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澤田瞳子著「若冲」

2015-09-26 15:29:55 | 読書
伊藤若冲という画家のことを始めて耳にしたのは友人からいただいた以下のDVDを視聴したときです。



「神の手を持つ絵師 若冲」というNHKのドラマ・ドキュメンタリーで、若冲を岸部一徳、相国寺の大典禅師を山本学が演じていました。

アメリカ人の若冲コレクターのジョー・プライス氏のことも興味深かったです。

そして東日本大震災復興支援の一環として2013年の3月から9月にかけて宮城県、岩手県、福島県で

「プライスコレクション 江戸絵画の美と生命 『若冲がきてくれました』」が開かれ、丁度一時帰国中だったこともあり、

盛岡の岩手県立美術館での展示会を訪れました。



プライスさんの奥様は日本人で悦子さんという方ですが、震災後に心のよりどころがなくなっていた時、このカタログのカバーともなっている

「鳥獣花木図屏風」を見ると、なにかお祈りができるような感じがしたということです。

それで若冲のこの絵だけでも東北の人に見せてあげたいと思ったということです。

動物たちの無垢な姿を眺めていた静謐なひとときがとても良かったです。特に象の目が好きでした。

それで今年の一時帰国で書店で「若冲」の本が平積みされていたのを見て、即、購入しました。



第一章からすぐ首をかしげてしまったのは「若冲の妻が首つり自殺した」という描写があったからです。

「確か若冲は生涯、独身ではなかったかな」と思ったのです。

読後、作者とのインタビュー記事を読んでわかったのはかなり史実に基づいてはいるけれどこの本はフィクションだということです。

若冲が絵に没頭した背景には妻の自死やその弟(後の絵師・市川君圭)との確執があり、孤独な若冲を妾腹の妹、お志乃が支える

ー全て創作だということです。

以前、読んだ安倍龍太郎著「等伯」もどれくらい創作部分があるのかなあと思ったことでした。



ストーリーの展開では「等伯」の方がおもしろかったです。

このような美術関連の本を読むたびにiPad miniを所持していて良かったなと思います。

本の中に出てくる種々の屏風絵や襖絵などをネットで検索できるからです。
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