自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

堂々川5番砂留

2012-10-15 21:12:29 | Weblog
今年彼岸花が見事に咲いたから有名になったマイナーな5番砂留。
この砂留の下流域斜面と上流の川原は数千本のヒガンバナが咲き多くの人が訪れた。
ほとんどの人は気がつかなかったが小声でささやいた人がいた。
「5番砂留は草が沢山生えているよ」
「ありがとう。近々取ろうと思っていたんだ」
表向きの声はそうだが
腹の中では「いう前にてめいが取ればすむだろうが!」と思うのであった。
有難いことだ!。ホタル同好会が取って当たり前の考えの人がいる。
確かに年度初めに計画書を出して、年度末にはどこをどのように実施して、
実施した作業前、作業中、作業後の写真をつけて提出して初めて貰えるのだ。
金額には上限があり、砂留の草とりはその作業には入っていない。


草が目立つ5番砂留


5番砂留の規模は
堰堤長さ31.4m、堤高8.8m 1835年頃から造られ
明治以降数度のかさ上げがされている。
石の積み方、石の大きさ、石の割り方等で年代がおおよそ推定できる。
草をとったそのあとの姿、テレビの事例ではアフターはこうなったと見せる。


残り10数本咲いていた
ヒガンバナを入れた5番砂留


結局人に頼めず自分でするはめになった。
カメラと鎌を持ち石積みを蟹のように這う。
サワガニを見つけたがカメラを構えるより相手が早く逃げる。
証拠なし!
この石積みにカブトムシの幼虫がいた。


手では触れない

4匹確認


カブトムシの幼虫を人間の手で触ると幼虫はやけどをして死ぬ。
と聞いていたから触らなかったら勝手に石積の間へ潜って行った。
1段~4段目の草を取り対岸までたどり着いた。
そこでは蝶が待ってくれていた。



少し下がった石の上にはカナヘビ、黄色の蝶は何も知らずに密を吸う。



下部の草も取る。
その時気付いた。
石が削り取られたように欠けて丸くなっていたり、穴があいている。
水が長い間落ちたり、流れたりするうちに出来た歴史的価値の穴だ。
多分明治時代にかさ上げされた部分だから100年以上水が流れ落ちたのだろう。
築造時の部分でも見受けられたからそこは177年前に作られた石積みに水がつけた跡だ。





最上部から下を見ると、つまり8.8m下を見ると
怖い!取った後だから言えることだがよく草がとれたものだ。



草とりが終わってほっとした場所で
ススキの花を見た。黄色花が見られるのはわずかな時間だけだ。


黄色で綺麗


3時間ほどの作業、無事完了して帰り路、喉が渇いたから近くのスーパーへ寄り道して
ふと見上げた西の空
太陽柱が現れていた。



もう少し早く気が付いていれば見事な姿が撮れただろうに!
まーいいか。自然がくれたお礼は素直に受け取ろう。
小声で教えてくれた人、あなたにはこんな姿は見えないだろう。