山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌56-vol.2(今井記)

2015-05-16 23:20:40 | 練習日誌
 練習の録音を聞き、あまりに自分が弾けていないのに貧血を起こしそうになり、慌ててハーブの香りを嗅いで気持ちを落ち着かせる図。。。まあ完全にウソでもありませんが、ホントでもありません。ハーブのブーケは、本日めでたく(?)誕生日を迎えた私への、茂木氏からの心遣いです。まるでこのために用意したかのようなタイミングの良さでありました。

 今日は再び山形放送さんからの取材があるため、少し演奏することになるであろう紺野陽吉の二重奏及び三重奏を抜粋で練習。改めて彼の才能を感じると共に、まだ荒削りの未完の三重奏においては、彼のこの先を見たかったという思いが湧いてきます。更に、今回の定期でとりあげる尾崎宗吉の曲も、紺野陽吉との比較の意味で参考に聞きたいというご要望もありましたので、そちらも練習。ちなみに私が聞いている録音はそれです。ややトラウマのようにはまってしまった箇所が一つ、、、なんとか解消せねば。
 
 取材では、彼の特徴的な民謡風の旋律が出てくる箇所を演奏しつつ、三重奏で初めて扱ったと思われるビオラの使い方などから感じたことを、倉田氏が中心になって、演奏家の視点から解説を加えるという形で進みました。彼の曲が明るい曲想のものであるだけに、戦争の悲惨さがかえって鮮明にも感じられます。こうして平和な時代に演奏できるのは、決して当たり前のことではないのです。戦後70年、今一度先の戦争について考えてみる貴重な機会になって欲しいと思います。

 さて、取材の前後には、勿論定期プログラムのハイドンとベートーヴェンも練習。十分に時間がとれなかったため、今回は曲に慣れるという形で感じをつかみ、掘り下げていくのはまた次回。しかし、さらっと弾いただけでも「やはり名曲」と思わせられるに十二分な力が、作品には感じられます。仕事で色々な曲を弾きますが、中にはかなり弾きこんでも良さが掴みにくい曲というのはあるものです。その意味でもカルテットは本当に宝の山だと思います。良い演奏会にするためにも、しっかり準備をしていきたいと思います。
コメント
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