A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

日頃のチームワークをダイレクトカッティングの緊張感で・・・

2014-04-22 | CONCORD
Just Friends / LA4

このアルバムのタイトル、”Just Friends”は好きな曲だ。スタンダードでボーカルも名唱が多いが、インストでもパーカーを筆頭にこれも名演が多い。ビッグバンドでは内堀勝のトロンボーンセクションをフィーチャーアレンジは他のバンドでも良く演奏されている。このアレンジも良いが、ビルホルマンのアレンジも印象に残る。どれも、失恋の歌という割には軽妙な熱い演奏が多い。

このアルバムはお馴染みLA4によるもの。このJust Friendsは恋人同士であった2人が単なる友達になってしまうのを悲しむ歌だが、このグループも恋人関係のようで友達同士のような関係。誰がリーダーという訳でもなく、4人が対等に付き合っている。レギュラーグループのようでいつも一緒に演奏しているわけではない。ただし、一緒になった時は脇目もふらずに4人のコラボに集中するといった感じだ。グループパフォーマンスを極めるという点ではモダンジャズカルテットにも通じる。

LA4はコンコルドレーベルの設立と同時にスタートしたグループで、コンコルドレーベルの顔にもなっていたグループ。これが7枚目のアルバムになる。設立当初のドラムはシェリーマンから、途中でジェフハミルトンに代るが、基本的なコンセプトやサウンドは不変だ。

実は、このアルバムは最初コンコルドレーベルのダイレクトカッティング録音の第一号としてリリースされた。録音は1978年なので”Watch What Happens”の次に録音された物で、82年になってレギュラーシリーズの中で装いも新たに再発された。
再発といってもダイレクトカッティングとは別にテープにも収録されていたものから作られたアルバムなので、通常の制作プロセスを経たアルバムとしては初物。オーディオマニアにとっては比較試聴には絶好のアルバムだ。

コンコルドは総じて録音のレベルは高いが、このアルバムも素晴らしい。アナログサウンドの良さの極致を味わえる。もっとも、シャンクのアルト、アルメイダのギター、レイブラウンのベースや、ハミルトンのドラム、そもそも4人が演奏している楽器の鳴りが良いと言いう事が大前提なのだが。

このアルバムのJust Friendsもアルメイダがスローテンポのボサノバでスタートするが、途中からシャンクのアルトに代わり、アップテンポに転じハミルトンもブラッシングから絶妙のスティックワークへとドンドンホットになっていく。何か甘い恋人関係よりも濃い友人関係の方がいいぞと言っているようだ。

一方で、ラブメドレーということで、ラブフォーセールとラブウォークインが続くが、これはエイトビートで始まりリズムやテンポを変えながら。本物の愛以外はどんな愛でも売りますよという歌詞のごとく破れかぶれの展開に。

これはレイブラウンのアレンジということだが、このグループはバッハから、ビーバップ、ボサノバ、そしてコリアの曲まで何であってもあっと言う間に自分達で料理してしまう達人仲間だ。日頃から料理上手の4人であるがダイレクトカッティング特有の録り直し、編集なしの一発勝負がより緊張感を生んでいるような気がする。



1. Nouveau                     Bach  6:57
2. Carinhoso  João de Barro / Pedro Berrios / Alfredo Vianna 4:18
3. Just Friends        John Klenner / Sam M. Lewis 7:25
4. Love Medley:
  Love for Sale George Gershwin / Ira Gershwin
   Love Walked In Cole Porter            8:23
5. Spain                  Chick Corea 8:31

Laurindo Almeida (g)
Bud Shank (as)
Ray Brown (b)
Jeff Hamilton (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recorded at Capital Records Studio A, Hollywood on August 18 1978

Originally released on Concord CJ-199


Just Friends
LA4
Concord Records

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サドメルを辞めたサドジョー... | トップ | 苦労して世に出たアルバムに... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。