自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

砂留 環境連鎖

2019-07-13 17:13:12 | Weblog
堂々川には8基の国登録有形登録文化財の砂留がある。
江戸時代に造られ、砂を下流へ流さないように工夫をしてある石積堰堤。
古いものは住民が300年以上前からこの場で修理や嵩上げを行い
江戸期・明治・大正・昭和・平成・令和の現在もその機能は続き、
周囲の環境を守っている。

この川の最も大きい6番砂留(下流国分寺傍が1番で上2、3番と続く)


高さ13m強、幅55m以上
江戸期からすでに4回以上嵩上げされている


下から上を見ると確かに大きい。
最下段の基礎部には古墳の石が使われていたという。
この地の東の山には古墳が800基を超えてあったが
今は200基程しか見つかっていない。


基礎部には古墳を構成した石の形状のものが沢山ある


1673年5月梅雨時期、上流の池が決壊した後から作られだす。
或る時は住民が川ざらえをして砂を掻き出す。
そしてこの砂留が周囲の環境を育み貴重な生き物が多数生息する。


珍しくはないが殿様バッタ


蝶も2種見られた。黄色やひかげは今回除いた。


ルリタテハ このチョウ飛び立っても時間が経てばこの場に戻る


赤いのを見つけた。


ヒメアカタテハ


相変わらず名前が覚えられない爺様になりました。(応援感謝)

川の中には川エビが3種見つかっているが
(手長エビ・ヤマトヌマエビ・スジエビ)どれだろう。


ここではヌマエビとしておく


8月1日にはこの上に堂々公園があるが梅雨が明けると休みの日には
数十人の家族連れが水浴びにやってくる。
この人たちの安心安全を確認しておくために福山市の出前教育を利用し
この川に住む水生生物を捕まえ指標生物から水質を判定する。
今年で13年連続15回目になる。
ちなみに過去はややきれいな水判定で遊びには問題はない。

見るほう、遊ぶ方は楽しみがあるけれど
来ていただく側は草刈り、ごみや瓶・缶がないか数回にわたり拾う。

まず草刈り



そしてごみを拾う




遊びに来ていた大学生も気楽に手伝だってくれる
堂々川へ来れば誰だってごみを拾うことを楽しくやる


川の草刈りを行っていたら
今では貴重な生き物「かやねずみ」の巣を見つけた。
一寸暇つぶし
今年ここではホタルが福山地区最大の数が光り舞った。
川の流れは見てわかるように変わっているのに!
会員とコンサルの指導のおかげと思っている。


葦の葉を上手に丸めて巣を作る


基本的にはイネ科の植物
堂々川では葦の葉を使う。
ここで蘊蓄
「よしあし」という言葉の発祥はこの植物
関東ではヨシと読み、関西ではアシという。


親指大のネズミが巣を作る


この生き物たちを守っている砂留
そしてこれらを守る人間がいる。
上手いこと環境保護の連鎖が出来ている。