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大木昌の雑記帳

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漂流する日本の政治-どこへ行く日本?-

2012-11-02 23:36:35 | 政治
漂流する日本の政治-どこへ行く日本?-


最近の日本の政界を見ていると,どこへ行く日本,大丈夫なのか日本,と言いたくなる状況です。

この背景には,長期低迷する日本経済,政治の無力,一向に良くならない生活,老後の生活不安,

竹島や尖閣諸島を巡る隣国との緊張関係などなど,多くの要因があります。

とりわけ経済の低迷は人々の気持ちを重く,憂鬱にさせています。

この重苦しい気分は1991年のバブル崩壊から今日まで続いています。

この20年間は「失われた20年」と呼ばれてきました。

現在の私たちは,これから先,日本社会や自分の生活が良くなるという期待をもつことができません。

経済に関して言えば,日本経済は世界経済と分かちがたく連動しています。

とりわけ2008年のリーマンショック以降,世界経済は金融不安と停滞に突入しました。

最近ではギリシアなど南ヨーロッパ諸国での財政・金融不安が表面化し,それが日本経済にも陰を落としています。

このため,今日の経済環境は,日本の努力だけで経済が好転するほど単純ではありません。

サラリーマンの昼食代が,バブル崩壊の翌年,1992年には746円であったものが,今年は何と510円にまで下落してしまいました。

これは,不況と生活防衛に走る庶民の,厳しい経済生活を鮮明に反映しています。

日本全体が,縮こまった状態にあります。

日本社会全体を覆っている,どこにも持って行き場のない鬱屈した気分が,私たちに閉塞感をもたらしています。

このため私たちは,政治が現状を打ち破って,少しでも明るい未来を切り開いて欲しいと願うのです。

しかし,皮肉なことに,この政治こそが停滞の原因となっています。

衆議院の解散を迫る自民党総裁の谷垣氏にたいして,野田首相は今年の8月,「近いうちに」民意を問う,つまり衆議院総選挙を行うと発言しました。

こうした雰囲気のなかで,野田内閣の政治生命は風前のともし火で,11月にも解散総選挙があるのではないかという観測も何度か流れました。

しかし野田内閣は,11月2日現在,ピサの斜塔のように,今にも倒れそうで,これまでのところ実にしぶとく持ちこたえています。

それどころか,総選挙は来年になるのではないか,という見方さえ現実味を帯びています。

閉塞感があふれる日本の政治の世界では,新たな動きが出てきました。

一つは,今年の9月に自民党総裁に安部晋三氏が選出されたことです。

彼は憲法の改定(とりわけ不戦条項の9条),集団的自衛権の行使(つまり軍事行動の容認),戦前のような教育の復活,
靖国神社の公式参拝など,全体に国家主義的志向を強くもっています。

日本のエネルギー政策では,もちろん,原発推進派です。

新党としては,大阪市長の橋下氏が「日本維新」を政党として立ち上げました。

橋下氏は,公教育の教師に「君が代」の斉唱を義務づけ,従わない教師を処分の対象とするなど,
安部氏と同様,国家主義的な志向を強く持っています。

また橋下氏は,経済的には小泉氏と同様,小さな政府,市場原理を中心とする新自由主義者でもあります。

続いて名古屋市長の河村たかし氏も新しい政党「減税日本」を立ち上げました。

河村氏は,減税を掲げていることからも分かるように,政治イデオロギーというより,住民の生活保護,行政の効率化が主要なテーマです。

そして,10月末で東京都知事を辞任した石原慎太郎氏も新党結成に踏み切りました。

石原氏は,とにかく日本を変えることを強調しています。

しかし,これまでのところ,どのような方法でどのような方向に変えるかの具体的な提案をしているわけではありません。

はっきりしているのは,現行の憲法はアメリカの占領下で作られたもので,これを改訂ではなく廃棄すべきだと考えています。


尖閣問題で石原氏は,接続水域やさらには領海内に浸入してくる中国船にたいして,「寄らば切るぞ」という姿勢を見せるべきだ,

との強硬な発言をしています。

さて,小沢一郎氏がすでに政党「生活が第一」を立ち上げているので,ここ1年に5つの政党が新たに結成されたことになります。

これは,民主党,自民党という二大政党に対する国民の信頼が揺らいでいることを反映しています。

民主党政権が発足した3年前,多くの日本人は,これで新しい日本が始まると大いに期待しました。

しかし,実際には官僚支配を打ち破ることができず,国民は自民党政権時代と本質的には変わらない政治の姿を見せられ,失望しました。

民主党の,政権与党としての経験不足,という弱点が露呈したとも言えます。

それでは自民党はどうか,と言えば,この党も国民に希望を与えるような活動はしてきませんでした。

とりわけ不評だったのは,昨年の東日本大震災で甚大な被害が発生していたにも関わらず,谷垣自民党総裁は国会の場で,

民主党政権に解散・総選挙を迫ることしか議論してこなかったのです。

本来なら,国難とも言える激甚震災にたいして,政党を問わず叡智を結集すべき時に自民党は,自分たちに政権を渡せ,

と迫ることしかしなかったのです。

現在,自民党の支持率は以前よりは上がったものの,それは自民党に対する期待というより,民主党に対する失望,
いわば敵失の裏返しでしかありません。

もし,自民党が本当に国民の広い支持を得ているなら,これほど多くの政党ができるはずはありません。

民主,自民・公明の二大勢力に対して,それ以外の大きな勢力をまとめて「第三極」と表現することがあります。

橋下氏は,将来の連携も視野に入れて,第三極の中心は石原氏であると述べています。

すると,第三極は,現行憲法の破棄や原発推進,国家主義などの集団となります。

石原氏は,大同団結が大事で,「原発問題などささいな問題」と切り捨てます。

しかし,原発問題は決して「ささいなこと」ではありません。

ところで,次回の衆議院総選挙の後には,必ず政界再編成が起こるでしょう。

その際,橋下=石原両氏の連携に,安部・自民党=公明党が加わると日本の政治は一気に国家主義に向かう可能性があります。

いつまで経っても先が見えない不透明感,長期低落傾向にある日本経済など,現在の日本社会には重苦しい閉塞感が蔓延しています。

今日の日本には,尖閣や竹島問題の影響され,ナショナリズム的感情が蓄積されています。

このような状況で,石原氏のように,強烈なメッセージに同調してしまい,そのような人物を,

強いリーダーシップをもった政治家であると勘違いしてしまう可能性があります。

私たちは以前,「郵政の民営化にイエスかノー」というたった一つの政治課題に踊らされて,

市場原理主義(新自由主義)と自己責任を掲げる小泉政権を誕生させてしまった苦い経験があります。

今の日本の状況は,1930年代のドイツの状況を思い起こさせます。

当時のドイツにも経済的停滞その他の要因で閉塞感と不満が鬱積していました。

そこに,ナチがドイツ人の民族主義的とおよび国家主義的メッセージにドイツ国民は冷静さを失ってナチに取り込まれ,

やがて戦争に突入してゆきました。

当時のドイツを現在の日本に直接重ね合わせることはできません。

しかし,どうしても国家主義への危機感をぬぐい去ることはできません。

私の危機感がたんなる取り越し苦労に終わってくれることを祈っています。
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