担任が入学式を休んで我が子の入学式に出てはいけないのか?~現代版「滅私奉公」はブラック企業の始まり に関して。埼玉県立高校の教諭が、勤務校の入学式を有給休暇を使って欠席し、自分の子どもの入学式に出席したことが、「倫理観の欠如」と批判され、問題視する新聞報道がなされました。すでにTwitterでつぶやいていますが、改めて所感を述べさせていただきます。
上記ニュース記事で、弁護士が述べているように、この先生は有給休暇を取得しており、勤務怠慢でもなく、お咎めをうけることは全くしていません。にもかかわらず、「先生が入学式を休むことはけしからん」という勝手な論理で、あたかも先生を悪者扱いしています。
はっきり申し上げます。学校の先生は「(公務)労働者」です。「聖職者」ではありません。「聖職者」呼ばわりして、あれもやれ、これもやれと学校の先生を使い倒すことは間違っています。一体、どれだけ働けというつもりでしょうか。いつ有給休暇を取るのでしょうか。批判者にうかがいたいです。
また、こんなことをいちいち取り上げるマスコミ(今回は埼玉新聞)の「倫理観」も問われます。社会正義に資するべきマスコミが、自ら権威を失墜させているのではないでしょうか。
こんな主張をすると、「民間企業では考えられない」「学校の先生は法律で守られていていいよなあ」といった「反論」があるでしょう。だったら、民間労働者の処遇は適切なのでしょうか。ブラック企業に代表されるように残酷な労働実態が蔓延しています。労働者派遣法の改定が狙われており、更なる不安定化も予想されます。「自分も我慢しているから、お前たちもそうしろ」ということではなく、おかしい点を質していくという方向性で、一緒に考えていきましょう。