A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

KOGUN / TOSHIKO AKIYOSHI BIG BAND

2006-10-12 | MY FAVORITE ALBUM
先日、こんなニュースが流れた。JAZZに興味が無い人にとってはあまり気にも留めなかったかもしれないが。

米国ニューヨーク在住のジャズピアニスト、秋吉敏子(76)が、米ジャズ界における最高峰「アメリカ国立芸術基金・ジャズマスターズ賞」に日本人として初めて選ばれたことが7日、発表された。

 同賞は米国のジャズ発展に貢献した音楽家に贈られる賞で、1982年に創設されて以来、“ジャズ界のピカソ”と呼ばれた米トランペット奏者、故マイルス・デイビスや米サックス奏者、ソニー・ロリンズ(76)、米ピアニスト、チック・コリア(65)らが受賞している。

秋吉は旧満州(中国東北部)で生まれ、大分県へ引き揚げた。1956年1月、バークリー音楽院に奨学生として26歳で留学。ジャズバンド「トシコ・アキヨシ・ジャズオーケストラ」を結成し、1999年には日本人として初めて「国際ジャズ名声の殿堂」入りを果たし、米グラミー賞に14回ノミネートされるなど米国での人気は絶大だ。

都内で会見した秋吉は「猛烈に興奮した。日本文化をジャズに注入して、ジャズの歴史をより国際的にすることを意識してやってきたのでうれしく思う」と喜びを語った。授賞式は来年1月12日にニューヨークで行われる。


1956年にバークレーに留学した秋吉敏子は、「1958年」には、まだここで勉学に勤しんでいた。ボストンにあるバークレー音楽院。ニューポートは比較的近く。もしかしたらJAZZ FESTIVAL会場に行っていたかもしれない

彼女のオーケストラができたのが1974年。初のコンサートを前に、吹き込まれたのがこのアルバム。オーケストラとしての第一作である。
2003年に解散するまで、30年近く活動を続けたことになる。

TOSHIKO &TABACKIN BIG BANDは、JAZZオーケストラの伝統を引き継ぎ、日本的な色合いを曲にも演奏にもうまく取り入れている。エリントンを尊敬している彼女が、自分自身の編曲で、誰も他には真似のできない独自のサウンドを作り上げてきた。
自分の音を出すためにアレンジに没頭する様を、思わずグレンミラー物語のミラーの姿を思い浮かべてしまった。
この賞を受けるのも当然であろう。

作曲と編曲はすべて彼女のオリジナル。
それぞれに特徴があり、オーケストラの色々な顔が楽しめる。
お気に入りは、すべてになってしまう。
ELEGYは、旧作をとりあえず、BIGBANDで小手調べ、
MEMORYは、アランフェス協奏曲風のアレンジにこだわり、Voiceを絡める味付け楽しみ、
孤軍では、日本の雅楽のようなイントロ、フルートの尺八のような音色が斬新だ。
一転、AMERICAN BALLADでは、BIGBANDのバラードプレーの見本市のようだ。
最後は、ソロプレー中心に始まり、オーケストラはアクセントだけであるが、いつの間にかアンサンブルが主役になるアレンジも秀逸。

1. ELEGY
2. MEMORY
3. 孤軍(KOGUN)
4. AMERICAN BALLAD
5. HENPECKED OLD MAN

BOBBY SHEW (tp)
JHON MADRID (tp)
DON RADER (tp)
MIKE PRICE (tp)
CHARLES LOPER (tb)
JIM SAWYER (tb) 
BRITT WOODMAN (tb)
PHIL THEEL (tb)
DICK SPENCER (as)
GARY FOSTER (as)
LEW TABACKIN (ts)
TOM PETERSON (ts)
BILL PERKINS (bs)
GENE CHERICO (b)
PETER DONALD (ds)
TOSHIKO AKIYOSHI (p)
SCOTT ELSWORTH (voice)

Recorded on April,3,4, 1974,


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする