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短歌のドイツ語訳

2015-04-24 14:50:20 | 読書

新緑の爽やかな季節になりました.

西行の歌がmintさんのブログで記されていたので、ドイツ語訳ではどうなっているだろうとレクラム出版のTANKAを久しぶりに開けました。



短歌歴の長い通訳仲間が佐々木幸綱先生には選歌、チューリッヒ大学の日本文学の教授クロップフェンシュタイン先生に独訳と説明文をお願いして

2009年に出版されました。

タイトルは在原業平の「世の中に絶えて桜のなかりせば・・・」のドイツ語訳です。

佐々木幸綱先生がケルンの日本文化会館で講演された際、ご署名していただきました。



素晴らしいのは何と言ってもクロップフェンシュタイン先生のドイツ語訳です。

この短歌集には持統天皇から現代歌人(永田和弘、栗本京子、種村宏、俵万智など)まで100の歌が収められているのですが、

特に和歌の意味はドイツ語訳の方がよくわかります。

西行の「願わくは・・」の訳でも釈迦の入滅と同じ日に死にたいと願った辞世の歌であることが考慮され、訳のなかにder Buddha(釈迦)の言葉が入っています。そして説明文では西行が釈迦と同じ、如月(陰暦二月)の満月にその生涯を閉じたと記されています。

この本に刺激を受け一時、短歌の通信講座を受けたこともありますが、現在は付近に住むお友達が集まる「句会」に参加しています。

ここ数年、亡くなった母の誕生日の4月末頃になると思い浮かぶ俳句は照井翠さんの次の句です。

逢えるなら魂にでもなりたしよ

これは大震災後、津波で亡くなった方への思いを作句したということで「当時は季語とか考える余裕もなく切羽詰った気持ちだった」と述べられています。

釜石の高校の先生だった彼女の句で一番知られているのは津波で亡くなった双子の教え子のことを詠んだ句です。

双子なら死顔も同じ桃の花

これらの句を収めた句集「竜宮」を購入したいと一時帰国の度に試みるのですが、「売り切れで増刷の予定なし」だそうで残念に思っています。
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