イタリア紀行2004-36 イタリア5-6日目 ヴィヴァルディ ピエタ慈善院 四季 グリマーニ館 ヴェローナへ /2004.3現地、2015.6記
2004年3月13日・日曜の夜半、8時からサン・ヴィダル教会の最前席で、ヴェネツィア室内合奏団によるヴィヴァルディの「四季」とバッハ、アントニオ・バッジーニを聴いた。
あとでヴィヴァルディを調べた。ヴィヴァルディは子どものころ、父親にヴァイオリンを習っていた。たぶん天分だったようだ。父はまたヴィヴァルディに司祭の道に進むようにすすめた。ヴァイオリンだけでは食べていけないと思ったのかも知れない。やがて司祭になり、25才のころからピエタ慈善院付属の音楽院でヴァイオリンを教えることになった。
そのころヴェネツィアでは身寄りのない子どもが少なくなく、孤児を養育する施設としてピエタ慈善院が設立されていた。子どもたちには自立するための訓練が施されていたようだ。慈善院の運営は貴族や商人からの寄付でまかなわれたが寄付だけでは運営が厳しいために、音楽の指導を受けた子どもたちによるコンサートが開かれていた。ヴィヴァルディがヴァイオリンの指導を始めてから、技量が飛躍し、コンサートは広く知られるようになったらしい。
ジュネーブ生まれでフランスで活躍したジャン・ジャック・ルソーもヴェネツィア滞在中にヴィヴァルディが指揮するコンサートを聴いたそうだ。
ヴィヴァルディは作曲も手がけ、次々と名作を発表し、やがてオペラも作曲し、大成功を収めていく。ローマ教皇の御前で演奏し、神聖ローマ帝国皇帝カール6世に謁見して、協奏曲を献呈したというからその名声ぶりが想像できよう。
ピエタ慈善院の活動は、慈悲の聖母マリア児童施設に引き継がれていて、音楽指導も行われているそうだ。今回は訪ねる時間はなかったので、次のお楽しみである。隣接してヴィヴァルディ教会もあるらしい。司祭ヴィヴァルディにあやかったのかも知れない。
ヴェネツィアはわずか2泊2日で、ヴィヴァルディのポスターを見つけた夜が演奏会だったというのは実に運がいい。
ヴェネツィア室内合奏団によるサン・ヴィダル教会での演奏会は定期的に開かれていて、最近は日本からも予約ができるらしい。ヴェネツィア旅行を考えていて、ヴィヴァルディ好きな方にはおすすめ。
3月14日、朝食後、水上バスに乗り、大運河を経由して、サンタ・ルチア駅近くの船着き場でバスに乗り換える。次は、ヴェネツィアの西、およそ110kmのヴェローナである。