自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

人間=動物+道具+情報~政治も経済も「情報」である④

2018-10-16 20:28:35 | 自然と人為
 『経世済民~政治も経済も「情報」である』で「情報」について思いつき、考えを深めたのは次の資料であった。「人類は、その誕生の時点から社会的であり、”個人”であったことなどない」
 人間だけでなく、サルや他の動物も群れで生活し、「鳴き声」等で連絡し合う。鳴き声がコトバとなり、名詞が動詞とつながる言語となり、絵画や音楽も発達させ、今ではインターネットで連絡できる電子情報になっている。人間は動物+道具(機械)ではなく、動物+道具(機械)+情報=人間なのである。

    情報は「鳴き声」から「言語」、そして「電子情報」へ
  
  ダイアモンド博士の“ヒトの秘密”第2回「動物のコトバ、ヒトの言語」より引用

 言葉や文化は発達させたが、人間も動物の一員であることには違いはない。その動物としての性サガが人と争い、人を支配する本能として残っている。人間は地球に生きる生物の一種であるとともに、「人間の尊厳の不可侵」は、人間として生きるための必要条件であることを全員が自覚する時代を目指さなければならない。それは「理想」ではなく「常識」であり、人間として生きる「宿命」だと思う。そうではないとすれば、『「動物」として生きることに「誇り」を持て』、とでも言うのだろうか。

1.ネットワークで出会う情報と人
 私は歩行困難になり運転免許は返上したが、運転をしないと地理情報も失われていくような気がする。一方、ブログ「自然とデザイン」を書くことを楽しみにしていて、経済の本質について語られる大西さんと出会い、「政治も経済も情報である②」に私なりに理解したことを書かせていただいた。大西さんの行動は我々の今までの常識を変え、真に生きていくことを考える素晴らしい話だと確信し、まだお会いしたこともないのに、来春の講演会の打ち合わせを始めている。

2.貿易収支黒字と軍事費
 最近、米中貿易戦争のニュースが流されている。例えば、『トランプ政権が発動した貿易戦争が狙う「中国潰し」』の裏に、中国の対米大幅貿易黒字がある。この黒字が無くなると食糧を輸入している中国は大変なことになる。しかし、あれだけ広大な土地がありながら、食料を輸入しているのもおかしなことだ。それはともかくとして、ドルで決済される貿易収支を利用したアメリカの強欲な戦争だ。戦争と脅されればアメリカに守ってもらおうと思う人が多いかもしれないが、アメリカは産軍複合体の国でもある。戦争で儲ける国だから、中東やあっちこっちで戦争を仕掛けて儲けている。日本も基地を置かれ、アメリカから武器を購入する世界一の国である。防衛を理由に、武器を日本に買わせていることを見逃してはいけない。また、トランプ政権は北朝鮮に非核化を迫る一方、小型核兵器の増強を進める矛盾を平気でしている国であることも。

 日本も貿易黒字であることは、7.貿易黒字の行く先で紹介した。貿易はドルで決済されるので、使えない(使わない?)まま黒字額を放置し、アメリカはこれを利用して、世界一の貿易赤字にも拘らず財政破綻をしないで生き延び、日本は財政破綻をしないためと噓をつき、消費税を10%に上げると言っている。消費税は人間の活動を抑制するので完全撤廃すべきである。政治とは「人の時間と労力、資源を大事にすること(動画)」であり、今の政治や経済のトップにいる人たちは、「お金の発行の仕組み」を知らないか、知らない常識が国民支配に都合が良いのだろう。我々は「トップにいることは支配することである」という長い歴史を生きてきた。150年先の常識はどう変わっているだろう。

 日本がアメリカから購入している武器は、平成23年度は589億円だったが、2012年(平成24年)暮れに第2次安倍政権が発足して以来増加し、平成28年度は、4881億円と5年間で8倍以上に急増大切な情報なのに削除されているので、近い情報を引用しておく)している。しかも、戦争放棄の憲法9条に自衛隊を追記し、アメリカの属国として戦争ができる国にしようとしている。安倍晋三が国民の為ではなく国民を支配するために、日本の首相の地位を利用している姿をメディアは報道しない。メディアは政府に支配されているが、勝ち組の政府に従うのがメディアの生き残り策だと思っているのだろう。経済と政治は一体であり、情報化の時代には政治が経済を支配し、国民は勝ち組の政治に支配される。
 参考:「アメリカの財布」と化している日本の兵器調達
     アメリカ製兵器 もっと買え? 2017年11月14日 削除!
     日本の武器輸入、11年間で198兆ウォン注ぎ世界1位
     日本が世界一の武器輸入国に、独自の開発も強化


3.戦争は人間を鬼にする
 「国を守るために」と美しい言葉で、国民を幸福から戦争へと誘導している安倍政権。「富裕層や大企業を豊かにすると、富が国民全体にしたたり落ち(トリクルダウン)、経済が成長する(動画)」と大嘘を平気で言って、国民よりもお金を大切にして格差を拡大させている一方で、「国を守る」と言って、憲法9条を改悪して「自衛隊」を明記し、「集団的自衛権」で憲法9条の命である「戦争放棄」から、戦争で儲けている「アメリカと戦う自衛隊」にしようとしている。戦争の現場は人間を鬼にする。安倍政権の危険な道、1)民間船の自衛隊(戦争)への利用、2)道徳教育の重視が国民の自由を奪い、3)敗者も勝者も戦争は人間らしい生活を奪う、ことを下記の番組は教えてくれる。

 ザ・ベストテレビ2018
  第1部
  防衛フェリー 民間船と戦争
  教育と愛国(導入部) 教育と愛国(本編) (論議)
  記憶の澱(オリ) (論議)

 戦争は自分とは関係ない?戦争は過去にあらず。いつの間にか戦争の中にいた。今の空気が昔と似ている。そのうち、戦争に協力しないと「国賊」と言われる時代になるのではないか。戦争は現場で起きる。だから戦争を現場の責任にする官僚、ひょっとしたら首相まで?現場に責任を持たない体質は、先の大戦と変わらない。
 道徳は評価できるか?子どもの将来は子供の責任。大人は子供の可能性を見守り、その能力を引き出してやること。一部の大人の価値観を子供に押し付けて、それが日本の伝統を守ること?歴史から学ぶことはない?「歴史」は過去に学ぶことなのに、道徳教育に熱心な人にとって「歴史」は「道徳」なのだ。戦争体験は歴史に残し、歴史から学ばないといけない。しかも、戦争は個人を「被害者」にするだけではなく「加害者」にもする。殺人事件は多いが、戦争は普通の人を殺人者にする。戦争では人間性を破壊する訓練を経て、殺人が任務になる。戦争は人格を破壊し、美しい言葉「国を守る」で、個人を破壊する。

  第2部
  地方の時代 「かあちゃんのごはん」(動画)削除! (論議)
  父を捜して〜日系オランダ人 終わらない戦争〜(動画)(論議)
  知られざる被爆米兵~ヒロシマの墓標は語る~(動画)(論議)

 地方の時代「かあちゃんのごはん」は、淡々とシングルマザーの生活と地方への移住を語っているが、私にはエマニュエル・トッドが日本の問題と指摘していた「家族制度」と重なって見えた。日本の家族制度は誇りだと思っていたが、それは個人を尊重する男女平等のフランスからすると「男性を尊重する」男社会の問題をはらんでいる。私が3人の姉を持つ末っ子の長男として生まれ、何不自由なく思いのまま生きてこれた背景には、女性の犠牲と苦労と大きな負担があった。出生率が減少して東京でも小学校の廃校があるというのは、パリでは考えられないことだそうだ。その日本的価値観から脱却しないと、日本は老人社会になって大変なことになると警告する。日本で「家族制度」が崩壊していくとき、個人の尊厳は守られるであろうか?
 第2部でも「戦争」に関する番組が選ばれている。今、日本は危険な道を歩もうとしていることに対する警鐘のように私には思える。この問題は憲法の問題として次回に考えて見たい。
 参考:エマニュエル・トッド 混迷の世界を読み解く(動画)
     憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防(動画)


 戦争は絶対悪であり、「国を守るために国民を犠牲にする戦争」は絶対にしてはならない! 戦争をしないのだから自衛隊はいらない。国際災害救助隊にして武器を捨てれば、日本の人も世界の人も安心して生活できる。安倍晋三は現場に責任を持たないで、自分たちの国を守ることを妄想し、政治を私物化して総裁任期3期9年、延長決定し、首相在任を21年まで可能にし、憲法改正で国民支配をすることを執念に生きている。その姿からドイツのヒットラーを連想し、嫌悪を感じる。異常性格者? 少なくとも公人失格者は早く政界から追放しなければ、国民が不幸になる。

4.金融システムの破綻:貿易黒字が消える?
 日本は対米貿易黒字が毎年10兆円程あり、大西さんの話によれば、対外資産は1012兆円だそうだ。対外負債は683兆円で対外純資産は約330兆円である。この対外資産等はドル/円の為替相場(為替レート)(2)によって変化する。日本銀行の異次元緩和は円安、輸入物価の上昇と株高という三方良しを追求する政策だった。マネーゲームの時代にあって、我が国の経常収支は構造変化し、「貿易立国」から「投資立国」へと変化している。
 参考:対外資産、初の1000兆円突破 昨年末 対米投資が過去最大
     対外資産、初の1000兆円超=海外直接投資が加速-17年末

    日本が揺れた消費税導入の舞台裏(動画)
    消費税「導入」と「増税」の歴史
    「財政赤字の拡大」は政府が今やるべきことか
          日本の20年にも及ぶ長期停滞の真因

 「租税とは、国民経済に影響を与え、物価水準、雇用水準、金利水準あるいは富の再分配を操作するためのマクロ経済政策の手段。増税は総需要を抑制し、インフレを阻止するために必要となる。反対に、デフレのときに必要となるのは、減税なのである。そう、今の日本に必要なのは消費増税ではなく、消費減税なのだ。」

 1979年1月、大平正芳内閣は財政再建のため「一般消費税」導入を閣議決定。同年10月、総選挙中に導入断念を表明したが、大幅に議席を減らした。1989年4月、竹下 登内閣は3%の消費税法を施行した。1997年4月、橋本龍太郎内閣は消費税率を5%に引き上げ、野田佳彦内閣は消費税率を2014年に8%、15年に10%に引き上げる法案を提出。8月10日、参院本会議で可決成立した。そして、安倍晋三内閣で消費税率が2014年4月1日、5%から8%に上がった。
 日本は財政の専門の旧大蔵省(財務省)だけでなく、与野党ともに消費税の意味やお金の流通の仕組みを知らないか、国民が知らないことに安心しているようだ。政府が消費税5%を決定した頃、財界の大物はこれに反対し、せめて1%にすべきだとしたが、今や10%に増税しようとしている。しかも財政赤字は1000兆円と増加している。この増加分を税金で補えるわけがない。どこかに大嘘が隠されている。中野 剛志さんも消費税の問題を指摘しているが、今、計画を進めている大西さんの講演会で、もっと経済とお金の仕組みについて勉強したい。

 2014年4月の消費税率8%への引き上げの影響は予想外に大きく景気はもたついたが、日銀の質的・量的金融緩和をきっかけに「円安・株高」の流れ(2)が一挙に進み、アメリカのドル高は顕著に進み始め、それ以降、米実質貿易収支は悪化(赤字が拡大)している。2018年9月27日、アメリカのFRBが0.25%の利上げを決定し、「緩和的」政策の終了を示唆している。しかし、アメリカはいつまでも永久に貿易赤字を続けることも出来ないし、日本も貿易黒字を維持できないはずだ。『2019年「金融危機」説』,(2)は、現在の持続不可能な金融システムの崩壊が近いことを予感しているのかも知れない。予測される金融危機に対して、我々が備えることが出来るのは、「里山資本主義」,(2)を尊重し、静かに楽しく農業を守るしかない。
 参考:【図解・経済】主な国・地域の対外純資産(2018年5月)
     焦点:トランプ政権のドル安志向、世界最大の債務国に不都合も : 2017年2月1日
     我が国の経常収支の構造変化:「貿易立国」から「投資立国」へ
     コラム:トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性:2018年9月21日
     日銀レビュー「実質実効為替レートについて」2011.J.1
     昭和59年 世界経済報告「拡大するアメリカ経済と高金利下の世界経済」経企庁
     昭和63年 世界経済白書 本編「変わる資金循環と進む構造調整」経企庁
     経常収支と貿易収支はどう違う?
     異常な日本の貿易黒字とGDPに関わる問題 v.s 日本復活の方法
     トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性:2018年9月21日
     このままだと2019年に「金融危機」が来る?
     差し迫っているのは世界的金融危機、貿易戦争は序の口



初稿 2018.10.16 更新 2019.1.24 更新 2020.2.23(ブログ目次削除)


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