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神気、上色見熊野座神社

2023-05-27 10:03:47 |  熊本の旅、多彩
翌日は阿蘇観光二日目。
まずは南阿蘇にある上色見熊野座(かみしきみくまのざ)神社へ。
泊まったペンションから車で15分くらいだったろうか、駐車場に車を止めてお詣りに。



道路のすぐ横に入口の鳥居があり、そこから石段を登っていく。
この神社は山の斜面に参道があって、その雰囲気が神気に満ちていて来たかったところである。
阿蘇にこんな神社があると知らなかったのだが、なかなか人気があって、たくさんの方がお詣りに来ていた。



参道は背の高い木々が林立する暗い林の中にあり、両脇には大きな石灯籠がたくさん並んでいた。
昔から信仰を集めていたことが分かる。
朝の光が斜めに差し込み、苔むした灯籠や石畳みを照らす中のぼっていく。



最初真っ直ぐに伸びていた参道は緩やかに右に曲がり、途中の古びた鳥居の向こうに社が見えてくる。
最後は少し傾斜が強くなり、登り切ると拝殿と小振りな本殿があった。
お詣りし、写真を撮りに来たことを報告、撮影の無事を請うた。



さて、お詣りも済んで拝殿の周りを撮影して戻ろうかと思っていたら、拝殿に神社の由来が書かれた紙が貼ってあったので読んでみた。
神話の時代、阿蘇におわした大明神が弓を射て遊んでいた。
鬼八法師という従者がその矢をいちいち拾っていたのだが面倒になり、足の指に挟んで投げ返したそうだ。
その不遜な行為に激怒した大明神から追われ逃げ出したが、この地にある岩の壁に行く手を阻まれてしまった。
しかしこの岩壁を蹴破ってさらに逃げたという。



その岩穴は穿戸岩(うげといわ)と呼ばれ、さらにこの上にあるとのことなので行ってみることに。
本殿の左側から今度はつづら折れの道が山の上へと向かっていた。
傾斜を増した林の中を登っていくと、巨大な何かが頭上に見えてきた。



急な斜面の上にこちらに覆い被さるようにせり出して居るので、なにやら重い圧迫感を感じる存在だ。
さらに登っていくと正体がはっきりしてきた。
分厚く高い岩壁が立ちはだかっていたのだ。
そしてその岩壁には神話にあったとおりの大きな穴が開いていた。



間近で見るとすごい存在感、なんか圧倒された。
昔の人がこの雰囲気に神を感じても不思議のない光景だ。
今なら岩山の成分はこれこれで、柔らかい地層部が侵食を受けて穴が開いたんだろう、なんて分析をすると思うが、神様が蹴破ったという説の方が夢があるなあ。



岩壁の厚さは5mくらいだろうか。
根元には石が幾つも積まれていた。
磐の向こうにはもう何もないようで、入ると危険だから責任取れないよと立札があった。



この神社へは雰囲気ある参道に身を置きたくて来たのだが、思わぬ別の神気に触れさせて貰った。
本殿に戻り、上から見下ろす参道は、お詣りする前に通った参道とまた違ったものに感じられたのは気のせいだろうか。
目が開いたからか入口の鳥居横に、来た時に気付かなかった古い狛犬も居るのを見つけた。
(新旧あうんで四体居たのであった。)




ミルクロード、阿蘇パノラマライン

2023-05-25 07:17:29 |  熊本の旅、多彩
菊池渓谷から再び阿蘇のカルデラへと戻る。
今度は大観峰までは行かず、その手前で右に曲がり、外輪山を南に下るミルクロードという道路を走る。
再び草原の広がる高原地帯をドライブだ。



ところでそろそろ午後3時である。
普段の朝食はパンとヨーグルトにフルーツという軽いものなのに、その日は温泉旅館の朝食にデザートも食べるという豪勢なものだったので、お昼を過ぎてもまったくお腹が空かず、この時間になってようやく何か食べたくなった。
ミルクロード沿いに軽く食べられるお店はないかと探していると、兜岩展望所という所に良さげなところを見つけた。
この時間に普通に食事すると、夕食が食べられなくなってしまうので、ジェラートを食べて少しだけお腹をもたせることにした。



その辺りは朝に走った外輪山の北の方の景色とは少し違うが、なだらかな高原地帯であるのは一緒。
カルデラ内に横たわる涅槃像も少し角度を変えてよく眺められる。
その日の宿は南阿蘇にあるペンションで、そちらに行くのに阿蘇五岳辺りを上って降りる阿蘇パノラマラインという展望道路を通る。
そこはどんな景色を見せてくれるのだろう。



ミルクロードを離れ、カルデラの底まで一旦降り、阿蘇パノラマライン赤水線を上り返す。
前方には阿蘇五岳の杵島岳と思われる山が茶色い山肌を見せて迫ってくる。
途中に米塚という小さな墳丘があるはずで、どこにあるのだろうと探しながら運転する。
と、思いもよらない大きさで米塚が現れた。
ガイドブックの写真は小さく見えたのだが、火山墳丘なんだからそんなに小さいわけはないよな。
緑が柔らかく覆った円錐形がとてもきれいだ。
人が歩くとやはり荒れてしまうようで、今は近くに立ち入るのは禁止されていた。
写真には山頂への道が写っていたので登れるのかと思ったが、それはできないようだ。



ここまでどこも快調に走ってこれたが、草千里ヶ浜を前にとうとう渋滞につかまる。
そんなに長いものではなかったが、草千里の駐車場まで続いていた。
当初は草千里も見学する予定にしていたが、菊池渓谷で時間を取ったし、渋滞に並んでまでして遊ぶ時間がなくなってしまった。
駐車場への長い導入路入口を過ぎると渋滞解消。
道路は草千里横を通っていたので、どんなところか一望できた。
少し窪んだ原っぱに青く草が生い茂り、水を湛えた池がある。
馬がいて小さく周回するコースで乗馬体験できるようだ。
ここは原っぱを好きに歩けるようで、たくさんの観光客が三々五々、散策していた。
残念ではあるが車上から見学することで済ませることにした。



その先で道は二つに分かれ、真っ直ぐ行くと中岳火口へ、右へ曲がると阿蘇パノラマライン吉田線へと続く。
中岳火口は明日行く事にして右折し、パノラマラインを吉田線へと入る。
途中、遠く牛が草を喰む牧場が見え、少し寄り道。
とても広いのに牛は数頭しか見えず、贅沢な住処だ。
この牧場には狐が住んでいるようで、連れが遠くにいる狐を見つけて教えてくれた。



この狐、だいぶ人慣れしているよう。
遠くにいたと思っていたのに、気がつくと近くの牧場の柵まで来ていた。
なんの躊躇もなく柵をくぐりすぐ足元までやってくる。
観光客に餌でも貰っているのか、こいつは食べ物くれるのか?って顔でこちらを伺う。
しゃがんで写真を撮りたいところだったが、野生の狐だし、咬まれたら嫌なので愛想悪く振る舞ってると、諦めて隣で眺めている別の観光客の方へ歩いていった。
あー、びっくりした。



車に戻り、阿蘇パノラマラインをそのまま南下して麓へと下る。
宿泊予定のペンションへ予定時間に無事到着し、チェックイン。
広い敷地に離れがいくつもあり、一組一棟に泊まるタイプの所だった。
とても疲れていたようで、部屋で落ち着いたら夕食の時間まで眠ってしまった。




清流、菊池渓谷

2023-05-23 06:27:02 |  熊本の旅、多彩
大観峰からは一旦阿蘇を離れ、菊池渓谷へと向かう。
少し離れた西方、外輪山の外側にある。
車窓の景色は伸びやかな高原から標高を下げ、木々の多い林の中のものへと変わっていく。
道路だけが伸びる山の中に駐車場はあった。



渓谷の入口までは200mほど道路脇を歩かねばならない。
谷間に覗く川の水がすごくきれいだ。
期待に胸が膨らむ。
渓谷入口で維持管理協力金を払って入谷。



入口すぐの所に小さな水力発電所があり、石堤を流れる白い人工の滝がまず目を惹く。
堤に貯められた水は碧く透明だ。
菊池渓谷は谷間を流れる渓流脇の遊歩道を散策するところ。
時折現れる滝が見どころだ。



満喫コースと半分まで行って戻ってくる癒やしコースがある。
我々は長い方の満喫コースを歩く予定。
遊歩道は多少の上り下りはあるが、ほぼ平坦な道のり。
眼前に現れる景色は変化に富む。



川に近づいたり離れたり。
川の流れも浅くなったり深くなったり。
木々の間に流れを透かし、淵に近づき滝を上から覗いたり。
木漏れ日の下を沢音を聞きながらゆるゆる歩くのはなんとも清々しい。



満喫コースの標準コースタイムは1時間20分だったので、すぐに見終えるものと思っていたが、なかなかに距離があった。
時間がかかるのは写真を撮りつつ歩くからなのは分かっているが、それでも思う以上の時間がかかった。



今回は一観光先としてやってきたが、渓谷といっても広い川原があったりするので、近くに住んでいればお弁当でももって日がな一日景色を眺めて過ごしても良さそうな所だ。
キャンプは禁止されてるからテントとか張るのはダメなんだろうけど。
調子に乗って撮影していたら、またしても疲れてしまった。
遊歩道終点には東屋とトイレがあってしばし休暇。



さて、戻ろう。
行きは上流に向かって左側を歩くのだが、遊歩道終点で川を渡り、帰り道は右側を歩く。
帰り道は川からだいぶ高い所にあり、車が通れる広さがある。
だから川を見下ろして歩く。



道路は真っ直ぐだし、川面も遠いし、帰り道に写欲はあまり湧かず。
なにより疲れてしまって、さくさく歩いて入口に戻ってきた。
なるほど、帰りも行きと同じだけ見どころがあったら時間がかかり過ぎるが、これなら標準コースタイムも納得できる。




パラグライダー飛ぶ、大観峰

2023-05-21 19:19:18 |  熊本の旅、多彩
さて、いよいよ今回の旅のメイン、阿蘇観光である。
杖立から南へと国道を下る。
山道を快適にドライブしていると、眺めが広々としてきた。
なだらかな高原には青々と柔らかそうに草が生え、ところどころに新緑の黄色い葉っぱを繁らせ始めた木がポツリポツリと生えている。



そんな高原がうねるように視界の届く限り広がっているのだ。
これは気持ちいい。
こんな爽快な景色にはなかなか巡り会えないぞ。
運転してるので写真が撮れず残念至極。



このあと大型バイクの集団といくつもすれ違った。
ここに走りにくる理由はよく分かる。
バイクで走るのも気持ちいいだろうなあ。



そんな伸びやかな景色の下ドライブしていると、大観峰への標識が見えてきた。
駐車場に車を止めてお土産を売る建物の横を通り、展望台の方に歩いていく。
展望台に到着しなくても左手はカルデラの広大な盆地の広がる大展望である。



すごーい、ひろーい。
カルデラの真ん中には山が横たわっている。
なんでこんな表現を使うかというと、山の形が涅槃像に見えるから。
うーむ、確かにそう見えるんだな。



展望台の下ではパラグライダーの体験飛行をやっていた。
タンデムで操縦する人が一緒に飛んでくれる奴だ。
お天気いいし、ちょうど良さげな風が盆地から吹き上げていて、飛ぶには絶好のコンディションだ。



2機(と数えるのか?)が飛び立っては戻ってきて、装備を着けてまた飛び立っていく。
なかなかの人気だ。
操縦士の人は離陸したその場所に戻ってくるんだから、うまいもんだ。



面白そうだが我々には飛んでみる予定も時間もなく、上空から下界を見下ろすのはどんなだろうと想像をして展望台を後にした。
飛ばなくても充分いい景色だし。



大観峰周辺には遊歩道があっていろいろ歩けるようだが、駐車場と展望台往復だけに留める。
さあ、次の目的地へ行こう。
今日はまだ始まったばかりである。




揚げプリン、杖立のスイーツ

2023-05-19 07:08:29 |  熊本の旅、多彩
杖立温泉は源泉の温度が98℃で日本一高いそうだ。
泊まった温泉旅館には蒸し風呂というのがあり、源泉の蒸気でサウナのように自分を蒸す小部屋があった。
サウナは好んで入ることはないが、せっかくなので入ってみることに。
ドアを開けるともわっと熱い空気が押し寄せてくる。
うわあ、息できるのか?
でも蒸気が温泉のものなので、温泉成分で喉や呼吸器にも良さそうであった。

温泉は水でぬるめて温度調整。
アルカリ泉でphは9だそうだ。
なのでお湯の肌触りはヌルヌル系。
風呂上がりの夕食時、連れが肌がすべすべだよというので自分の腕を触ってみると、ほんとにすべすべだった。
夕食は馬刺しにステーキと豪華なコースを頼んでしまったので、食べきれず残してしまうことに。
も少し若かったら食べれたのになぁ。
勿体ない。

<泊まった宿>


なんて感じで幸せな時を過ごさせて貰ったのだが、一番新鮮な経験をしたのは朝食のデザートだった。
美味しい和風旅館の朝食後、女将さん押しのデザートが揚げプリン。
1cmくらいの厚さのプリンを揚げて、アイスクリームとパイナップルを添えたもの。
作り立ての熱々のが出てきた。
プリンの外側はサクッとした食感。
揚げるために少し堅めに作ってあるのであろう内側はねっとり濃厚で、温かいからか甘味をよく感じた。
アイスクリームと一緒に食べると冷たい甘さが加わり、温感の差がより複雑な味覚体験となった。
パイナップルの酸味は甘くなった口をリセットしてくれ、再度複雑な甘さを堪能できる。
熱々のを食べるものなので、賞味期限がとても短い奴だった。
だから朝食を食べ終えたのを確認し、膳を引く時、では作ってもらいますと言っていたのか。
作り置きできない贅沢スイーツだった。

<早くもアイス溶けかけ>


杖立温泉はプリンが売りのよう。
背戸屋を歩いた時も玄関に「杖立プリンあります」の看板が置かれた旅館があった。
各宿で工夫を凝らして独自のプリンを提供し、味を競っているようだ。


歴史ある温泉地、背戸屋

2023-05-17 06:21:38 |  熊本の旅、多彩
鯉のぼりも面白かったが、自分には他にとても惹かれる被写体があった。
川の両岸に建つ旅館に古いものが多かったのだ。



ここってやってるの?って見た目なのだが、窓の向こうに電灯が灯り、営業してそうな旅館があったり。
建物が古くなったからと思うが、旅館はやめて別のお店をやっているビルがあったり。



古いどころではない、営業終了して放置された廃屋のビルがあったり。
そして、そんな怪しげな建物の間を「背戸屋」と呼ばれる細い路地が通っているのだ。



細い通りには温泉地らしく小さな共同浴場もある。
温泉の噴気を蒸し釜として自由に使える蒸場なんて場所も。



路地は山の斜面にあるので、上へ下へと立体的に結ばれ、ひしめき建つ旅館の間を縫うように繋がっている。
時にはトンネル状に建物の下をくぐったりする。



そこは旅館街と言っていいのか。
夕闇の舞い降りた地には人影も無く、風情というより寂寥感が漂い、ますます奥へ奥へと導かれて行くのだ。



そんな私の足を止めたのは、はぐれてしまった連れからの電話。
「どこにいるんだー!」と怒られた。



急いで来た道を戻ることに。
なので背戸屋がどこに通じているかは分からずじまい。




こいのぼり、杖立温泉

2023-05-15 06:22:11 |  熊本の旅、多彩
その日の宿泊先は杖立温泉というところ。
日田から阿蘇に向かう途中、大分と熊本の県境にある。
元の予定では杖立温泉に行く前に、途中にある桜滝というのを見る予定にしていたが、豆田町で時間を使い過ぎ1時間オーバー。
桜滝は飛ばして杖立に直接向かうことにした。



山道をドライブ。
国道なのにまずまず狭い道で、前からくる車もなかなかに多い。
慣れない車でもありゆっくり走る。
ゆっくり走ったのにナビで案内のあった時間より20分くらい早く着いてしまった。



この時期、杖立温泉では鯉のぼりのイベントをしていて、渋滞するとの情報を入手していたが、するすると町に入り、予約していた旅館の駐車場にさっくり止めることができた。
16時到着予定が15時過ぎに到着。
桜滝に行けたかなと思ったが、チェックイン後鯉のぼりの写真を撮りに出て、こちらに早く来てよかったと思うことになる。



温泉街は杖立川の両岸に旅館がひしめき建っていて、その岸と岸を結んだ紐に大量の鯉のぼりが結ばれていた。
河岸にある駐車場は車でいっぱいで、沢山の見物客がそぞろ歩いていた。
杖立川は水量多く、傾斜もそれなりにあるので急流だ。
水音が辺りに響き渡る。



鯉のぼりはその上を泳いでいて、もう一つの見えない川を泳いでいるようだ。
温泉地らしくたなびく湯気がいいアクセント。
中にはもうぼろぼろの鯉もいるのだが、過去に登録?した鯉は毎年吊るされる決まりになっているのだろうか。



下流の鯉のぼりの途切れる手前に橋があり、木製の絵馬のような願い事を書いた札が沢山掛かっていた。
願いの重さに橋が倒壊しないか心配なくらい。
まあ、頑丈そうだから、まだまだ大丈夫である。




江戸から昭和、豆田町

2023-05-13 17:32:28 |  熊本の旅、多彩
日田市での観光先は豆田町(まめだまち)である。
ここから三日間の足はレンタカー。
予約したトヨタレンタカーのお店は駅から少し離れているので電話で迎車をお願いしたら、料金は払うのでタクシーで来てくれという。
駅前のロータリーでタクシーを拾い向かっていると、センターから無線で車の居場所を聞いてきた。
運転手さんがトヨタレンタカーに向かってる途中と答え、その後他の車も、同じくと回答しているのが聞こえた。
トヨタレンタカーはいいお客さんのようだ。



手続きを済ませて、車で5分ほどの豆田町へと向かう。
タクシーの運転手さんに聞いていた豆田町へ行く交差点を左折。
駐車場いっぱいかもしれないよと言っていたが、広い未舗装の駐車場は沢山空いていた。
観光客用の無料駐車場だった。
助かるぅ。



豆田町は江戸時代から明治、大正、昭和と各時代の建築物が散らばって残る町。
江戸時代には幕府直轄地だったところ。
天領というやつだ。
重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。



中山道なんて街道にある古い町並みは、一本のメイン通りの左右に家が立ち並ぶ構造になるが、ここは二つの通りを何本かの道が梯子状に結んでいた。
ジグザグと辿り、ほとんど全ての道を歩いた。



日田は下駄が有名。
いくつか下駄屋さんがあり、歯が一つの下駄に興味があったが、日常で履く機会はあまりないだろうなと見るだけにとどまる。



レンタカー屋さんで手に入れたガイドブックに、食べ物の名物は日田やきそばとあったので、お昼はラーメン屋さんで日田やきそばを食べる。
もやしがいっぱい入ってて、モチっとした麺と合わさりさっぱり系。
美味しかった。
町にはうなぎ屋さんも多かった。



豆田町の近くに小鹿田焼(おんたやき)という焼物の里がある。
その小鹿田焼を扱うお店があり、連れが中を覗いて小鉢を買っていた。
自分もお酒を飲む盃がないかと見てみたが、お猪口はあったものの口の開いた欲しいタイプはなし。
残念。



代わりに?薫長という日本酒の造り酒屋があったので、そこで日本酒を買った。
ここも古くからある建物のようで、中は一部酒造資料館になっている。
無料だったので見学させてもらった。
昔使われていた木製の酒造りの道具が展示されていた。
いい被写体にさせてもらった。



お昼を食べた時以外はずっと歩きどおし。
撮りどころが多く予定より長く滞在してしまった。
うーん、疲れたぞ。
町外れの趣きある用水路脇にあるカフェでお茶にする。
時々買って家飲みしているのと同じ名前のイルガチェフェというコーヒーがあったのでそれを注文。
ここではフレンチプレスで淹れてくれた。




KYUSHU RAILWAY part1「ゆふ」

2023-05-11 06:33:43 |  熊本の旅、多彩
港から別府駅まではバスである。
駅まで近いのだろうとなんの根拠もなく思っていたが、地図を見ると歩くには距離があった。
地図を調べておいて正解。
やってきたバスは空っぽだったが、ほぼ満員にして出発。



旅の一つ目の目的地は日田市である。
下駄で有名。
熊本県ではないが、一泊目の宿へ鉄道利用で向かうのに観光するよい町である。
別府駅から大分駅まで電車で行って、大分駅から特急ゆふに乗るのだ。



別府駅を7時44分に出る電車に乗ったのだが、通勤通学客で満員だった。
そうか、今日は平日だった。
お休みを取ったんだった。
みなさんお疲れ様です。



別府駅と大分駅の間には東別府駅と西大分駅がある。
この東別府駅と西大分駅の駅間が異常に長かった。
長くすぐ近くに人がいるのはストレスだ。
扉が開いてくれるだけの変化が意外と助かる事に気付く。
西大分駅を出ると大分駅はすぐだった。



大分駅にはゆふ2号が待っていた。
なかなか年代物の気動車だ。
内装は木が多用され、床も木製。
シートはだいぶ使い込まれ、座面のクッションはフニャリとお尻を受け止め、背中は昔のマッサージチェアに座ったみたいに(言い過ぎ)ゴツゴツしていてテンション上昇。
もちろん座り心地がいい方がいいに決まっているのだが、普段と違うところが多いほど旅気分は盛り上がる。



日田駅までは久大本線で山の中を走る。
特急列車だからガンガン飛ばす。
ドルルルルルというエンジン音で力行。
山の谷間を縫って右に左にカーブを抜けて走るので、なかなかに揺れる。



駅で買ったコーヒーの紙コップの蓋をとってテーブルに置いたらこぼれそうで怖く蓋がとれない。
昔乗った土讃線の特急南風がこんな感じだったかも。
特急列車でもこんな郷愁に浸れるのね。
車窓はなだらかな山肌に新緑が眩しい。



大分駅から乗った時はがら空きだったのに、湯布院駅から外国人観光客がいっぱい乗ってきてほぼ満席となった。
乗車時間は1時間40分ほどで、後半は船旅の睡眠不足から眠気がさしてきた。
船より遥かにやかましく、ガタゴト揺れるのに眠れる不思議。



日田駅は急にやってきた。
駅構内に入ったと思ったらすぐ停車。
他に降りる人も少なく、慌てて重い荷物を網棚から下ろし、ホームへ降りたった。
危ない危ない。
ゆふ号を見送って改札に向かうと、巨大な下駄が飾ってあった。




新造船、むらさき

2023-05-09 06:31:09 |  熊本の旅、多彩
今年のGWは九州の熊本県辺りを旅した。
日程は4/30(日)の夕刻出発し、5/5(金)の夕刻帰着するプラン。
現地へのアプローチは、大阪南港から大分別府へ船で向かうことにした。
夕方出航して寝ている間に瀬戸内海を航行、翌朝到着するフェリー「さんふらわあ」である。



連れは泊まりがけでフェリーに乗るのは初めて。
環境が変わると眠れない質なので、フェリーのようにすぐ隣で知らない人が寝ている場所では、まずもって眠ることができないそうだ。
フェリーは眠っている間に長距離を運んでくれる有効な移動手段である。
九州みたいに旅先が遠い場合は使いたい交通手段なのだが、先の理由で日中新幹線などで移動してきた。



今回も第一候補は新幹線だったのだが、フェリーの予約サイトを見ると個室がまだ空いていた。
個室なら周りを気にせずに眠れるだろうから、連れに打診してみるとOKの返事。
空いていた残り一つをすぐさま確保。
部屋のタイプはスイーツである。
うわあ贅沢。



とはいえ、新幹線の交通費に少し良い宿の宿泊費を足したくらいの料金だったから、無茶苦茶贅沢と言うわけでもない。
今後も選択肢のひとつとなるだろう。
ただ今回予約が取れたのは、旅の検討を40日も前に始めたから。
それでもギリギリだったから、フェリーを使うならもう少し早く旅の検討を始めるべきである。
まず旅するエリアを決めて、船の予約を取ってから旅の詳細を決める順番と覚えておかなければいけない。



さて出立するその日となり、地下鉄とニュートラムを乗り継いで南港に到着。
フェリーターミナルまではトレードセンター前駅から徒歩数分。
歩く先にこれから乗る船が見えた。
うーん、ワクワク。
大阪別府航路には二隻の船が就航しており、乗ったのは「むらさき」という船。
今年の4月に就航したばかりの新造船である。



乗船手続き時に体温計測が全員に行われ、長い誘導路を歩いていよいよ船内へ。
ロビーに入ると新製品の匂いがした。
ほんとに新しいんだなあ。
客室は6Fから8Fにあり、我々の部屋は8Fである。
階段を上り、通路中程に部屋を見つけ、キーをかざしてドアを開ける。
さて、どんなかな?



おー、部屋は安いビジネスホテルよりずっと広い。
トイレも普通だし、ユニットバスも広い。
テレビでかい。
ウェルカムドリンクつき。
そして専用のバルコニーがあった。
これはいいなあ。



船内放送で、この船は全席指定で満席だと言っていた。
昔乗った二等船室は絨毯の敷かれた広いスペースで、好き勝手に場所を取って眠ったものだが、今時の船は一人分の寝床をきちんと確保してくれるらしい。
一人旅なら一番小さな寝床で充分だな。



夕食はビュッフェ形式のレストランで、一人2000円だった。
出航前から開店していて、早速食べに行った。
ワインを飲むつもりで洋食メニューを集めたが、ドリンクコーナーにはビールしかなかった。
なんだ、残念。
しかし、食べ終わってレストランを出る時、ワインを売るコーナーがあるのを発見。
ぬわあ、失敗した。



レストランは床がブルブルと震えて、船に乗ってるのだなあと実感。
食事が終わる前に出航時間となった。
走り出したらもっとエンジン音が大きくなるのかと思ったら反対で、出航する前より振動が減った。
とても静かだ。



食後、お土産屋さんを覗き、外のデッキの様子を伺った。
さすがに少し肌寒い。
右手後方に神戸らしい街の明かりがすでに遠い。
前方から明石大橋がやってきたので部屋に戻り、部屋付き専用バルコニーから撮影。
橋の真下は暗かった。



TVは地上波の放送は度々画面が固まって受信状態は良いとは言えなかったが、BS放送は綺麗に入ってディスプレイの解像性能を如何なく発揮していた。
シャワーを浴びて就寝。
僅かな揺れがベッドから伝わり、それでグッスリ眠ると言うわけにいかず。
自分ですらよく目が覚めたから、個室とはいえ連れもあまり眠れなかったそうだ。
まあ、旅の間はずっと寝不足なのはいつものことである。



翌朝、窓外が明るくなっていたのでベッドを抜け出し、バルコニーに出てみた。
風は冷たいが、お天気よし。
まだ朝日は昇っておらず、部屋にとって返し、上着を着てカメラを準備。
程なく日の出の時刻となった。
オレンジ色が滲む海面がとても綺麗だった。



朝食は乗船前に買っておいたパンとバナナを部屋で食べた。
TVは四国の天気予報をやっていたが、時刻からしてもう別府湾に入っているはずだ。
バルコニーから南に見えるのは大分市だろう。
別府のフェリーターミナルに到着。
いやあ特別な船旅を経験でき、よい旅のスタートとなった。