風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

そのとき人は風景になる(6)

2021年06月19日 | 「新エッセイ集2021」

 

 フランスへ行きたいと思うけど

アテネ・フランセの
フランス人のきれいな先生
あなたをおもうと胸が苦しいです
ジュ・テームあなたが好きです
だけどぼくのフランス語は通じません
日本語も通じません
あなたのフランス語は歌のよう
その香りの風にのって
フランスへ行きたいと思うけど
フランスはあまりにも遠い
セーヌ川は
ミラボー橋の下を
流れているそうですね
ぼくの苦しみも川に似ています
中央線御茶ノ水駅の下を
流れているのは
神田川です

 

(1)そこには風が吹いている

 

 

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