おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

HANAGATA '12

2012-12-22 23:17:21 | 観たもの
 京都府立文化芸術会館で「HANAGATA '12」を見てまいりました。今年のお芝居の見納めです。

 「HANAGATA」は狂言の茂山家のお若い方たち中心の実験的なユニットで、何年か前に一度見に行きましたが、役者も若けりゃ客層も若く、オバサンにはキビシイ状況でついて行けずそれきりになっていました。今年は、歌舞伎の片岡孝太郎さんがご出演と孝太郎さんのブログで拝見し、歌舞伎の人が狂言に出演したらどうなるのかしら?とちょっと興味がわき、急遽ぴあでチケットを買って本日まいりました。

 キャッチコピーは「日本の伝統芸能に『HANAGATA』が討入りをかける!!喰うか!?喰われるか!?」で、お能・歌舞伎・落語の演目を狂言にアレンジして上演する試みで、本日は2日目歌舞伎バージョンでした。

 ・歌舞伎十八番「鳴神」より BLACK AND WHITE
 ・棒縛り
 ・神鳴

 演目は上の3つで、孝太郎さんは一つ目の「歌舞伎十八番「鳴神」よりBLACK AND WHITE」にご出演でした。歌舞伎の「鳴神」は朝廷に恨みを持った鳴神上人が三千世界の龍神を岩穴に閉じ込めてしまい、そのせいで3ヶ月間雨が降らず干ばつがおこります。困った朝廷は絶世の美女である雲の絶間姫を送り込み、色仕掛けで上人を迷わせ、上人が酔いつぶれた隙に雲絶間姫が結界の七五三縄を切って恵みの雨が降り“メデタシメデタシ”というお話です。私はそれを演るのかと思っていたら、その“後日談”のようなお話でした。雨が降ったのはいいけれど、今度は上人がへそを曲げて引きこもりになり、雨が止まない、3ヵ月間ずっと雨が降って困っているという設定です。

 幕が開くと白雲坊と黒雲坊がだらだらとしていました。ウダウダ言ってると、着ぐるみの山ノ神が現れたり、雲絶間姫が現れたりしながら、特に何か大きな変化があるわけでもなく、最後までだらだらして終わりました。ちょっと「ゴトーを待ちながら」みたいかなぁという印象を持ちました。不条理っぽかったし。

 絶世の美女・雲絶間姫が孝太郎さんというのは若干疑問符がつきましたが、拵えが歌舞伎ではなく狂言の女形のお姿だったので、そんなに違和感なく見ることが出来ました。登場はほんの一瞬、「えっ?!」と思っている間に引っ込まれました。狂言の拵えですが、動きは歌舞伎だったように思います。吹き輪の簪に赤いお振袖をお召しになっているような、そんな風に見えました。そこはやはり大したものです。

 「棒縛り」「神鳴」はいずれも狂言の演目です。ただ「棒縛り」は歌舞伎舞踊にもあります。7月の松竹座で見ています。「棒縛り」には千五郎さんもご出演、豪華だったんですが、何度か意識を失っておりました。そうそう、お席は急に思い立って取ったわりには9列目の真ん中で、こちらの劇場は8列目まではフラット、9列目から1段上がっていたので、非常に見やすい位置だったんですが…。「神鳴」は大丈夫でした。なかなか面白いお話でした。

 終演後はロビーでお見送りがあります。
 
 着ぐるみがすごいでしょ?お腹はもちろん詰め物だそうです。
 
 千五郎さんです。

 
 
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