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篠田桃紅著 『その日の墨』再読

2023-05-04 17:43:00 | 読書
この随筆集を最初に手にしたのはもう20年以上前です。



再読したくなり文庫本を探したのですが、見当たらなくて電子書籍を購入しました。
もう一度目を通したくなったのは、一時帰国中篠田さんの作品を見る機会があったからです。
ザ・キャピタルホテル東急に飾られていた二点です。
まず旧ホテルのスイートに飾られていた「無題」という作品



1966年に来日したビートルズもこの作品に感銘を受けたということです。
次はホテル建て替えに伴い作成された作品「豊」です。当時篠田さんは97歳でした。




それから今回も見ることは出来なかったコンラッドホテルのロビーに飾られている作品です。
(ホテルのHPの画像をお借りしました)。



篠田さんの画は水墨抽象画🟰墨象と呼ばれます。
初めは書道の先生だった篠田さんが文字を表現する限定的な「書」に飽き足らず前衛書道家として、
単身ニューヨークに渡り世界的に有名な芸術家となるまでの経緯と心の変遷などが綴られているのがこの随筆集です。

特に興味深いのは1956年のニューヨークでの体験談です。
ニューヨークの有名画廊は2年先まで展示が決まっていてヴィザの制限もあり、当初無名の日本の書道家の作品を展示してくれる所は見つかりませんでした。
幸運にも展示してくれる有名な画廊が見つかったのはヴィザが切れる4日前だったということです。

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