「富岡製糸場 国宝に」話題となった秋一回目の蚕糸記念館で座繰・桑の木クラフト体験
平成26年10月18日(土)に前橋市文化財保護課より「座繰り・桑の木クラフト」体験を委嘱され、蚕糸記念館で世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の新しいパネルを使って伝道活動を兼ねて行いました。
速水堅曹(はやみけんぞう)は、フランス、イタリアでは一製糸所一蚕品種が一般的で日本は蚕品種の数が多く、生糸の品質を低下させていると報告しています。明治政府は、この報告を受けて、明治44年に蚕糸業法を施行し、国立原蚕種製造所を建設しました。
蚕糸記念館は、この原蚕種製造所(蚕業試験場・蚕糸試験場前橋支場と改称)の事務棟を前橋市が「生糸の町」として栄えたことを後世に遺したいと、国から払下げを受け、この「バラ園」内に移築したものです。
座繰体験や桑の木クラフトを、県外からの団体客や個人的に訪れた親子ずれ等が、楽しそうに体験してゆきました。
座繰を体験した方には、記念に「押し花を小枠の生糸に挟んで」作品を作り持ち帰って頂きました。
体験者は、県内から前橋市・高崎市・渋川市の方が、県外からは、遠くは東京都・千葉県・茨城県・栃木県の方々がお見えになり総勢約90人に達し、座繰体験と世界遺産の説明に追われ、特に富岡製糸場が「国宝」に指定されたことを共に喜び合いました。また、吉澤さんは、糸採りや押し花の巻き付けなどを丁寧に解説し、皆さん喜んでお帰りになりました。
特に印象に残った方を纏めますと、①東京からの女性は、団体客で時間の関係で12時ごろ来られました。昼食時なのですが、特別に座繰りを体験して頂き、丁寧に説明をしました。帰り際に色々な場所で色々と体験をしましたが、このように親切に扱ってくれ、しかも、無料で体験が出来たことに感動していました。また、このような体験を何処かでしたいと申しておりましたので「日本絹の里」を紹介しました。
②前橋市の女性から、自分の小枠に生糸を巻き採りたいと申し出がありましたので、体験者の様子を見て空いた時間に巻き採ってやりました。私の宝物が出来たと感激してお帰りになりました。
③お子様ずれの方々が多く、「座繰り」を初めて知りましたと、座繰り器を恐る恐る回しながら作品つくりを楽しんでいました。
また、若い女性が来たので、生糸はフィブロインと言う絹蛋白質にセリシンと言う糊状の蛋白質が覆われていて、このセリシンが化粧水になりますと説明しますと意外な顔をしておりました。また、繭から一本の糸が出てくること、一粒の繭から1,200 メートルほどの糸が採れると説明しますと驚いておりました。
④秋晴れの中、屋外のウッドデッキで行われた桑の木クラフト体験では110名の方が体験をされ、赤見さんの手慣れた動作や説明が素晴らしく、体験をしたお子さん達は、思い出作りに良い体験をしましたと喜んでお帰りになりました。また25日の桑の木クラフト体験に来ることを約束して帰った子供が2名いました。
以上の体験を担当した方々は、座繰り体験を吉澤朗夫・小野功一・桑の木クラフトを赤見隆・日下部邦彦の4名で行いました。
秋のばら園まつり期間中に今日と10月25日、11月2日の三回 活動を委嘱されています。 (K.O:記)