風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

ミルキーウェイ

2010年04月21日 | 詩集「恋する地球」
Kaze1


ぼくはほとんど水だ
と彼は言いました
手の水をひろげ足の水をのばす
水は水として生きて
水として果てる
そのとき大気の端とつながり
水からいちばん遠い水と出会う
そこで彼は
はじめて彼女の水に触れました
彼女は言う
水から生まれ水を孕むわたし


軟らかくて丸い
始まりはいつも一滴のしずく
さらに大きなものを
ふたりは宇宙と呼びました


(2008)


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