■賢者はベンチで思索する/近藤史恵
■ストーリ
ファミレス常連客のあの老人。でも公園のベンチで見かけるときと
あまりにも印象が違うのはなぜ?ファミリーレストラン「ロンド」を
舞台に展開する謎の事件。不可思議な老人は21歳の女の子の
人生に、とても大切なものを与えてくれた。
それは常識によらず、人を信じる力。
犬と老人と21歳の女の子が挑むミステリー。
■感想 ☆☆☆☆
「大」事件ではない。ニュースやワイドショーで取り上げられる
こともないであろう小さな小さな謎に焦点をあてた作品。
確かに「大きな」事件ではないけれど、「大きな」事件では
ないからこそ、そこにある悪意にはぞっとさせられる。
きっとこの作品で扱われている3つの事件の犯人は
連続殺人や強盗はしない。なぜなら、それは「いけない」こと
「ひどい」ことだから。彼らには「してはいけないこと」
「してもいいこと」という線引きではなく、
「ここからは」ひどいこと、「ここからは」犯罪、という
線引きしかないのだと思う。
その本質とずれた感覚にぞくっとした。
ちょっとした謎を解決しながら、モラトリアムのヒロインと
ややひきこもり気味のヒロインの弟は迷い、壁にぶつかりながらも
少しずつ出口に近づいていく。その様子はまったく劇的では
ないし、感動的でもないのだが、緩やかな変化だからこそ
うそ臭くなく、爽やかな気持ちにさせられた。
■ストーリ
ファミレス常連客のあの老人。でも公園のベンチで見かけるときと
あまりにも印象が違うのはなぜ?ファミリーレストラン「ロンド」を
舞台に展開する謎の事件。不可思議な老人は21歳の女の子の
人生に、とても大切なものを与えてくれた。
それは常識によらず、人を信じる力。
犬と老人と21歳の女の子が挑むミステリー。
■感想 ☆☆☆☆
「大」事件ではない。ニュースやワイドショーで取り上げられる
こともないであろう小さな小さな謎に焦点をあてた作品。
確かに「大きな」事件ではないけれど、「大きな」事件では
ないからこそ、そこにある悪意にはぞっとさせられる。
きっとこの作品で扱われている3つの事件の犯人は
連続殺人や強盗はしない。なぜなら、それは「いけない」こと
「ひどい」ことだから。彼らには「してはいけないこと」
「してもいいこと」という線引きではなく、
「ここからは」ひどいこと、「ここからは」犯罪、という
線引きしかないのだと思う。
その本質とずれた感覚にぞくっとした。
ちょっとした謎を解決しながら、モラトリアムのヒロインと
ややひきこもり気味のヒロインの弟は迷い、壁にぶつかりながらも
少しずつ出口に近づいていく。その様子はまったく劇的では
ないし、感動的でもないのだが、緩やかな変化だからこそ
うそ臭くなく、爽やかな気持ちにさせられた。
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