ドイツ語の原題は“Der Schwarm”、英訳のタイトルは”The Swarm(ザ・スウォーム)“です。
ほぼ1000ページ(987ページ)もある長編小説(邦訳本は文庫で3巻)、それも普段はほとんど手に取らない海洋SFサスペンス小説を読もうと思ったのは、この小説が国際撮影チームにより連続ドラマ(8回)化され、ドイツでは来年の1月に放送されるということと、木村拓哉さんが日本人の慈善家三船役として出演するということを知ったからです。
深海に生息する未知の生物の群れと闘う人類が描かれています。
丁度一週間前、リスボンでは第2回国連海洋会議が開かれ、海の危機的状況が議論されました。
国連海洋会議は2017年に初めて開かれました。
海の環境破壊を食い止め、海洋の持続可能性を促進することが目的でした。
シェッツィング さんの海洋SFサスペンス小説は今から17年も前の2005年に発売され、
世界的ベストセラーになりました。
当時既に海の劣化に警鐘を鳴らしたシェッツィング さんはやはり凄い作家です。
シェッツィング さんはケルン出身です。
先頃我が家の近くで開かれた文学フェティバルにも参加されました。

(写真右側です)
彼は「自分の小説はもはやSFなどではなく、我々人類はまさに小説に描かれているようなスリラーの世界の真っ只中にいる。海洋ばかりではなく地球環境破壊や気候変動に対して人類は真剣に取り組まなくてはならない」と語っていました。
猛暑の日本や、オーストラリアの洪水、イタリアの旱魃などの報道を聞くと本当にそうだと思います。