夢枕獏の小説「神々の山嶺」の映画化作品。上下2冊の長編を2時間の映画に凝縮されているので少々重たかった。
森田勝という実在の人物にヒントを得ているので、当時の山屋をとりまく雰囲気とか服装などがその時代を感じさせておもしろいし、カトマンズでのロケも現地の雑踏の雰囲気が出ていて、主人公の煮しめたようなTシャツの色とよくあっていてけっこうリアルでおもしろい。ところが終盤のエヴェレストへの挑戦になると、そんな装備で行くのなどと突っ込みたくなる。凍りつく山が舞台なのに主人公2人の関わりが重くて暑苦しい。映像だけでなく音楽もこれでもかと迫ってきてちょっと引いてしまう。
自分の趣味とする山登りとは全く次元の違う話ではあるけれど、思わず「そんなに力まないでいいんじゃない」といいたくなるのだった。