雨の中の二人

2024-07-22 04:20:29 | 五輪真弓
五輪真弓

そぼ降る小雨の中を
二人はひとつの傘に
濡れないようにと
寄りそい歩くのよ
サンダルはいてるわたし
裸足の指先には
よけきれない雨 冷たくしみるわ

だからもっとそばに居てほしいのよと
言いたいのだけれど胸の奥の
愛は何故か素直になれないの

・・・・・・・・・・




日かげの葉っぱは
泣きむしだ、
ほろりほろりと
泣いている。
日向ひなたの葉っぱは
笑い出す、
なみだの痕あとが
もう乾く。
日かげの葉っぱの
泣きむしに、
たれか、ハンカチ
貸してやれ。
       (金子みすゞ)




金子みすゞさんは、光と影、目立つものと目立たないもの、どちらにも目を向けて、影や目立たないものをすくい上げるような詩を生みだしています。

ですから、目立たない立場にいる人がみすゞさんの詩に触れると、自分のさみしさや人知れず努力していることなどに、そっと光を当たられたような

思いになります。

すっと心が軽くなりますよね。

「雨のあと」の詩でも、日かげの葉っぱに思いやりを示しています。

泣きむしの葉っぱに、「ハンカチ貸してやれ」と呼びかけているのが、とても素敵です。

日向があれば、日かげが生ずるのは、仕方ないこと。

それでも、みすゞさんのような優しい見方で世界を包み込むことができれば・・・いいですよね。
















































































































この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 空飛ぶ鯨の話 | トップ | 時の流れに~鳥になれ~ »
最新の画像もっと見る

五輪真弓」カテゴリの最新記事