人生を見つめなおすために歩く、旅をするというのは映画や小説にはよく描かれるテーマのひとつだが、今回はアメリカのアパラチアン・トレイルを熟年、というより老年にさしかかった2人が歩く。一人はロバート・レッドフォード扮する紀行作家のビル、もう一人はニック・ノルティ扮するその旧友カッツ。
最近民進党で「いい人だけどつまらない」といわれた人がいたけど、ビルはそんな感じがピッタリ、カッツは破天荒だがなんとなくお茶目で憎めないところがある。そんな2人の珍道中。
久しぶりに会ってトレイルを歩くことになった2人は離れていた間の出来事やら昔話を語りあう。慣れぬトレッキング生活に嫌気もさす。しかし時々はトレイルを外れモーテルに泊まったりご飯を食べたりして英気を養いまた歩き出す。そんなところが長いトレイルのいいところかもしれない。
目指していた全行程踏破はできなかったけれどが2人とも納得してのリタイア。長い人生、そんなこともあるさと自分なりの緩い達成感を得られてよかった、よかった。
久しぶりに観るR・レッドフォードの顔に刻まれた深いしわにびっくりした。かっての二枚目も実生活ではいろいろあったのかな、自分も歳をとったなぁなどと思わず感慨にふけってしまった。