A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「情報」ってどんな意味?

2006-07-15 | Weblog
「情報」という言葉は、そもそも日本古来の言葉ではありません。
森鴎外が作ったという話も良く聞きますが、欧州からの軍事関連の書物の翻訳時に作られたという説もあるようです。いずれにしても、江戸末期から明治にかけて欧米から多くの外来語が渡来した時、その言葉を日本語に取り入れるために作られた造語です。

今では、外来語をやたら横文字のまま日常語として使います。業界によっては横文字と3文字略語の連発しながらとうとうと喋る姿を良く見かけますが、「一体この人は何語を話しているのか?」と、滑稽に思えます。というよりも、「本当に言葉の中身を理解しているかな?」と心配にも感じます。

明治時代の人は言葉の意味をひとつひとつ理解しながら漢字を当てはめて作っていったはずです。ちゃんと物事を考えていた証拠です。現代人の知識だけで物事を理解したつもりになって、人に伝え、判断してしまうのとは大きな違いです。最近、会社でもよくあることですが。

情報を「情けを報せる」と読むと、本来の情報の意味が何となく分かる気がします。
そして、今使われている情報の意味が「情」とは大分変ってきていることにも。
「情」はそもそも人の心の中を現すことば。バブさんの記事でも、「なさけとは、いつもきにかけて想うこと、そして想う相手も気にかけてくれること」と紹介されています。
情報とは、「この想う気持ち」を人に報せるということになります。情報の元になった「INFORM」という言葉も、当然「伝える側の意思が反映された内容を報せる」という意味だと思います。

気持ちのこもっていない情報は単なる無味乾燥のデータにしかすぎません。最近は、インターネットの普及で情報が氾濫しているとか、ポータルや検索ツールができて情報を簡単に入手できるとか言われていますが、それらは単なるデータに過ぎません。
「人の心のかよった情報」、読んで書き手の意思や想いが通じる情報はほんの一握りです。

さらに、ネットの世界では「匿名」、「なりすまし」、「詐称」などやりたい放題です。単なるデータに、悪意の意思を入れ込んで、「情報」が独り歩きして、事件や犯罪につながることも頻発しています。人の想いと言葉(文字)の分断状態がますます加速しそうです。そこれだけネット上の仮想の世界が広がってくると、そろそろ「情報」という言葉の定義もきちんとやり直した方がよいかもしれません。

人と人のコミュニケーションが難しい時代になりました。
本来人間にとって一番重要な事のはずなのに。
コメント (2)
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