のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

スクランブル/若竹七海

2008年08月15日 01時38分15秒 | 読書歴
57.スクランブル/若竹七海
■ストーリ
 1980年。あたしたちは高校生だった。
 そして、ひとりの少女があたしたちの通う学校で殺された。
 それから15年後、仲間の結婚式で再会したあたしたちは
 迷宮入りした事件の謎に迫るのだが。
 過ぎ去った80年代を背景に、名門私立女子高でおきた殺人事件を
 巡って、鮮やかに描かれる青春群像。17歳だったことのある
 すべての人に贈るほろにがくて切ない青春ミステリ。

■感想 ☆☆☆☆☆
 本が好きで、群れることが好きで、「女らしさ」が苦手な
 かつての少女たちにぜひお勧めしたい一冊。
 定期的に読み返しては、甘酸っぱい気持ちと懐かしい気持ちを
 味わいたくなる。フィクションなのに、まるで自分の仲間で
 あるかのようなリアルさと親しみ深さを感じてしまう登場人物
 たちが愛しい。

 不器用で、素直じゃなくて、「みんなと同じじゃない。」
 と思いたい年頃の女の子たち。でも、彼女たちは、どこかで
 自分たちが決して特別ではないこと、自分も同年代の女性たちと
 同じようにごくごく普通の存在だと分かっている。
 それでも、ついもがいていしまう。その「恥ずかしさ」が
 覚えのあるものだから、登場人物全員に親近感を抱くのだろう。

 読み終わった後、自分自身の高校時代も懐かしく思い返した。

チルドレン/伊坂幸太郎

2008年08月15日 01時20分37秒 | 読書歴
56.チルドレン/伊坂幸太郎
■ストーリ
 「俺たちは奇跡を起こすんだ」
 独特の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに巻き込むが、
 なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々。
 何気ない日常に起こった5つの物語がひとつになったとき、
 予想もしない奇跡が降り注ぐ。

■感想 ☆☆☆☆☆
 1年ぶりの再読。
 前回、読んだ時は、陣内に魅力を感じながらも、こんな人が
 実際にいたら困るだろうな、と思った。その思いは変わらない。
 おそらく、私の仕事場にこんな人がいたら困る。ものすごく
 エネルギーを吸い取られると思う。

 けれども、改めて再読して、こんな人がいてほしいと思った。
 こんな大人になりたい、と思った。
 彼は、「誰かのために」なんて思わない。「誰かのために」
 行動もしない。「誰か(自分以外の他人)」と「自分」に
 優劣をつけないし、比較もしない。彼は自分と周囲に
 差をつけない。だから、彼が「自分のために」行動することが
 巡り巡って、周囲の人の心をほんの少し暖かくすることもある。
 そして、彼が「自分のために」行動することが巡り巡って
 周囲の人を混乱に陥らせることもある。困ったことに、
 後者のほうが頻繁に起こる。
 けれども、陣内はどこか憎めない。
むしろ、不思議なくらい、彼をいとしく思えてくる。
 彼のまっすぐな物言い。無邪気で困った性質。それらを見ていると
 本当に奇跡が起きるような気になってくる。奇跡を信じたくなる。
 そんな暖かい物語だった。

大いなる勘違い

2008年08月15日 00時56分57秒 | 日常生活
世間は北京オリンピック一色。
そして、基本的にチャンネルは常にNHKの我が家も
北京オリンピック一色。世間並みにオリンピックを満喫しております。

もっとも、日本勢の形勢が危うくなるたびに、母上から
「見てられん!消して!消して!チャンネル変えて!」
と物言いが入るため、最後まで見ずに終わることもしばしば。

そんな母上がここ最近、ずっと気にしていたのは体操の富田選手。
どうやら、母上は富田選手がことのほかお気に入りの模様。
ずっと「富田、大丈夫やろかー。」「富田が心配。」
「富田にメダルを取らせてあげたい・・・。」
と、富田、富田、冨田三昧。
そんな母上の応援も届かず、残念ながら富田は四位。
世界で四位なのだからすごいことなんだけれど、
やはりメダルと四位では、大きな差がある気がするわけで
母上はがっくりと肩を落としていました。

「かわいそう・・・。私の富田・・・。」



・・・なんですと?
世界の富田を「私のもの」扱い。
うちの母上。ただいま、恋するオトメです。