谷の魅力なのかもしれない。
ひとつひとつの作品で取り上げられる事件は陰湿きわまりない。
それでも読後感が爽やかなのは、クラブインディゴで
働く人たちが、その人たちなりに筋が通っているから。
楽な方向に逃げた人ではないから。
堕ちてきた結果、水商売に足を突っ込んだ人ではないから。
彼らはみな自分の仕事に誇りを持っている。
ひとりで、自分の足で立って生きていこうとしている。
そういった姿勢がどこまでも清清しいのだと思う。
特に主人公晶は魅力的。
小説の中の描写ではスタイルもあまりよくなく
(どうやら女性ホルモンが少なそうな体)
化粧が似合わない顔立ちで30代半ばの独り身の女性。
いわゆる「負け犬」だ。けれども彼女は卑屈にならない。
若者に媚を売らない。その潔さい姿勢にかえって
ホストの面々がなついているのが行間から伝わってくる。
現実ではこういった「信頼感」で結びついているホストクラブ
なんてありえないのかもしれない。お伽話なのかもしれない。
けれども、こういう仲間っていいな、と思った。
こういうホストクラブなら一度くらいは行ってみたいかも
・・・とは思わなかった。こんな危険な世界は小説だけで十分だ。
朝の宗右衛門町は疲れきって眠っているのか、夜に備えて牙を磨いているのか、実は朝の姿が真の正体で夜の姿は幻想なのか、
そんなことを朝の宗右衛門町を歩きながら考えてます。
そして、夜になるとワタシは虚構\を求めて闇に消えるのです。
・・・虚構を追い求めて、一体どれだけお金をばらまいたの?
一度、総額を計算してみてほしいわぁ。
大阪も「怖い街」っていうイメージが強いのよねぇ。